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Aクラスはディーゼルこそ大本命! メルセデス・ベンツA200d試乗記


ガソリンエンジン搭載のA180に遅れること約半年、待望のディーゼルエンジンを積んだA200dが日本に上陸した。ディーゼルそのものにも注目が集まるが、A180の7速DCTに対してA200dは8速DCTとなるのも気になるポイントだ。都内の一般道と首都高を中心に試乗する機会を得た。




REPORT●岡本幸一郎(OKAMOTO Koichiro)


PHOTO●小泉建治(KOIZUMI Kenji)

バックオーダーを抱える大ヒット作

 初代から数えて四代目、オーソドックスなCセグメントのハッチバック車へと姿を変えてから二代目となる新型メルセデス・ベンツAクラスは、昨年末の発売から5月中旬の時点で早くも5000台以上がデリバリーされているが、生産が追い付かないほどのバックオーダーを抱えており、現時点で注文しても納車は秋以降になる。しかも、他ブランドからの流入が50%超と非常に高く、女性ユーザーの比率が高いことも特筆できる点だ。




 そんなAクラスに、日本向けのメルセデスのコンパクトカーとして初となるクリーンディーゼル搭載モデルが加わった。これまでもAクラスのディーゼル搭載車は海外向けには存在したが、ようやくモデルチェンジを機に日本にも導入されるはこびとなったわけだ。

 エンジンは、すでにCクラスやEクラスなどに搭載されている、おなじみの「OM654」をベースに横置きに搭載すべくアレンジしたもので、ブロックやピストンは共通ながらユニット自体がコンパクトにまとめられている。エンジンスペックは欧州値で最高出力が150ps、最大トルクが320Nmとなる。




 このOM654qと呼ぶA200dのエンジンには、技術面でも特徴的なハイライトがいくつかある。既存のOM654と共通の点から述べると、低圧と高圧のふたつのEGRにより燃焼時点でのNOx低減をしていることや、本来はPMを捕捉するためのDPFにSCRコーティングを施し、DPFでもNOxの処理ができるようにしていることが挙げられる。




 さらに、上記のDPFのほかに、アンダーボディに2個目のSCRを追加するとともに、アンモニアの排出を防止するためのASC(アンモニア スリップ キャタライザ)を追加した点が既存のOM654との違いである。




 その目的は、NOxやアドブルーの噴射により発生するアンモニアがスリップして排出されるのを抑えるため。1個目のSCRだけでも、ほぼ規制値をクリアすることはできるのだが、ゆっくり走っていて高速に合流する際のように急激な運転状況の変化によってはNOxが規制値を上回る状況もありうるからだ。




これほど複雑で念入りな排気ガス処理システムを持ったディーゼルは世界的にも他に類を見ないほどで、これらによりOM654qは、2020年施行予定の「EURO 6d NORM」を現時点で満たした世界で唯一のディーゼルとなった。




 ちなみに、現在のEURO 6d-TEMPに対しては、台上試験値は変わらないが、RDE(リアルドライビング)時に現状は台上試験の2.1倍まで許されるが、NORMでは1.5倍となる(台上NOx:80mg PM:5mg RDE NOx:120mg/km)。

走りの上質感が大幅に増している要因は何か?

 A200dはA180スタイルとまったく同じ装備レベルであり、車両価格は30万円差ながら、実質的には取得税が免税であるほか、ランニングコストの面でも優位なので、買い得感はA200dのほうがだいぶ高いといえそうだ。




 このエンジンがいかによくできているかは、すでに他の車種でも何度か体感しているが、いざドライブしてあらためて完成度の高さを実感した。ディーゼルらしい力強い加速感を持ち合わせていながらも、音や振動などティーゼルのネガをほとんど感じさせることはない。低回転から全域でフラットなトルク特性で、アクセルワークに対してリニアなレスポンスを得ることができる。




 むしろガソリンのA180のほうがトルクの立ち上がりが急激で、ややしゃくれあがるような加速の仕方をするのに対し、こちらのほうがジェントルで扱いやすい。




 さらには、あまりゴロゴロした印象もなく、音質がディーゼルっぽくないところも好印象で、レッドゾーンは4600rpmからとディーゼルとしては一般的ながら、ガソリンエンジンのように吹け上がりの気持ちよさまでも楽しむことができる。




