【ワルシャワAFP=時事】新型コロナウイルス流行によるロックダウン(都市封鎖)下でのドメスティックバイオレンス(DV)増加を憂いたポーランドの高校生が、コスメショップに見えるウェブサイトを立ち上げ、ひそかに被害者支援を行っている。(写真はドメスティックバイオレンス<DV>被害者を支援するウェブページとサイト運営者のクリシア・パスコさん。ポーランド・ワルシャワの自宅で)
 ワルシャワの高校生、クリシア・パスコさん(18)は「薬局で『19番のマスク』が欲しいと言えば、虐待の被害を受けていることが伝わるというフランスのアイデアがきっかけです」とAFPに語った。ポーランドでも何らかの暗号を使えば、家庭の外へ被害を知らせることができると思った。
 同国のNGO「女性の権利センター」が運営するDVホットラインへの問い合わせは、昨年3月の最初のロックダウン下で、50%増加した。
 パスコさんは昨年4月、交流サイト(SNS)のフェイスブックで「Rumianki i Bratki(カモミールとパンジーの意)」と題するページを立ち上げた。
 一見すると、ラベンダーのせっけんやハーブのフェースパックなどの写真が載っていて、コスメショップのページのようだ。だが、画面の向こう側にいるのは販売員ではなく、女性の権利センターの心理学者らからなるボランティアチームだ。
 「注文が入り、住所が記入された時点で、警察の対応が必要という合図になります」とパスコさん。
 話だけをしたい人は、製品情報の問い合わせからアクセスする仕組みになっている。心理学者らが投げ掛ける「アルコールに対する皮膚反応はどうかとか、子ども用の商品も必要か」といった質問は、被害について尋ねる暗号だ。
 チームはこれまでに約350人を支援。無償で法的アドバイスや行動計画を提供してきた。
 コロナ流行とそれに伴う規制のように「厳しい時代には、加害者はより攻撃性を増す傾向があります」とパスコさん。「パートナーに常に監視されていて、子どもをお風呂に入れているときにしか私たち宛てに書けない若い女性もいました」

■イスタンブール条約
 パスコさんは、ポーランドのDV問題は「やや軽視され、放置されています…もっと政府の支援が必要です」と語り、女性に対する暴力の防止と撲滅を目的とした「イスタンブール条約」を引き合いに出した。
 ポーランドのズビグニエフ・ジョブロ法相は昨年、イスタンブール条約は保守的な家族観を損なう条項を含む「イデオロギー的な性格のものだ」と述べ、条約からの離脱手続きを開始したと発表。国内外で反発を招いた。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2021/04/26-12:31)

情報提供元:時事ドットコム ワールドアイ
記事名:「一見コスメショップ…実はDV被害者支援サイト 高校生が発案 ポーランド