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梅雨の漢字はどうして「梅」と「雨」?意外な理由を解説


5月から7月にかけて日本全国で雨の日が続く「梅雨」の時期。日本ではおなじみの気象現象ですが、梅が咲く時期は過ぎているのに、なぜ「梅」と「雨」という漢字を使っているのでしょうか。
今回は、知られざる「梅雨」の漢字の由来と、地域による梅雨の呼び方の違いなど、梅雨に関する豆知識をまとめました。


梅雨の漢字はなぜ「梅」と「雨」なのか

梅雨は北海道を除く日本列島と、中国の長江下流域~朝鮮半島にかけて見られる雨期のことです。梅雨という言葉も、もともとは中国が語源とされていますが、その由来には諸説あります。
■1. 梅の実が熟す時期に降る雨だから
梅の花の見頃は2月~3月上旬くらいですが、梅の実が熟すのは初夏にあたる5~6月頃です。中国の長江下流域では、梅の実が熟す頃に降る雨であることから、「梅」の「雨」と書いて「梅雨(ばいう)」と呼んだという説があります。
■2. 黴(かび)が生えやすい時期に降る雨だから
5~6月は気温が上昇し始めるうえ、雨が降って湿度が高くなることから、カビが生えやすい時期でもあります。黴(かび)は音読みで「バイ」と読むため、この時期に降る雨を「黴雨(ばいう)」と呼んでいましたが、さすがに字面が良くないことから、同じ「バイ」と読む「梅」をあてて「梅雨」と読むようになったという説があります。
以上のように、中国では「梅雨」を「ばいう」と呼んでいますが、日本では江戸時代に伝わった「梅雨」という言葉に「つゆ」という読みを当てています。なぜ「ばいう」を「つゆ」と呼ぶようになったのか。これも「梅雨」の語源同様、諸説あるといわれています。
■3. 露に濡れてしめっぽい時期だから
雨が多く降る時期は湿気が多くてじめじめしており、木々や葉にもたくさんの露がつきます。そうした情景から、「露に濡れて湿っぽい」という意味をもつ「露けし」が転じて「つゆ」と呼ぶようになったといわれています。
■4. 熟した梅の実が潰れる時期だから
梅の実は長雨を経て、6月下旬頃に熟したところを収穫します。熟した梅の実が収穫されて「潰(つい)える」ことから、「梅雨」を「潰ゆ(つゆ)」と呼んだという説があります。
■5. カビのせいで食べ物がだめになりやすい時期だから
「黴雨」の由来と同様、カビが生えて食べ物がだめになることを意味する「費ゆ(つゆ)」から来たという説があります。「費ゆ」は「潰ゆ」とほぼ同じ意味です。このように、中国でも日本でも「梅雨」と呼ばれるようになった由来には諸説あり、その語源にはわからない部分も多いようです。


地域による梅雨の呼び方の違い

日本の大半の地域では「梅雨(つゆ)」と呼んでいますが、地域によっては別の呼び方をしているところもあります。たとえば、梅雨という言葉の発祥とされる中国では「梅雨(メイユー)」、韓国では「長霖(チャンマ)」と呼ばれています。また、同じ日本でも、鹿児島県奄美群島では「ながし」、鹿児島県大島郡喜界島では「なーみっさ」と呼んでいます。
さらに沖縄では、「小満芒種(しょうまんぼうしゅ)」または「芒種雨(ぼうしゅあめ)」という別名で呼ばれています。小満とは二十四節気のひとつで、陽気が良くなり、万物が成長する気が満ち始めることを意味しています。一方の芒種も二十四節気のひとつで、米や麦など芒(イネ科植物の先端にあるトゲ)のある穀物の種をまく季節を意味しています。小満は5月21日頃、芒種は6月6日頃をそれぞれ指しており、沖縄ではちょうど梅雨の時期にあたることから、「小満芒種」または「芒種雨」と呼ばれているようです。


「梅雨」にはいろいろな別名がある

日本では「梅雨」という呼び名が一般的ですが、実はほかにもいろいろな別名があります。ここでは、梅雨と同じ意味を持つ言葉と、それぞれの由来をまとめました。
■麦雨(ばくう)
麦は、暖地の吸収では5月下旬頃、関東では6月上旬以降に成熟期を迎えます。同じ頃に降る雨を、「麦が熟する頃に降る雨」という意味で「麦雨」といいます。実際には、麦の成育に多すぎる雨は天敵ですので、麦雨が降る前に収穫するのがベストとされています。
■五月雨(さみだれ)
陰暦の五月、つまり現在の6月にあたる時期に降る雨を「五月雨」と呼びます。言葉としては梅雨よりも五月雨の方が早く出現しており、古今和歌集にも「五月雨に物思ひをれば郭公~」と詠む歌があります。
■長雨(ながめ)
文字通り、雨が長く続くことに由来した言葉です。五月雨よりもさらに古くから使われていた言葉で、万葉集では「長雨」と「眺め」をかけた歌が詠まれています。
■黄梅の雨(こうばいのあめ)
梅の実が熟し、黄色くなる頃に降る雨という意味を持つ言葉です。中国の長江下流域を発祥とする「梅雨」を同じ観点ですが、こちらは熟した梅が黄色くなることに焦点が当てられています。


梅雨には、語源や呼び名がたくさんある

6月いっぱい続く雨期のことを「梅雨」と呼ぶ理由には諸説あり、梅の実が熟する頃に降る雨が由来という説もあれば、黴の生えやすい時期であることを意味しているという説もあります。日本ではさらに「麦雨」「黄梅の雨」などの別名もたくさんあり、それぞれに独自のエピソードが存在します。
梅雨はなかなか晴れ間が見えず、じめじめしてうっとうしい時期と思われがちですが、その語源や由来を辿るといろいろな発見があるのは面白いところです。なお、実際の梅雨入りは梅の実の熟し方にかかわらず、その年の気象状況によって大きく異なります。
梅雨入りや梅雨明けに関する情報は、天気予報専門メディア「tenki.jp」の「梅雨入り梅雨明け予想・状況」をぜひチェックしてください。

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