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大谷翔平の誤審騒動で改めて感じたジャッジの難しさ 米サイトで審判を数値化も球審泣かせか…


15日ジャイアンツ戦の1回表、ウェンデルステット球審(左)のストライク判定に驚く大谷

一瞬のジャッジの難しさを改めて痛感する出来事が起きた。

15日(日本時間16日)、ドジャース大谷翔平投手(29)が、ジャイアンツ戦(ドジャースタジアム)で際どい判定によって2度の見逃し三振に倒れた。

結果球は1度目が右投手による真ん中低めへのスイーパー、2度目は左投手が外角高めに投げた直球だった。いずれも映像越しには「ボール」にも見えた。

球審はハンター・ウェンデルステット氏(52)。4月22日(日本時間23日)のヤンキース-アスレチックス戦で、三塁側スタンドから観客が飛ばしたヤジをヤンキースベンチからのものと勘違い。ヤジが飛んだ瞬間は確かに下を向いていたブーン監督を退場処分にした。ブーン監督は当然猛抗議するも、頭に血が上ったのか、「誰が言ったかは関係ない。退場だ!」とややけんか腰で宣告は変わらなかった。この一連の騒動は「冤罪(えんざい)退場」として話題を呼んだ。

この“前科”も相まって、SNSを中心に、大谷への判定に対する不満は高まった。だが、ウェンデルステット氏は、数値で見れば極めて平均的なジャッジをこなしていた。

米サイト「Umpire Scorecards」では、球審のストライク、ボール判定の正確性をパーセンテージで算出している。また、試合結果に影響を与えた誤審の詳細、ストライクゾーンの傾向まで判明してしまう。ある意味、審判泣かせだ。

前提として、MLBの球場ではボールの動きを正確に測定する「Statcast」というシステムが導入されている。これによって、自動的に投球の正確なコースが明らかになる。

ウェンデルステット氏がこの試合で犯した誤審は7球。大谷に関しては、2度目の見逃し三振が「誤審」と判断された。つまり、1度目の真ん中低めに落ちるスイーパーは膝の高さを「かすった」のだろう。ストライク、ボール判定の正確性も平均的な数値だった。

「Umpire Scorecards」の公式インスタグラムでは、1試合ごとの球審の判定を数値化した画像がズラッと並ぶ。ざっと見たところ、誤審「ゼロ」の試合はない。少なくて2球、多いと1試合で10球以上が誤審と判定されている。また、同サイトでは「Overall Favor」として、どちらのチームにより有利な判定をしたのかが、差し引きの数値で示されている。

「やっぱり誤審だったじゃないか」。表や数値を目にすると、なんとも言えない気持ちになるかもしれない。一方で、球審にかかるプレッシャーは計り知れないものがあるだろう、と推察する。

間違いは誰にでもある。ただ、その間違いがどこで出るかによって、選手やファンの心象は変わる。

ウェンデルステット氏の場合、「冤罪(えんざい)退場」の時と同じように、判定に少し不服そうな様子の大谷に対し、感情的に声を荒らげてしまった。判定よりも態度が、より大きな反感を買ってしまう要因となった。

映像技術の進歩によって、誤審が明らかになる機会は増えた。選手の技術面でも、投手のボールは年々速くなり、捕手のキャッチングも練度が増している。どのカテゴリーでも、判定に「えっ!」と思う場面に遭遇することはあるだろう。結果として勝敗に直結する場合もある。

もちろん審判団はミスジャッジのないよう務めている。だがジャッジは一瞬だ。韓国プロ野球では「AI審判」も導入され、今後は世界的に「AI」が浸透する可能性も0ではない。

当たり前だが、誤審はない方が望ましい。ただ、審判も現状は機械ではなく人間で、ストライク、ボールの判定は基本的には覆らない。

「一瞬のジャッジってむずかしいな」。一瞬でも審判目線に立って、おもしろい野球を楽しめたら-。きれい事だが、今回の騒動を経てそう感じた。【黒須亮】

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