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SUVらしさマシマシ。GLBより引き締まった乗り心地とハンドリングも美点【メルセデス・ベンツGLA試乗】


2014年にデビューし、世界的にスマッシュヒットを記録したGLAがフルモデルチェンジを実施した。2代目はサイズアップを果たすとともに、よりSUVらしいスタイルに変身。GLBと迷う方も多いかもしれないが、スポーティに運転を楽しみたいならGLAで決まりだ。




TEXT●安藤眞(ANDO Makoto) PHOTO●MotorFan.jp

新型GLAの全高は110mm高くなり、ハッチバックからSUVに成長を遂げた

“アジリティ(俊敏さ)”を前面に押し出したメルセデス・ベンツAクラスのSUVバージョンとして、2013年にデビューしたGLAが、フルモデルチェンジを実施。全高1510mmと、SUVというより全天候型ハッチバック車という趣の強かった先代から一転。全高は1620mmと高くなり、SUVテイストが強くなった。




一方で、全長は15mm短い4415mm、全幅は45mm広い1850mmとなり、ホイールベースは30mm伸ばされて2730mm。この微妙な変化が、居住性やライドフィールにどのような影響を与えているかに興味が持たれる。

ラジエターグリル内のルーバーは、メルセデスSUVのアイデンティティ。下部にはクローム仕上げのアンダーガードが備わる。

全幅は1850mmと、先代から45mm拡大された。その分、室内の余裕は増している。

全高も先代より110mm高くなり、よりSUVらしさが増したサイドビュー。ルーフラインはなだらかな後ろ下がり。

Aクラスと基本デザインを共用するインテリア。ワイドスクリーンディスプレイと円形の空調アウトレットが特徴だ。

日本向けに設定されるのは、GLA200d 4MATICの1機種のみで、選択肢は“AMGライン”を装着するか否かだけ。名前からもわかるとおり、ディーゼルエンジンを搭載したAWDモデルだ。本国仕様には1.3Lや2.0Lのガソリンターボ+FWDの組み合わせもあり、クルマのキャラクターからすると1.3L+FWDを気負わずに乗るのが似合うような気もするが、ともあれ現状では“いかにもSUV”という組み合わせしか選べない。

2.0L直4ディーゼルターボエンジンは、最高出力150ps&最大トルク320Nmを発揮する。

ドライビングポジションはGLBと同じ。従来型GLAに較べると、ヒップポイント地上高は97mm高くなっており(地面からの高さは約600mm)、セダンライクだった従来型に較べると、着座感も視界も大きく変わっている。個人的には、Aクラスに対する違いも明確になったし、周辺視界が向上して好ましい変更だと思う。




後席のレッグスペースは、従来型より116mm広くなったとのこと。ホイールベースの延長は30mmに止まるが、高い位置に座らせて脚を下に向かわせるパッケージングにしたことが奏功しているようだ。シートにはGLBと同様、140mmのスライド機構が付いており、身長181cmの僕が前席を合わせて後席に座っても、ヒザの前には約100mm、頭上には90mmの余裕が残る。さすが成人男性の平均身長が181cmに達する国のパッケージングだ。




ラゲッジスペースは横幅が1060mm、中央部の奥行きが780mm、高さはトノカバー下までで410mm(実測値)。床は2重底になっており、下段に落とし込むと+75mmの深さが稼げる。上段にすると、背もたれを前倒しした後席とツライチになる。後席背もたれは4:2:4分割で倒せるので、フレキシビリティは高い。

試乗車は「レザーエクスクルーシブパッケージ(26万3000円)」を装備。シート表皮はマキアートベージュの本革となっている。
前席の着座位置は先代より97mm、Aクラスより140mm、Bクラスより52mm高くなっている。写真の乗員の身長は181cm。
後席は6:4分割で前後に140mmスライドできる。また、バックレストは7段階の調整が可能。
後席レッグスペースは先代より116mm拡大されたおかげで、膝周りも余裕がある。
通常時で425Lの容量を持つラゲッジルーム。後席を倒さずにゴルフバッグ2つが収まる。
後席背もたれは4:2:4の分割可倒式で、荷室を1420Lまで拡大できる。荷室床は2段階の高さ調整式。

