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【御嶽山噴火から7年】登山者に「努力義務」の法律があることを知っていますか?命を守るためのルールとは


戦後最悪の火山災害といわれる御嶽山の噴火から7年が経ちます。この災害をきっかけに、法律で「登山者の努力義務」が定められました。日本には約110もの火山があります。登山を安全に楽しむために、登山者なら必ず知り、行動してほしい4つのことをお伝えします。

「登山者の努力義務」のきっかけになった御嶽山

「登山者の努力義務」のきっかけになった御嶽山


実は登山者に人気の山に、火山は多く存在する

日本には、約110もの活火山があります。活火山とは、概ね過去1万年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動のある火山のことです。
以前は休火山や死火山という言葉もあったのですが、今はこれらの言葉はほぼ使われなくなりました。専門的な場以外では火山といえば活火山を表すことがほとんどのため、この中では、「活火山」を指して「火山」と書いていきます。
登山者に人気が高い山にも火山は数多く存在し、実は日本百名山のうち三分の一が火山なのです。

日本の活火山の分布(気象庁ホームページを加工して作成)

日本の活火山の分布(気象庁ホームページを加工して作成)


「登山者の努力義務」とは~御嶽山の噴火がきっかけに~

登山者に人気の山でもあり、火山としても有名な山として、きっと「御嶽山」を思い浮かべる方も多いでしょう。
2014年9月27日11時52分頃、長野県と岐阜県の間に位置する御嶽山が突然噴火しました。紅葉シーズンの土曜昼前、天気が良かったこともあって、多くの登山者でにぎわっていた中で発生したこの噴火は、死者・行方不明者63名、負傷者69名という戦後最悪と言われる火山災害をもたらしました。

緊急消防援助隊の活動のようす(出典:消防庁ホームページ)

緊急消防援助隊の活動のようす(出典:消防庁ホームページ)

この御嶽山の被害を教訓に、火山災害から人々の命と生活を守るため、2015年12月に「活動火山対策特別措置法」が一部改正。火山研究機関の連携強化や火山専門家の育成・確保に加えて、自治体や登山者等の努力義務のルールが追加されたのです。
このうち、「登山者の努力義務」に該当するのは第11条第2項で、「登山者等は、その立ち入ろうとする火山の爆発のおそれに関する情報の収集、関係者との連絡手段の確保その他の火山現象の発生時における円滑かつ迅速な避難のために必要な手段を講ずるよう努めるものとする。」と定められています。
つまり、火山に登るのであれば、それをきちんと認識し、備えや準備をしてくださいということです。
では、この法律で定められた「登山者の努力義務」とは、具体的に何をすればよいのでしょうか?


①火山情報を集めること

・登山する山が火山かどうかを確認する
登ろうとする山が火山かどうかを把握しておくことは、必須事項ともいえるでしょう。そして、火山に登るならば、火山に対して正しい知識を持つこと、万が一の備えをしておくことが大切です。
登山を計画する上で、登山の難易度やルート、危険個所を把握することと併せて、「火山かどうか」を必ずチェックしましょう。
火山かどうかは、気象庁や各自治体のHPから確認することができます。
→気象庁「火山登山者向けの情報提供ページ」はこちら
・火山の活動状況を確認する
火山かどうかに加えて、火山の活動状況も確認しましょう。
ここで注意をしたいのが、噴火警戒レベルが高いほど危険なことはもちろんですが、最も低い「レベル1」または「活火山であることに注意」だったとしても、「安全」というわけではない点です。今現在は目立った火山活動が観測されていないというだけですから、「噴火の可能性が0ではない」という点に注意しましょう。
→火山の活動状況や噴火警戒レベルの確認はこちら

tenki.jpの「火山情報」 各火山の火山活動の状況が確認できる

tenki.jpの「火山情報」 各火山の火山活動の状況が確認できる


②登山届を提出すること

登山届(登山計画書)が導入されている火山については、必ず登山届を提出しましょう。登山届は、万が一何か起きた際の、早期発見・救助に繋がる大切なものです。
さらに自治体によっては、条例で提出が「努力義務」ではなく「義務化」されており、違反した場合は罰則がある場合もあります。
そもそも、登山届は火山だけが対象というわけでもありませんから、火山かそうでないか、義務か義務でないかに関わらず、常に登山届の作成・提出を習慣化しましょう。
→登山届の提出方法などはこちら


