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シリア内戦10年、写真が物語る市民たちの人生の変貌

  • 2021年03月15日 12:36:00

【ダマスカスAFP=時事】シリアで15日、内戦発生のきっかけとなったバッシャール・アサド政権に対する大規模な反政府デモが起きてから10年を迎える。AFPの取材に応じたシリア人たちは、自身を捉えた内戦前の写真と共に、内戦後の生活がどのように変わったか振り返った。内戦ではこれまでに38万7000人以上が死亡、数百万人が自宅からの避難を余儀なくされている。(写真はシリア反体制派が掌握する北西部イドリブ県で、内戦前に撮影された自身の写真を手にする元反体制派戦闘員のモハメド・ハミドさん<28>。2016年に政府軍との戦闘で負傷し、兄弟を亡くした)
 サメル・サウワーンさん(33)は2011年、車を運転中に銃撃され、体にまひが残ることになった。首都ダマスカスで取材に応じたサウワーンさんは、銃撃以前の自身の姿を撮影した写真を手にしていた。
 「意識を失い、目覚めたら車いすに乗っていた」
 「私の希望や夢は変わってしまった」
 国連によると、内戦の影響でシリアでは少なくとも150万人が体に障害が残った。

■戦いの傷
 北西部イドリブ県では、反体制派の戦闘員だったモハメド・ハミドさん(28)が、松葉づえで体を支えながら大きな写真を見せた。そこには内戦前の、軍服姿で武器を持つ自身の姿があった。
 ハミドさんは2016年、ラタキアでの政府軍との戦闘で負傷した。この時、兄弟が自身の腕の中で死んだという。
 同年に他のきょうだい3人も刑務所内で亡くなったことを知り、翌年にはイドリブの自宅が爆撃され、娘が死亡した。
 また、イドリブではダマスカス郊外出身のアブ・アナスさん(26)が、16歳だった頃の写真を手にしていた。
 アナスさんは2018年にイドリブへと避難し、その2年後、砲撃によって視力を失った。

■亡命
 内戦によって亡命したジャーナリストもいる。
 ルカイア・アラバディさん(32)は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の支配下にあった東部デリゾール県の実態を報じていた。
 アラバディさんはメディア活動家として訴えられ、政府により数か月間投獄された後、2018年に難民としてフランス・パリに渡った。
 大学生だった10年前に撮影した写真には、チャドル(イスラム教徒の女性が着用するマント)とベールをまとったアラバディさんの姿があった。

■「世界を変えるはずが」
 イラクのクルド人自治区では、ディマ・カエドさん(29)が大学の卒業写真を手にしていた。この写真は、家族でダマスカスを離れた後もカエドさんが持ち続けている数少ない物の一つだ。
 「世界を変えることを夢見ていたが、内戦で私の世界は変わった」
 パレスチナ人が多く住むダマスカス南部ヤルムーク地区では、パレスチナ人画家のモハメド・ラクイアさん(70)が、がれきの山と化した自身のアトリエに立ち、「失ったものを埋め合わせることはできない」と語った。
 「アトリエは破壊され、作品は盗まれ、絵の具は散乱したままだ」【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2021/03/15-12:36)
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