東北を熱く盛り上げる－。今季、楽天は球団創設20周年の節目を迎えた。それを記念して東北6県で1軍主催試合を開催。本拠地の楽天モバイルパーク宮城に加え、秋田（秋田市）が舞台の8日オリックス戦を皮切りに福島（福島市）、山形（山形市）、青森（弘前市）、岩手（盛岡市）の順でホーム戦を行う。楽天野球団・地域連携部の松野秀三部長（46）に、「ろっけん開催」への思いを聞いた。【取材・構成＝山田愛斗】
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－球団20周年の節目に東北全県で1軍の主催試合を開催する意義は
松野氏 我々は東北楽天ゴールデンイーグルスという「東北」の名前を冠している球団なので、宮城以外の5県に会いに行くというのが1つの気持ちの表現でもあるので、今回、それがうまく形になったというのは、すごくありがたいことだなと思っています。
－1シーズンでの「全県制覇」は今回が初めてか
松野氏 2017年に（宮城以外の）5県開催を企画したことはありますが、郡山（福島）の1試合が雨天中止になってしまい、コンプリートはできなかったんです…。毎年、5県でも開催したいなという思いはあったんですが、日程がなかなかはまらなかったり、球場、地域、我々の事情とかもあったりして、今年はすごくはまったというのが現状ですね。
－球場を抑えるなどの準備はいつ頃から始めるか
松野氏 9月上旬、中旬ぐらいに来季の対戦カードが決まってくるので、このタイミングで主催をやるというのが見えた時に初めて、開催地の自治体や各球場へ「ここで試合をやりたいです」と具体的な日程を提案するような形になります。9月ぐらいから準備をして11月とかの発表に向けて調整する感じですね。ただ、動きだしとしては球場の使用予定や改修工事が予定されているかなどの状況を聞いたり、コミュニケーションは常に取っています。
－銀次アンバサダーが各県を回り、試合開催をPRしている
松野氏 銀次アンバサダーが「地域を一緒に盛り上げていきます」と各県を訪問するのは、すごく僕らにとってもプラスになっています。地域の方もすごく大歓迎で迎えていただいて、「ありがたいな」っていうのと、球団としてもアンバサダーや職員が、東北のいろんな方とお話をして東北を知るということもすごく大事なことかなと思います。
－試合開催にあたって大変だなと思うことは
松野氏 やっぱり年に1回の開催ですし、周辺の交通事情とかも日々変わってくるので、お客さまを安心・安全にお迎えするっていうのが準備の大前提です。地域の方々とコミュニケーションを取りながら「いい興行だったね」って終わった時に言えるような、来場した方々が「試合観戦ってこんなに楽しいんだ」と思える環境をつくり上げることは大変ですけど、すごくやりがいは感じています。
－選手と交流できるようなイベントはあるか
松野氏 試合前に選手が外周に出て、ファンの皆さまと触れ合う機会もありますし、今回は銀次アンバサダーがいますので、球場外に積極的に出て触れ合うことも考えています。
－秋田でのオリックス戦は俳優の柳葉敏郎がセレモニアルピッチを行う。今後もその県にゆかりの著名人が登場するプランは
松野氏 柳葉さんみたいな著名人の方にご賛同いただくのはありがたいこと。それを皆さんに楽しんでもらうのも表現方法の1つですし、地域で頑張ってる方にフォーカスするのもいいのかなと思っています。
－オリックスの中嶋聡監督や吉田輝星投手は秋田出身。相手側にもゆかりの選手がいるのは盛り上がる
松野氏 両チームのファンが集って、お互いに「おらがチーム」という雰囲気になることで、プロ野球が活性化するのはすごくいいことだと思います。
－今後も1シーズンで東北全県開催をしたいか
松野氏 基本的には毎年やりたいなとは常に思っています。
－東北全県開催への意気込みを
松野氏 皆さんが楽しんでいただける環境や「すごい！」「楽しい！」「おいしい！」という体感、体験をお届けできればなとは思っています。そこに向かって我々は一生懸命、準備をしていきたいですし、興行だけでなく、「ろっけん」へ会いに行くっていうのはシーズン通して活動していきたいなと。いち手段として興行があり、それ以外のタイミングでも皆さんに会いに行けたらなと思っています。
◆楽天の東北開催試合
5月8日オリックス戦（秋田・こまちスタジアム＝2年ぶり12度目）
5月31日ヤクルト戦（福島・県営あづま球場＝5年ぶり15度目）
6月28日西武戦（山形・きらやかスタジアム＝2年連続11度目）
7月2日オリックス戦（青森・はるか夢球場＝2年ぶり5度目）
7月3日オリックス戦（岩手・きたぎんボールパーク＝3年連続18度目）
