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【和田毅】開幕遅れの本音は「情けないの一言」5・22「白のキセキ」秘話も 新コラムスタート


インタビューを受ける和田(撮影・鬼束羽瑠菜)

<ソフトバンク和田毅コラム:軌跡>

パ・リーグ最年長の大ベテラン、ソフトバンク和田毅投手(43)の独占コラムを日刊スポーツでは「軌跡」と題して今季、随時掲載します。第1回のテーマは「出遅れた1カ月の胸中」です。4月2日のホーム開幕戦に内定しながら、度重なるアクシデントで登板を回避。今でこそ明かせる本音と、次回登板の22日楽天戦「白のキセキin大阪」への特別な思いを語りました。【取材・構成=只松憲】

   ◇   ◇   ◇

日刊スポーツ読者の皆さん、福岡ソフトバンクホークスの和田毅です。今季このコラムを通して、僕のプロ野球人生の「軌跡」をお伝えさせてもらうことになりました。どうぞよろしくお願いします。

まずは開幕から1カ月間の話をします。春季キャンプ中、小久保監督から4月2日のロッテとのホーム開幕戦に指名されながら、登板を回避しました。コンディションが整わず、登板を回避するかしないかという瀬戸際の中で3月上旬から左手の中指にできたマメが痛くなっては治まっての繰り返しでした。1週間すれば痛みは治るんですが、こればっかりは投げていけば固まっていくだろうなっていうところだったんです。それがうまくいかないところがあって。元々は自主トレで痛めた左わき腹と左足のふくらはぎ痛が響いて、1月にしっかり投げ込みができなかったのが原因でした。ランメニューも去年より走ることができず。徐々にではなく、キャンプ中やオープン戦で一気に負荷をかけてしまったことがマメや調整不足につながっていたと思います。3月27日に登板回避が正式に決まりました。

年末はすごく調子が良かったんです。しかし、ふくらはぎを痛めたことで一気にペースダウンしました。オーバーワークではなかったと思いますが…。今までにない、トレッドミルで走っている時に痛めてしまうということに。結果的に開幕に遅れることにつながってしまい、申し訳ない気持ちでした。不運だったとは全く思いません。自分が招いたことですし、情けないという感情が一番大きかったですね。小久保監督には「早々に決めてプレッシャーをかけてしまったのは申し訳なかった」と言われましたが、僕はプロで20年以上もやっています。開幕までのペースも知っていますし、開幕投手に関しては4度も経験しています。その中で小久保監督にそういう事を言わせてしまったことが情けないの一言でした。

体は正直だなと思いました。1月にしっかり動けなかったことが全てにつながる。将来的なことを考えれば、こういう経験を体験できたことはプラスかなと思います。今後、他の選手が同じような状況になった時にアドバイスができるなと。2軍調整を経て、5月6日の日本ハム戦で1軍初登板をしました。5回4失点でしたが、野手の方の援護もあり1勝目。もちろん、今後はもっと引き締まった投球を目指します。

次の登板は5月22日の京セラドーム大阪での楽天戦。20年ぶりに復活した「白のキセキ」に決まりました。イベント試合で投げさせせてもらえるのは本当にありがたいことです。ここで前回の「白のキセキ」について少しお話しします。04年7月19日、僕はプロ2年目のダイエー戦士でした。福岡ドームでオリックス相手に1安打完投。当時の4番、谷佳知さんにチェンジアップをレフトスタンドに運ばれました。泳ぎ気味で放り込まれたのは今でも鮮明に覚えています。

9点差で9回のマウンドに上がる時、もちろん気持ち的に余裕を持っていました。しかし、ぱっとスコアボードを見たら1安打。「あれ、まだ谷さんのホームランだけしか安打は打たれてないじゃん」ってその時に気づいたんですよ。9回を3人で抑えて「あぁ、谷さんのホームランだけじゃん…ノーヒットノーランだったのに」って試合後にめちゃくちゃ思いましたね。

20年前の「白のキセキ」で投げたシーズンも前半戦は紆余(うよ)曲折ありました。左肘の張りや親指を痛め、食中毒になって登録抹消されたり。中継ぎ登板もありました。そんなこんなで「白のキセキ」で8勝目を挙げ、その次の登板で(松坂)大輔と投げ合って4敗目。大輔に負けてアテネ五輪に行ったのは悔しかったので覚えています。

「白のキセキ」はホームユニホームが配られるイベント試合です。ファンの方には喜んでもらえるような投球がしたいですね。20年前に僕が投げたことを知らない方もいると思います。今回も記憶に残るようないい投球がしたいと思います。僕自身は1カ月遅れで24年を迎えましたが、今シーズンもたくさんのご声援をよろしくお願いします。(福岡ソフトバンクホークス投手)

◆04年の和田 プロ2年目で10勝6敗、防御率4・35。左親指付け根を痛めた影響で開幕ローテーション入りはならなかったが、シーズン7完投の活躍を見せた。8月にはアテネ五輪で日本の銅メダル獲得に貢献。同年オフの契約更改では1500万円アップの9500万円でサインした。

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