【パリAFP=時事】フランスの歌手・作曲家のセルジュ・ゲンズブールの死から、2日で30年を迎える。新しい試みに挑戦し、また退廃的な響きのあるゲンズブールの音楽スタイルは、今なお米英のアーティストたちにとってよりどころとなる存在である。(写真はセルジュ・ゲンズブール)
 ゲンズブールの音楽は1990年代、ナズやウータン・クランなどの米国のヒップホップアーティストの曲でサンプリングに使用され、その後もマッシヴ・アタックやポーティスヘッドといったトリップ・ホップ勢、ビーチ・ハウスやテーム・インパラといったドリーム・ポップのバンドなどに影響を与えた。
 ゲンズブールを継承する多くの者たちにとって、1971年リリースのアルバム「メロディ・ネルソンの物語」は指標となる重要作品だ。
 ゲンズブールの娘、シャルロット・ゲンズブールは「一般的にゲンズブールといえば『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』だけど、音楽通にとっては『メロディ・ネルソン』こそすべて」だと語る。
 米ミュージシャンでインディー界スターのベックも、自身の2002年の傑作「シー・チェンジ」で「メロディ・ネルソンの物語」のサンプリング音源を多用した。
 ベックは「シー・チェンジ」のリマスター版のライナーノーツで、「野心とコンセプチュアルな深み、それらを引き出すのは本当に難しいけれど、ゲンズブールは『メロディ・ネルソン』でそれを完璧にこなしている。ロックバンドとオーケストラの最高のマリアージュの一つだ」と書いている。
 2016年、米雑誌「ピッチフォーク」はゲンズブールの影響力について、さまざまなミュージシャンがさまざまなインスピレーションを作品から得ていると指摘。
 最近のAFPのインタビューでも、英グループのジャンゴ・ジャンゴやインディー・ソウルの新星アーロ・パークス、有名映画監督を父に持つシンガーソングライターのバジー・リー(本名サーシャ・スピルバーグ)が影響を公言している。
 シャルロット・ゲンズブールにとっては、どれもが感動的な賛辞だ。
 「きっと誇らしかっただろうと思う」
 「生前には知る由もなかった称賛が、こんなにもあふれている。とても遅咲きだったこともあって、父は自分の成功を当たり前のものだと思っていなかった。(今の影響について)とても心打たれたことだろう」【翻訳編集AFPBBNews】

〔AFP=時事〕(2021/03/02-13:59)

情報提供元:時事ドットコム ワールドアイ
記事名:「セルジュ・ゲンズブール没後30年、音楽界に今なお強い影響