【ブカレストAFP=時事】ルーマニアで、ローマ皇帝トラヤヌスの像など青銅製とされていた11点の彫刻作品が真ちゅう製だったことが分かり、像を売却した彫刻家を詐欺罪で訴追したと、警察が15日、明らかにした。(写真はルーマニアの首都ブカレストの国立歴史博物館前に設置されたローマ皇帝トラヤヌスの裸像の前で写真を撮る人)
 警察の広報担当者によると、ルーマニア人彫刻家、イオアン・ボルボレア被告(65)は首都ブカレスト市政府に像を売却し、370万ユーロ(約4億7200万円)をだまし取ったという。
 像の一つは裸のトラヤヌスが、ルーマニアを象徴する雌オオカミを抱き抱えているもので、彫刻家バシリー・ゴルデュス氏(1931-2008)がデザインした。この像はローマ人とダキア人を祖先とするルーマニア人の起源を表しているが、2012年にブカレストのルーマニア国立歴史博物館の前に設置されて以来、嘲笑の的になってきた。
 設置当初、不思議なポーズや男性の裸像であること、オオカミの首からダキア人の旗を表すスカーフが飛び出ているデザインがばかにされ、同博物館の学芸員でさえ「芸術性に疑問符が付く」と評するほどだった。
 2017年に像が壊され、オオカミの尾の修復作業の際、専門家が青銅製ではなく真ちゅう製であることに気付いた。
 AFPはボルボレア被告にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
 警察はブカレスト市から作品の質について複数の申し立てがあったため、捜査を開始した。同被告は当時、そのような疑惑は「くだらない」と一蹴していた。【翻訳編集AFPBBNews】

〔AFP=時事〕(2021/02/17-14:26)

情報提供元:時事ドットコム ワールドアイ
記事名:「ローマ皇帝の裸像めぐり詐欺 彫刻家を訴追 ルーマニア