メルセデスらしいシュアなハンドリング。扱いやすいディーゼルエンジンも好印象

エンジンスタートボタンを押すと、ディーゼルエンジンらしいカラカラ音がわずかに聞こえてくるが、直噴ガソリンエンジンと大差の無いレベル。アイドリング〜低速走行では、明らかにディーゼルっぽいゴロッとした音質だが、「ガソリンエンジンと区別が付かない」という評価に対して「それはちょっと言い過ぎ」と返したくなる程度の違いに過ぎない。40km/hを越えてしまえば、文字通りガソリンエンジンと区別が付かない。




トランスミッションはGLBと同じ、デュアルクラッチ式8速AT。発進時にトルコン特有の滑り感がない以外は、普通のATとまったく変わらず、トランスミッションがどういう仕掛けであるかなど、まったく意識せずに走ることができる。

2.0Lのディーゼルエンジンは、低速からトルクフル。ターボラグが出そうなシーンでは、ATがすかさずシフトダウンして2000rpmぐらいまで回転を上げに行くので、市街地から登坂路まで、モタつくことは一瞬もない。急な登坂路では、ガソリンエンジンなら3000rpmぐらいで登るところを、2枚高いギヤを使って2000rpmぐらいで登ってしまう。




操舵応答性はGLBより機敏。従来型より重心高は高くなっているはずだが、走りの快活さは失われていない。操舵のしっかり感や正確性、滑らかさなどは、メルセデス・ベンツ車に共通する美点。旋回加速でアンダーステアがそれほど強まらないのは、AWDならではの強みだろう。

新型GLAのターゲット層は、「40代以上のアクティブな方(街乗りがメインで安心安全を重視)」とのこと。販売も非常に好調で、年内にAMGモデル(GLA 35 4MATICとGLA 45 S 4MATIC+)を追加予定。

乗り心地もGLBより引き締まり感があり、西湘バイパスの荒いジョイントを越えても、バウンシングもピッチングも1発で収まる。タイヤは55扁平と「やり過ぎ感」はなく、縦バネが使えているので乗り心地も良い。これならタイヤチェーンで荒れた硬い圧雪路でも、快適に走れそう。泥の似合うクルマではないが、ウィンタースポーツ・エクスプレスとしてならば、良い選択肢になるのではないか。

MBUX(音声コントロールほか最新のインフォテイメントシステム)や最新世代のレーダーセーフティパッケージ、360度カメラが標準装備なのも新型GLAのセールスポイントだ。

メルセデス・ベンツGLA 200d 4MATIC




■ボディサイズ


全長×全幅×全高:4415×1835×1620mm


ホイールベース:2730mm


車両重量:1710kg


乗車定員:5名


最小回転半径:5.3m


燃料タンク容量:51L(軽油)




■エンジン


型式:654


形式:水冷直列4気筒DOHCディーゼルターボ


排気量:1949cc


ボア×ストローク:82.0×92.3mm


圧縮比:15.5


最高出力:110kW(150ps)/3400-4400rpm


最大トルク:320Nm/1400-3200rpm


燃料供給方式:電子制御燃料直接噴射(コモンレール)




■駆動系


トランスミッション:8速AT


駆動方式:四輪駆動




■シャシー系


ブレーキ:Fベンチレーテッドディスク・Rディスク


タイヤサイズ:235/55R18 ※AMGラインは235/50R19




■燃費


WLTCモード:16.5km/L


市街地モード:12.8km/L


郊外モード:16.5km/L


高速道路モード:19.0km/L




■価格


564万円
メルセデス・ベンツGLA 200d 4MATIC

メルセデス・ベンツGLA 200d 4MATIC

5ツインスポークの18インチホイール+235/55R18タイヤの組み合わせ。AMGラインを選択すると、19インチAMG5ツインスポークホイール+235/50R19となる。
バランスのよい「Comfort」、燃費優先の「ECO」、スポーティな「Sport」を選択可能。オフロードエンジニアリングパッケージを装着すると、滑りやすい路面でもトラクションを確保できる「Off-road」も選べるようになる。
シフトレバーはコラム式。慣れると操作しやすい。
メーターは10.25インチ液晶。様々な情報を表示できる。
後席用にエアコン吹き出し口やUSB-Cポートが備わる。
後席は6:4分割で140mmスライド調整が可能。
センターコンソールにはタッチパッドを配備。その奥の小物入れにはスマホの無線充電機能も。
ステアリングホイールにもメニュー操作が可能なコントロールボタン(黒い四角のスイッチ)が備わる。
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