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アルファロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ「鋭い猛獣の爪を持ちながら、普段は紳士。しかしRACEモード、ヤバイです」


アルファロメオが久しぶりに開発した後輪駆動の4ドアスポーティセダン、ジュリア(Giulia)。プラットフォームはSUVのステルヴィオも使う「ジョルジョ・アーキテクチャー」。ジュリアのトップグレードであるクワドリフォリオは、フェラーリ譲りの510psという高出力2.9ℓ 90度V型6気筒ツインターボを搭載する。果たして、ジュリア・クワドリフォリオの快足FRセダンとしての実力や如何に?


TEXT &PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)

クワドリフォリオのスピードメーターは330km/hまでメーターが刻んである

 アルファロメオ・ジュリア・クアドリフォリオのスピードメーターは「330」km/hまで目盛ってある。「またまた、盛っちゃって。ま、気分を高める役には立つからいいけど」と、などと決めつけてしまったのだが、念のために調べて驚いた(調べてから乗れって話だが)。




 ジュリア・クアドリフォリオの最高速は307km/hなのだ。330の数字はまったくもって盛っておらず、妥当である。恐れ入った。調べついでに確認してみると、ZF製8速ATと組み合わせる2.9ℓV6ツインターボエンジンは、510ps(375kW)の最高出力と、600Nmの最大トルクを発生する。リッターあたり出力は175ps。BMEP(正味平均有効圧)は26.1barになる。

2016年9月時点でのニュルブルクリンク北コース量産4ドアセダン世界最速タイム、 7分32秒をマークしている。

7インチフルカラーTFTマルチファンクションディスプレイを備えるがナビはなし。AppleCarPlay、AndroidAutoでスマホをつなぐことになる。

トランスミッションはZF製8速AT(8HP)を採用する。ZF8HP 1速:5.000 2速:3.200 3速:2.143 4速:1.720 5速:1.314 6速:1.000 7速:0.822 8速:0.640 後退:3.478 最終減速比:3.090

 ガソリンエンジンとしては高い部類に入るが、欧州系ハイパフォーマンスカーが搭載するエンジンにはBMEPが30barを超えるユニットも存在するので、「突き抜けてんなぁ」という感じでもない。しかし、ハイパフォーマンスエンジンであることに変わりはなく、0-100km/h加速はわずか3.9秒でクリアする。

エンジンのスタートボタンはステアリングホイール内に備わる。

 330の数字を疑った言い訳をさせていただくと、日常走行域ではこのクルマ、極めてジェントルなのだ。ステアリングホイールのセンターパッド脇にある赤いスタート/ストップボタンを押すと、雄叫びを上げるでもなく、510psの高性能エンジンは静かに目覚める。オルガン式のアクセルペダルを踏んで走りはじめても、ヴォォォォン、バンバンバンといった勇ましいエキゾーストサウンドを発したりはしない。




 しかし、「なんだか違うゾ」という感覚はすぐに湧いて出る。アクセルペダルに軽く足を載せるだけで、スムーズにかつ静かに加速し、気づいたら結構な車速に達しているのだ。「えっ、もう100km/h」という具合に。高速道路が主体のロングクルーズは力のあるクルマに限るという真理を、ジュリア・クアドリフォリオで再確認した。

変速用のパドルを装備する。ステアリングギヤ比は11.8:1。

クアドリフォリオ専用スポーツレザー/アルカンターラシート

 低く構えたいかついフロントバンパーや、カーボンのインサートが入ったサイドスポイラーに、高い性能を誇示するかのような大径ブレーキディスクとキャリパー。リヤに回れば、ディフューザーの両脇に2本ずつテールパイプが覗いて、ただ者ではない感は全身で、しかし押しつけがましくない程度に主張している。それを考えると、ジェントルな振る舞いはミスマッチな気がしないでもない。

DNAにRACEを加えた4つのドライブモードがある。DYNAMIC/ストリートで最高にスポーティなハンドリング(変速スピードup、サスペンションの応答性up NATURALモード/市街地や高速道路に最適な走行モード ADVACED EFFICIENCYモード/自動的にエンジンとタイヤの接続を切るコースティング機能や気筒休止により燃料消費量を最小にするモード RACEモード/スタビリティやトラクションコントロールが解除されパフォーマンスが最大化

 ジェントルなのはあくまでも仮の姿なのだ。「DNAドライブモードシステム」を操作すると、ジュリア・クアドリフォリオのキャラクターは一変する。モード切り替えのダイヤルは、シフトレバーの右手前にある。デフォルトはNで、NATURALの意味だ。アルファロメオの説明によると、「快適性と燃費性能を追求した、市街地や高速道路に最適なモード」ということになる。




