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【西武】若林楽人“クモの巣”から抜け出す殊勲弾 スズメバチ出る2軍球場で打撃磨く


西武対日本ハム 9回裏西武2死二塁、左越えサヨナラ2点本塁打を放ち、ガッツポーズしながら跳びはねる若林(撮影・河田真司)

<西武3-1日本ハム>◇1日◇ベルーナドーム

ドジャース大谷翔平投手(29)がハチ騒動に見舞われた日、西武が“クモの巣”から抜け出た。

先制弾を放った若林楽人外野手(26)が9回2死、サヨナラ弾をかっ飛ばした。延長戦15連敗、ソフトバンクにサヨナラ3連敗。「いやー、延長は行きたくないなと思って。チャンスが来たらかえそうとしか思っていなかったっす」。苦しみの呪縛から解かれるように、走りながらヘルメットを放り投げた。

西武の本拠地ベルーナドームにはハチはいない。“クモの巣”はある。かつてロッテ角中が打席でクモの巣を払いのけたこともあるが、三塁側にもある。客席からカメラマン席、三塁側ベンチにつながる出入り口の防球ネットだ。通る人誰もが引っかかる。

この日、室内練習場での個人練習を終えてドーム入りした若林も、網にかかった。背中に背負った2本のバットが引っかかった。絡まる。「うわ~」と捉えられたチョウのよう。脱出に苦戦する若林に、手を差し伸べた。「ありがとうございます!」。さわやかに笑った男が、そのバットで試合を決めた。

スタメンに起用された開幕戦から4試合、18打数無安打と苦しんだ。開幕からヒットがでないと、誰でも苦しい。このままずっと出ないのでは、という気持ちも生まれかねない。

「その気持ちと、まだ始まったばかりじゃないかという2つの気持ちがあったんですけど…。1本はほしいな~と思いながらですけど」

季節によってスズメバチの出現もある、隣の2軍球場で磨き直した。「ファームに落ちてから西口監督や小関コーチにまた土台作りしっかりしようと言われてやって、状態良く1軍に上がれていたので」。自信をつけてしっかり振れるようになった。

細身ながらパンチ力を備える、ロッテ荻野タイプ。昨季もチームで数少ない逆方向への本塁打を放った。1年目は盗塁数の多さで注目されたが「今もあんまり速いとは思ってないので。タイム的にも断トツなわけじゃないし。足速いって自覚はそもそもないです」とむしろその筋力、瞬発力で道を切り開く。ハチのように刺す。

「ゲームに立つ以上は、自分が一番いいプレーヤーだと思って全員が立たなければ、戦う姿勢にならないと思うので」

そんな信念もある。打てないチーム、なかなか決まらない外野手に1番打者。若林が確変するだけでも、状況は好転する。

上原広報の提案で「ライオンズファンの皆さーん、こんばんは!若林で~す!」と久々の興奮を味わった獅子党を盛り上げ、ビクトリーロードを堂々と歩いた。階段を上り終えると「寒い~」とブルブル。

胸に「長袖」と書かれた半袖Tシャツを所持するしゃれっ気のある若様が、冷え込んだけれど熱い、華麗な脱出劇を決めてみせた。【金子真仁】

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