③必要なものを装備すること

火山の状態や特性を踏まえつつ、万が一に備えて、必要なものを装備しましょう。表はその一例です。
例えば、万が一の時に、ヘルメットは噴石や火山灰から頭を守ってくれます。なお、御嶽山の噴火では、亡くなった方の多くは噴石がぶつかったことによるものでした。
タオルで口を覆うことは、火山灰を吸い込いこんでしまうのを抑えられます。水で湿らせるとさらに効果的です。また、骨折をした時の応急処置にも使えます。
なるべく荷物を軽くしたいという気持ちもあると思いますが、火山に登る時は、もしものためにプラスの装備をしておきましょう。また、緊急時に使うものは、なるべくすぐに取り出せるようにパッキングしましょう。

火山に登るときの装備の一例

火山に登るときの装備の一例


④登山中も常に注意をすること

登山中は、楽しみつつも「火山にいる」ということを忘れないでください。
・危険な場所に近づかない
噴気孔や噴気地帯などの危険な場所には、絶対に立ち入らないようにしましょう。
・登山中も情報収集を心掛ける
自身や周囲から情報を集めるようにしましょう。一つの方法として、噴火の発生事実をいち早く伝達する「噴火速報」を受信する方法があります。キャリアメールなどで受信することができます。
・異常に気づいたら
前兆なしに噴火が発生する場合もありますが、噴気などの前触れがある場合もあります。もし異常を感じたらすぐに下山し、自治体や警察などに通報してください。
・万が一噴火が発生してしまったら
山小屋、避難小屋や大きな岩陰等、少しでも身を隠すことができそうな場所に避難することで、被害を軽減できる可能性があります。さらに、ザックやヘルメットで頭や体を守ってください。
噴火がおさまったら直ちに下山しましょう。


火山の噴火は予測不可能?

そもそも、火山の噴火が事前に予測できれば、被害は未然に防げるでしょう。ですが、科学技術が発達してきたとはいえ、噴火の予知は未だ研究レベルであり、一般的にはまだ難しいとされているのが現状なのです。
ただし、比較的噴火の頻度が高く、噴火の前兆現象が把握できている山などの場合には、それらをもとに噴火の発生を予測することは不可能ではないとされています。
2000年の北海道有珠山噴火は、噴火の発生を事前に予想できた一例です。この山では過去に必ず噴火前に有感地震が群発していたことがわかっていたため、この前兆を検知し、事前に周辺市町村の全住民が避難。被害を食い止めることができたのです。
つまり、火山の噴火に関しては「すべてを予測できるわけではないが、予測できる場合がある」ということになります。そのため、火山に足を踏み入れるということは、「予測が難しい」部分に対して、もしものための備えや準備に努める=「努力義務」が必要なのです。


登山を安全に楽しむために

「火山は怖いから、登るのをやめよう」、この記事を読んで、もしかしたらそう感じた方もいらっしゃるかもしれません。ただ、火山は時に大きな自然災害をもたらしますが、豊かな恵みや特別な景観を生み出してくれる素晴らしいものでもあります。
私自身も、自然の驚異を理解しつつも、やはり山に登るたびにその景色に魅了され、また登りたいという気持ちが膨らんできます。
ですから、登山を安心して安全に楽しむためにも、ごみは持ち帰る、登山道から外れない、登りが優先といった「登山の基本ルール」と同じように、今回お伝えした火山に備える4つの行動も、ぜひ当たり前の習慣として身につけましょう。
一方で、登山者にばかり強いるのではなく、国も火山噴火への対策を強化しています。
火山監視・観測体制を強化することで、一分一秒でも検知を早くしようとしたり、より分かりやすい情報の伝え方を検討したり、火山の研究を促進したりするなど、今、火山災害を減らすためのさまざまな取り組みが進められています。

立山室堂からみた夕暮れ 右下に見える煙は熱活動が見られる弥陀ヶ原の地獄谷(筆者撮影)

立山室堂からみた夕暮れ 右下に見える煙は熱活動が見られる弥陀ヶ原の地獄谷(筆者撮影)

【参考】
・火山への登山の備え パンフレット(内閣府・気象庁)
・御嶽山噴火災害に学ぶ(総務省消防庁)
・登山者の努力事項ご存知ですか?(内閣府 防災情報のページ)
・火山噴火予知の現状と課題(日本防災・防火協会)

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