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【阪神】プロ初1番井上広大、貴重なつなぎの一打で決勝点導く 女手一つで育ててくれた母に感謝


DeNA対阪神 3回表阪神2死一塁、中前打を放つ井上(撮影・横山健太)

<DeNA0-1阪神>◇12日◇横浜

プロ初の1番で先発した阪神井上広大外野手(22)が、貴重なつなぎの一打で決勝点を導いた。3回2死一塁で迎えた第2打席。DeNA大貫のツーシームをはじき返し、痛烈な打球を中前に転がした。「中野さん、近本さんと続いていく中で、しっかりとつなげたのは良かった」。Hランプがともると、ピンク色のリストバンドを着けた右手をベンチに向けて掲げた。

10日の1軍昇格から3戦連続スタメン。この日は初めてトップバッターで起用されたが、地に足が着いていた。「1番か、って感じで。近本さんが2戦1番を打って早仕掛けしていたので、自分もそんな考えることなく。あまり変わることなく打席に入れました」。起用に応える3戦連続の安打は、2死から才木がもぎとった四球を生かしたもの。「フォアボールは点になるというのは1軍でもそうですし、ファームの時からも口酸っぱく言われていたので」。日々の教えはしっかり身に染みついている。

プロ5年目で初めて「母の日」に1軍のグラウンドに立った。「本当に小さい時から自分が好きな野球をやらせてもらって、ここまで育ったので」。弟とともに女手一つで育ててくれた母貴美さんに、感謝の気持ちは尽きない。プロ入り後も仕事の合間を縫って録画した2軍戦をチェックしてくれていた母は、息子が出場した10、11日の試合後にも連絡をくれた。今も気に掛けてくれる大切な存在だ。「こういう日にヒットを打てたというのは良かったですし、きっかけにして、次の試合にも臨んでいきたい」。これからも1軍で躍動し、母に感謝のプレーを届ける。【磯綾乃】

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