あれれ? 2月のバレンタインデーも3月のホワイトデーも終わったのに、まだあるの!? そうなんです。すっかり定着した2つの記念日には及びませんが、4月14日は「オレンジデー」。この記念日を申請したのは、愛媛県のみかん生産者のみなさん。地元愛媛の柑橘類をたくさん食べてもらって愛媛を盛り上げたい、愛の絆を深めて欲しいという熱い思いからですが、その裏には愛媛のみかん作りが直面していた危機があるようです。調べてみるとなかなか素敵な物語が隠されているようですよ。


攻めてくる「オレンジ」に「みかん」が立ち上がる!

オレンジ色や黄色の柑橘類の輝く明るさはパッと目に飛びこんできます。今では年間を通して多種多様な柑橘類が身近な果物になっていますが何故だかご存じですか? たくさんのオレンジ類が輸入されるようになったからなのです。
かつて果物の種類が乏しかったころ「みかん」はいつもこたつの上に山盛りに積まれていて、手を伸ばせば食べられる手軽な果物のナンバーワンでした。もちろん今でも美味しさと気軽さは変わりません。
そのみかんが危機に瀕したのは、農産物の輸入を迫るアメリカとの貿易摩擦です。安くて美味しいアメリカ産のオレンジが大量に輸入されたらみかんの人気が奪われてしまうのでは、と農家は強く反対し、抵抗しましたが1991年にオレンジの輸入が自由化、翌年にはオレンジジュースの輸入も自由化されたのです。紙パック入りのオレンジジュースがスーパーの店頭にたくさん並び、高級品だったオレンジが家庭でもかんたんに買えるようになったのです。
「オレンジデー」が記念日として申請されたのは1994年。アメリカ産のオレンジとジュースが日本の市場に上陸してきた時に重なります。愛媛のみかん農家が一致団結して外国産オレンジに対抗しようと立ち上がった、その意気込みがこの「オレンジデー」に込められているのが感じられます。


「みかん」なのに「オレンジデー」???

素朴な疑問ですが、実はすでに「みかんの日」はあったのです。農林水産省と全国果実生産出荷安定協議会が11月3日を「いいみっか(ん)」という語呂合わせで、12月3日と合わせて年に2回「みかんの日」を制定していたのです。
そこで長いみかんシーズンを始まりから順々に旬を迎える柑橘類でアピールしよう、というオレンジロードが作られました。スケジュールは次の通りです。
11月3日は「みかんの日」で「恋するシーズンの到来」
1月14日は「いい予感」のする「恋愛成就のきざし」
2月14日は「バレンタインデー」に「愛を届けよう」
3月14日は「ホワイトデー」で「愛に応えよう」
4月14日の「オレンジデー」には「愛を深めよう」
愛媛の方だけあってなかなかロマンティックな物語ができあがっています。みかん生産者の方々は貿易の自由化にも負けていませんでした。オレンジに負けない美味しいみかんをたくさん作り出していったのです。ですから「みかんの日」から「オレンジデー」までたくさんの柑橘類が食べられるのです。どんなみかんが食べられるのか、気になりますね。ぜひ「愛のオレンジロード」のページを訪問してみてください。
「オレンジデー」は自分たちのみかんは自分たちで守ろう、と頑張った生産者の皆さんの愛と心意気が原動力になっているのです。種類豊富な柑橘をたっぷりと楽しめる私たちも幸せですね。
参照
愛のオレンジロード


ところで「オレンジデー」には何をするの?

バレンタインデーやホワイトデーのような認知度には達していない「オレンジデー」ですが、愛媛の皆さんの熱い思いを知ると何かをしたくなります。バレンタインデーとホワイトデーに続いておたがいの「愛を深める」のももちろん素敵ですが、身近な人とのちょっとした距離感が気になっている場合「オレンジデー」をチャンスに心を近づけられたり、通わせることができたら嬉しいですね。そんな時には美味しいオレンジを一つ贈るのも好いきっかけができそうです。
「オレンジデー」を記念して愛媛県では松山市内、道後温泉駅と松山駅の区間にみかん色をした「みかん電車」が走るそうです。とはいえ1月から4月までの毎月8日から14日の期間限定とのこと。つり革にはみかんの飾りもついているとか。みかんの国らしい楽しい企画ではありませんか。
地元のみかんをどこまでも大切にしていこうという温かい思いは「オレンジデー」を通じてこれからもきっと広がっていくことでしょう。あらら、フレッシュなオレンジジュースが飲みたくなってきませんか。
参考:
愛媛県生涯学習センター
「愛媛県史 社会経済1農林水産(昭和61年1月31日発行)」
JA全農えひめHP

愛媛県庁の前を走る「みかん電車」

愛媛県庁の前を走る「みかん電車」