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武田修宏氏「先生と出会っていなかったら日本代表になれなかった」5日死去した勝沢要さんに感謝


清水東高時代に勝沢要さん(左)から指導を受ける武田修宏氏(前列右から2人目。本人提供)

サッカー元日本代表FWで解説者、指導者、タレントの武田修宏氏(56)が6日、前日5日に85歳で亡くなった母校・清水東高(静岡)サッカー部監督の勝沢要さんへの追悼のコメントを発表した。同氏は「勝沢先生の突然の訃報に触れ、お世話になった、たくさんの思い出がこみあげてきました。私は、勝沢先生と出会っていなかったら日本代表に、またプロサッカー選手になれなかったと思います」と恩師に感謝した。

武田氏は、浜松市立佐藤小1年時に、浜松佐藤サッカー少年団でサッカーを始め、4年時に浜松JFCに入団。6年時に県大会3位に入り「小学校の卒業文集にも書いた『サッカー日本代表になる』という夢」と、日本代表を目指した。そして、目標をかなえるための道筋として「1983年、勝沢監督率いる清水東高校が全国制覇した瞬間をテレビで見て清水東高校に憧れ、進学することを決めました」と、長谷川健太、大榎克己、堀池巧の「清水3羽がらす」を擁し、1982年(昭57)度の第61回全国高校サッカー選手権を制した清水東高への進学を決めた。

そして、清水東高が83年1月8日に東京・国立競技場で行われた第61回全国高校サッカー選手権決勝で韮崎高(山梨)に4-1で勝ち、優勝した同年4月に、浜松市立丸塚中を卒業して清水東高に入学。ただ当時“サッカー王国”と言われ、県内各地域の強豪校がしのぎを削っていた静岡において、西部の浜松から中部の清水、しかも名門・清水東高に越境入学したことはタブー視された。「浜松で生まれ育った自分が、清水の高校に進学。当時はありえない状況に、周囲からは猛反対、地元紙に批判」(武田氏)と、地元メディアまで加わっての、猛烈なバッシングを受けた。その中「勝沢監督は『自信を持って逆境に勝て! 厳しい環境の中で揉まれて強くなってください』といつも励ましてくださり、それが私の座右の銘になっています」と、勝沢さんに背中を強く押されたという。

勝沢さんは、武田氏にとって精神性含め、プロサッカー選手としての礎も築いてくれた、かけがえのない恩人だ。「『人間が成長しない限りサッカーはうまくならない。サッカーを超えた人間力が大切だ』と清水東のモットーである文武両道を掲げ、人間形成にも重きを置いて厳しくも温かく指導して下さいました。それが今の、自分の人生の土台になっています」と、1日たりとも感謝の念を忘れたことはない。それだけに、恩師を失った悲しみは深い。

武田氏は、清水東高1年時に第62回全国高校サッカー選手権に出場し、チームは決勝で帝京(東京)に0-1で敗れて連覇を逃したものの、自らは5得点を挙げ得点王に輝いた。3年時は静岡県大会準決勝で、三渡洲アデミール擁する東海第一高(現東海大静岡翔洋)に1-2で敗れたため選手権出場はならなかったが、卒業した翌年の86年に静岡第一テレビ(現Daiichi-TV)に入社。同社の東京支社から出向する形で、日本サッカーリーグ1部の読売サッカークラブに入団し、小田急線でよみうりランドの練習場まで通う傍ら、同年に同局でスタートしたサッカー専門番組「KICK OFF(キックオフ)」内に「武田君日記」というコーナーを持った。

その頃、ソウルオリンピック(五輪)予選を戦う、日本代表に初選出されたが、当時の勝沢さんとのエピソードを初めて明かした。武田氏は「19才の時、初めて日本代表に選ばれたソウルオリンピックの試合前夜。ホテルから勝沢監督に感謝の電話をすると、温かい言葉で激励してくださり、思わず涙が流れたことを昨日のことのように思い出します」と振り返った。武田氏は、勝沢さんに電話をかけた翌日の87年4月8日に国立競技場で行われた、ソウル五輪アジア1次予選・インドネシア戦で代表初出場を果たし、後半終了間際に右足でゴール。93年のワールドカップ米国大会最終予選を戦うなど、日本代表として36試合、うち国際Aマッチには18試合に出場した同氏にとって、代表での唯一の得点こそ代表初出場で決めたインドネシア戦のゴールだった。

武田氏は、勝沢さんの死から一夜明けた6日、Daiichi-TVなど懇意にしてきたサッカーメディアや記者に勝沢さんへの思いを語った。「清水東高校、静岡県のサッカーにご尽力下さり本当にありがとうございました。先生に教えて頂いた事を胸に、これからは静岡県のサッカーの火を、僕たちが受け継いで頑張っていきますので、見守って下さい。謹んでお悔やみ申し上げます」と、勝沢さんへの追悼の思いを口にした。

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