 大人しいほうから先に説明すると、AはADVANCED EFFICIENCYモードだ。自動的にエンジンとタイヤの接続を切るコースティング機能や気筒休止機能により、燃料消費を最適化する。Aを選択するとエンジン回転はN選択時より低めになり、その状態で状況に応じて3気筒をカットし、V6の片バンク3気筒で燃料消費率の良好なゾーンで運転するようになる。低速走行時はときにゴロゴロと、3気筒に特有の振動を感じることもあるが、「燃費を頑張っている証拠だな」と好意的に受け止めることができる。Aモードを選択し50〜60km/hで巡航した区間では16km/ℓの燃費を確認した。

エンジン形式:V型6気筒DOHCターボ エンジン型式:670050436 排気量:2891cc ボア×ストローク:86.5mm×82.0mm 圧縮比:9.3 最高出力:510ps(375kW)/6500rpm 最大トルク:600Nm/2550rpm 過給機:ターボチャージャー 燃料供給:燃料筒内燃料直接噴射(DI) 使用燃料:プレミアム 燃料タンク容量:58ℓ

フェラーリの90度V型8気筒ターボから2気筒落としたV6エンジン(アルファロメオは独自開発と言っているが)を搭載。

 DはDYNAMICモードだ。エンジン回転は高めの制御になり、アクセルペダルに対するレスポンスも強めになる。同時に、ダンパーの減衰力は「変わったな」とはっきりわかるくらいハードになる。ジュリア・クアドリフォリオは「ALFAアクティブサスペンション」を備えており、ドライブモードの選択に応じてダンパーの減衰力を切り換える(ようだ)。12:1のステアリングギヤ比はどのモードを選択しても変わらないが、クイックな設定のおかげで、コーナーへのアプローチが待ち遠しくなる。軽く手を添えて気持ち動かすだけで、スムーズに向きを変え、コーナーをなめるようにクリアしていく。病みつきなる気持ち良さだ。

タイヤはフロントが245/35R19、リヤが285/30ZR19と前後異サイズ

ガンメタリック仕上げ5ホールアルミホイール+245/35ZR19&285/30ZR19タイヤ+クアドリフォリオ専用スポーツブレーキ/ブレーキキャリパー レッド仕上げ

 ジュリア・クアドリフォリオの楽しさはこの程度ではない。真骨頂はRACEモードだ。アルファロメオは「サーキットでのスポーツ走行向けモード」としているが、ストリートでも選択する価値は充分にある。気分が激上がりすること間違いなしだ。RACEモードに切り換えた途端、エキゾーストサウンドは一変する。ヴォォォォン、バンバンバンの世界だ。




 RACEモードに切り換えるとステアリング前方のディスプレイに「マニュアルモードでの運転を推奨する」旨のメッセージが表示されるが、推奨に従ってシフトレバーを左側に倒してマニュアル変速モードにし、ステアリングホイールの裏にある大ぶりなパドルでアップシフトとダウンシフトを行ないながら運転すると、気分はもうレーシングカーを操るドライバーである。2.9ℓV6ツインターボエンジンは「待ってました」とばかりに覚醒し、アクセルペダルとパドル操作を合図に官能的なサウンドを奏でるようになる。サーキットで転がしたらさぞかし楽しいだろうなと思いながら、真骨頂の片鱗だけを垣間見た。本気出すと、滅法速い!

日本のカタログにモード燃費の数値は掲載されていない。北米のEPAモード燃費はcity7.23km/ℓ、hwy10.20km/ℓ、combined8.50km/ℓとなっている。

 ジュリア・クアドリフォリオの価値は、鋭い猛獣の爪を持ちながら、普段はそんなことおくびも出さずに袖の下に隠し、紳士然と振る舞うことだ。DモードかAモードを選択している限り、大人4名と相応の荷物を難なく飲み込んで快適に運ぶ、格好いいサルーンである。普段は本性を隠しているところがニクイ。




 しかしRACEモード、ヤバイです。

トレッド:F1555mm R1605mm

ボディカラーは ヴェスヴィオ グレー 車重:1710kg

最小回転半径は5.7m クワドリフォリオのプロペラシャフトはカーボン製を使う。

アルファロメオ ジュリア・クワドリフォリオ


全長×全幅×全高:4635mm×1865mm×1435mm


ホイールベース:2820mm


車重:1710kg


サスペンション:Fダブルウィッシュボーン式 Rマルチリンク式


エンジン形式:V型6気筒DOHCターボ


エンジン型式:670050436


排気量:2891cc


ボア×ストローク:86.5mm×82.0mm


圧縮比:9.3


最高出力:510ps(375kW)/6500rpm


最大トルク:600Nm/2550rpm


過給機:ターボチャージャー


燃料供給:燃料筒内燃料直接噴射(DI)


使用燃料:プレミアム


燃料タンク容量:58ℓ




車両価格○1153万円

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