【サマースビーAFP=時事】高級はちみつ「マヌカ」の名称をめぐり、ニュージーランドの生産者が、競合相手であるオーストラリアの生産者に対し使用しないよう求めている。(写真は豪ニューサウスウェールズ州の養蜂園で蜂の巣を持つ養蜂家)
 マヌカの名称は、ニュージーランドの先住民マオリの言葉で、花をつける常緑低木「ギョリュウバイ」に由来する。ニュージーランドとオーストラリア両国に生息するギョリュウバイが、マヌカハニーの蜜源となっている。
 ニュージーランドの生産者団体は、複数の国で「マヌカ」の商標登録手続きを進めており、名称の独占的使用を主張している。
 申請を行っているニュージーランドの生産者らは、オーストラリアは「マヌカ」の名称を誤用していると批判している。
 ニュージーランドのマヌカハニーの品質管理団体「UMF蜂蜜協会」の広報、ジョン・ロウクリフ氏は、「消費者は、マヌカと言えば原産地としてニュージーランドのことを思い浮かべる」とAFPに語った。「マヌカはマオリ語だ」
 ロウクリフ氏は、オーストラリアの養蜂家は「マヌカ」の名称を、80種あるギョリュウバイのすべてに使用していると指摘する。
 「誤解を招く上、販売されている製品に誤って表示されている。価格を上げるために、かんきつ類すべてをレモンと呼んでいるようなものだ」と強調した。
 だが、オーストラリアの生産者団体は、マヌカハニーの品質に違いはないと主張する。
 オーストラリア・マヌカハニー協会(AMHA)のポール・カランダー会長は、「われわれのはちみつの化学組成は、ニュージーランド産のものと同じだ」と述べた。
 カランダー氏は、伝統をめぐる議論も否定している。「オーストラリアでは、遅くとも1840年代からマヌカハニーを生産していたことが証明されている」と指摘。「マヌカ」は、同国のタスマニア州とビクトリア州で、ギョリュウバイの一般的な名称として使用されていると説明した。
 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の影響で、はちみつの需要は爆発的に増加し、2019~20年の輸出は過去最高を記録した。このうち76%をマヌカハニーが占めている。
 女優のグウィネス・パルトローさんや、テニスのノバク・ジョコビッチ選手も、マヌカハニーを健康のため愛用している。
 ニュージーランドの2020年のはちみつ輸出額は3億ドル(約330億円)を超えているとみられ、輸出量では中国の10分の1にとどまるものの、輸出額では1位となっている。
 ニュージーランド政府は、中国、米国、欧州連合(EU)で商標登録の申請を行っている国内の生産者らに対し、経済的支援を行っている。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2021/05/20-12:54)

情報提供元:時事ドットコム ワールドアイ
記事名:「マヌカ使わないで NZ豪「はちみつ戦争」