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冬の入浴中の事故 ヒートショックに気をつけて


12月21日は、二十四節気のひとつ、冬至です。昔、中国では、この日を一年の節目として祝う風習がありました。邪気を払う小豆をいれた粥やカボチャなどを食べ、柚子湯に入って身を清めるのは、こうした風習の名残ともいわれています。
これから寒さが厳しくなるため、お風呂で体の芯から温まりたいものですね。ただ、冬の入浴では注意しなければならないことがあります。それが「ヒートショック」です。


ヒートショックとは

ヒートショックとは、暖かい部屋から寒い部屋への移動など、温度の急な変化が体に与える影響のことです。ヒートショックによって血圧が大きく変動することが、入浴中の事故の要因の1つといわれています。消費者庁によると、近年、高齢者の入浴中の事故が増加傾向にあります。
こちらの図は、冬の入浴時に、高齢者の血圧がどのように変化するかを表したものです。暖かい居間から寒い脱衣室へ移動すると、寒さで血管が縮んで血圧が上昇します。その後、熱いお湯に浸かって体が温まると血管が広がり、血圧が低下します。
また、浴槽から急に立ち上がると、血圧が下がって失神することがあります。こうした血圧の急激な変化が入浴中の事故を引き起こす原因と考えられています。


おぼれる事故は冬場に多く発生

東京消防庁の調査によると、令和元年度中に「おぼれる」事故で救急搬送された高齢者の人数は520人でした。月別にみると、12月から2月の搬送者が276人と、全体の半数以上を占めていて、冬場に多く搬送されていることが分かります。
また、事故の発生場所については、約9割が家の中の浴槽となっています。
冬の時期は、暖房で暖められた居間と寒い脱衣室との温度差が大きいため、他の時期と比べてヒートショックによる血圧の変動が大きくなります。そのため、高齢者が浴槽でおぼれる事故が多いのではと考えられます。


ヒートショック対策のポイント

ヒートショックを防ぐには、暖かい場所と寒い場所との温度差を小さくして、体への負担を減らすことが大切です。入浴時のヒートショック対策について、主なポイントをご紹介します。
①入浴時に浴室や脱衣室を暖める
お湯はりの時にシャワーを使うと、シャワーの蒸気で浴室全体を暖めることができます。お湯が沸いたら、十分にかき混ぜて蒸気を立て、浴槽のふたを開けておくのも効果があります。また、脱衣室は衣服を脱いでも寒いと感じないくらいに暖めておきましょう。
暖房器具を使用する場合は、やけどや火事などに注意してください。
②お湯の温度は41℃以下、お湯に浸かる時間は10分以内を目安に
浴室との温度差を小さくするために、お湯の温度は41℃以下に設定し、お湯に浸かる時間は10分以内にしましょう。
長い時間、熱いお湯に浸かると、体温が上昇することによる意識障害で浴槽内にしゃがみ込んだりしておぼれる恐れがあります。
③入浴前は周囲の方に一声かけて 水分補給も忘れずに
入浴中に体調が悪くなった場合は、早期の対応が重要です。周囲の人に少しでも早く異変に気付いてもらうために、入浴前に一声かけてから入浴するようにしましょう。周囲の方は、こまめに様子を確認するようにしてください。
また、入浴中はたくさん汗をかくため、脱水症状を防ぐために入浴前の水分補給を心がけましょう。
④かけ湯をしてから入る
湯船に入る前に、かけ湯をしましょう。心臓から遠い足先から徐々にお湯をかけることで、心臓に負担がかからず、血圧の急激な変動を防ぐことができます。
寒さが強まると、家の中でも冷え込む場所ができて、部屋と部屋の温度差が大きくなります。ヒートショックを防いで、冬の入浴を安全に楽しむために、すぐにできることからぜひ始めてみてください。
日本気象協会では、ヒートショックの知識や対策をより多くの人に知ってもらうため、ヒートショックの啓発プロジェクト「STOP!ヒートショック」をサポートしています。
また、日本気象協会は東京ガスと共同開発した「ヒートショック予報」について、tenki.jpでも提供していますので、ぜひご活用ください。
(出典)
・消費者庁「冬期に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」
・東京消防庁 STOP!高齢者の事故シリーズ②「STOP!高齢者の「おぼれる」事故」
・STOP!ヒートショック「おうちの対策 おすすめポイント」
・栃原裕(九州大学名誉教授)「健康に暮らすための住まいと住まい方ーエビデンス集」16-21頁、2013年、技報堂出版

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