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欧州サッカー、無観客でもホームチームが有利 独研究

  • 2021年04月06日 13:46:00

【ワシントンAFP=時事】欧州のプロサッカーに関する研究で、新型コロナウイルス流行下で行われている無観客試合でも、本拠地で試合をするチームは相手チームよりもかなり有利だとする結果が発表された。(写真はイングランド・プレミアリーグ、マンチェスター・シティ対サウサンプトン戦。マンチェスター・シティのホームスタジアムで)
 研究者らはロックダウン(都市封鎖)によって生じた前例のない状況を活用し、スポーツ界ではよく知られている「ホームアドバンテージ」という現象を詳細に分析する「自然実験」の機会を得た。
 「ホームチームが有利である主要な、もしくは唯一の原因は、観客の存在だとするのが一般的な見方だ」と論文の筆頭著者であるドイツ体育大学ケルンのファビアン・ウンダーリッヒ氏はAFPに語った。だが「私たちが観察した(観客の)影響は予想を下回った」と言う。ただし同論文は、観客の存在は審判の判定に影響を与えることも認めている。
 研究対象となったのは、2010~11シーズンから2019~20シーズンまでの6か国(スペイン、英イングランド、イタリア、ドイツ、ポルトガル、トルコ)の主要10リーグ。コロナ禍前に行われた3万5000以上の有観客試合と、1000以上の無観客試合を比較した。
 研究者らを驚かせたのは、無観客試合では得点や勝ち点を基準にしたホームアドバンテージに若干の減少がみられたものの、有観客の場合と比べて統計学的に有意な差がなかったことだ。
 「有観客だった過去10シーズンの間、100試合あればホームチームが45勝、アウェーチームが28勝、残りの27試合が引き分け」という割合だった。これに対し「コロナ流行下の100試合では、ホームチームが43勝、アウェーチームが32勝、引き分けが25試合」だった。
 この違いは大きく見えるかもしれないが、過去数十年で観察されたホームアドバンテージの一般的な低下傾向と切り離して考えるには根拠が不十分だとウンダーリッヒ氏は指摘する。
 全体として本研究では、ホームアドバンテージ現象の別な要因に注目したと同氏は言う。例えば、ホームチームが自分たちの施設に感じる慣れや「縄張り意識」だ。自分の縄張りを守ろうとするとホルモン分泌が増えることは、動物行動学でよく知られている。
 アウェーチームの移動による負担もよく取り沙汰されるが、ウンダーリッヒ氏はさほど重視していない。別の研究で、ほとんど同一市内で試合をするドイツのアマチュアチームのコロナ流行前と以降の試合結果を分析したところ、はるかに移動が多いプロチームと比べて、ホームアドバンテージに関する差はなかったと言う。

■無観客では審判へのプレッシャー減少
 今回の研究によると、最終的な試合結果では大きな崩れがなくても、目立って減少した数値がいくつかある。
 ホームチームは、試合での優位性を示すシュート数や枠内シュート数などで統計学的に有意な減少がみられたのだ。
 観客が見ている場合、ホームチームのシュート数は増えても、それがゴール数や勝利に結び付いてはいなかった。これは、ホームで観客を前にすると無理なシュートでも打つ傾向が高まると説明できるかもしれない。
 また有観客の試合では、ホームチームが受けた警告・退場処分はアウェーチームよりも少なかった。これは観客の反応によって審判が圧力を受け、反則に対する評価が変わっている可能性が考えられる。だが、この影響はコロナ流行下では消え、アウェーチームに科せられるファウルやイエローカード、レッドカードの数が少なくなっていた。
 観客の影響による明らかに不公平な判定が試合結果を大きく左右することはなかったが、ウンダーリッヒ氏はこの知見がスポーツ政策を形成する上で役立つと考えている。「審判の偏見というものがあり、審判はそれが存在すること、そして審判の訓練が強化される可能性を認識しなければならない」
 ウンダーリッヒ氏を筆頭著者とするドイツ人研究者4人による論文は、3月31日付で米科学誌「プロスワン」に掲載された。【翻訳編集AFPBBNews】

〔AFP=時事〕(2021/04/06-13:46)
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