 また、組み合わされるのが既存の7速DCTではなく、許容トルク容量の大きい新開発の8速DCTとされた点も特筆できる。ディーゼルとDCTの組み合わせというのはメルセデスにとって初めてであり、はたしてどんなものか気になっていたのだが、乗り比べたA180のほうがクラッチのつながりがやや唐突だったり、ひっかかり感があったりと気難しい部分もあったのに対し、A200dはそれがかなり低減されていた。




 これにはエンジントルクの出方を非常に緻密にコントロールしていることもうかがえる。あるいは設計年次が新しいぶん、いろいろ細かい部分の改良が進んでDCT特有のクセが払拭されたおかげでもあるだろう。むろん、DCTらしいダイレクト感と歯切れのよいシフトチェンジを味わうことができるのは言うまでもない。



 足まわりの仕上がりも上々だ。姿勢変化を抑えてフラット感を保ちつつも、路面の凹凸をしなやかに受け流すように動くので、快適性は非常に高い。微小舵域から操舵したとおり正確に応答し、Aクラスの持ち味であるアジリティ=俊敏性も持ち合わせたハンドリングも申し分ない。高速巡行時の直進安定性も高く、レーンチェンジ後の揺りもどしも瞬時に収束させることができている。その走りは、どのようなシチュエーションでも極めてハイレベルな“一体感”がある。




 車両重量はA180に対して130kg大きく、そのうち23kgがアドブルータンクの重量となり、大半がフロント軸重の増加となる。ガソリンのA180のほうが鼻先は軽いものの、ディーゼルのA200dは件の重さがよいほうに作用してか、あるいは後発ゆえいろいろこなれてなのか、ドライバビリティ全般がずいぶん洗練されたように感じられた。




 その洗練された走り味が、新型になって格段にクオリティ感の増したインテリアによく似合う。ほどよいホールド感を提供するシートに収まりドライブしていると、乗っているのが小柄なハッチバック車であることを忘れてしまいそうだ。もはやサイズだけ小さいレッキとしたメルセデスの高級乗用車に違いない。これほどのクルマが300万円台で手に入るとは恐れ入る思いである。



 先代の三代目では不満の声も小さくなかった後席の居住性も大幅に向上している。とくに横方向の余裕は段違いだ。そのトレードオフとして従来型では絞り込んでオシャレに見せていた車体のフォルムがいささかオーソドックスになった感もなくはないが、さじ加減が絶妙で、しっかりスタイリッシュさを保っているところもたいしたものだ。




 鳴り物入りの「MBUX」については、まだ新しいせいか上手く作動してくれないことが多かったのは残念だが、便利で面白いものであることはよく伝わってきた。もう少し学習が進んだときに、あらためて試してみたいと思う。




 インテリジェントドライブについて、他社に先駆けてさまざまな機能を搭載したのも新型Aクラスの優位点に違いないが、公道で試せる機能で気になった点を挙げると、まず前走車との距離を最適に維持する「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」は、減速はかなり的確ながら、渋滞を含め加速はもう少し俊敏であって欲しい気も。また、自動再発進機能が上手く作動しないときもたびたびあった。自動で車線変更を行なう「アクティブレーンチェンジアシスト」については、もう少し素早く作動してくれてもよい気もしたことをお伝えしておこう。




 とにかく全体としては非常に好印象であった。これからAクラスの購入を検討している人には、ぜひA200dを大本命に据えてもらえるとよいかと思う。

メルセデス・ベンツA200d(欧州参考値)


全長×全幅×全高:4419×1796×1440mm


ホイールベース:2729mm


車両重量:───g


エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボチャージャー


総排気量:1950c


ボア×ストローク:82.0×92.3mm


最高出力:110kW(150ps)/3400-4400rpm


最大トルク:320Nm/1400-3200rpm


トランスミッション:8速AT


タイヤサイズ:205/60R16


〈試乗車はオプションのAMGライン装着車:225/45R18〉


車両価格:399万円 
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