【武漢AFP=時事】中国・武漢市で新型コロナウイルスの流行に早期に警鐘を鳴らした李文亮医師が死去してから1年を迎えるのを前に、中国の交流サイト(SNS)には6日、哀悼のメッセージが殺到した。(写真は中国・武漢市で新型コロナウイルスの流行に早期に警鐘を鳴らし、同ウイルスに感染して死亡した李文亮医師)
 眼科医の李医師は、2019年12月に重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスに似たものが武漢市内で広がっているとソーシャルメディアで警告した医師の一人で、その後「デマ」を流布したとして警察に処分された。
 李医師が患者から新型ウイルスに感染し、昨年2月に死去すると、全国に追悼の動きが広がり、政府対応への怒りや政治改革を求める声が上がった。
 それ以来、地方の感染拡大がおおむね抑制されると同時に中国政府は流行に対して有効な措置を講じたという趣旨の説明を展開し、検閲によってインターネット上の批判的な意見を直ちに削除している。
 ただ、中国版ツイッターの「ウェイボー(微博)」にある李医師の個人ページは今なお、武漢市に課された厳格なロックダウン(都市封鎖)以降のつらい経験を記憶にとどめておくための希少な場を提供している。
 李医師の命日を前にSNS上には、ろうそくの絵文字から李医師への近況報告まで数千件のメッセージが寄せられた。
 ウェイボー利用者の一人は6日、李医師が残した最後の投稿に、「李医師へ。私が生きるきょうはとても良い天気です。周りにいる誰もが全力で生きようとしています。万事良好。春節おめでとう」とコメントした。李医師の最後の投稿には100万件以上のコメントが付いているが、そのほとんどは医師の死後に書き込まれたものだ。
 別の利用者は「1年後にはみんながあなたのことを忘れてしまっていると思っていた」とつづり、「私は間違っていた。あなたは中国人の心の中で永遠に生き続ける」と投稿した。
 一方で、武漢市として李医師を追悼する動きは、見たところほとんどない。
 李医師が新型ウイルスについて最初に同僚に警告した武漢市中心医院では、1年前は写真や手向けられた花束が複数見られたものの、今年は追悼の様子はほとんどなかった。
 人口1100万人の武漢市では、新型ウイルス関連で世界初となったロックダウンが昨年4月に解除され、その後市民生活はおおむね平常に戻り、ショッピングモールや夜市は活気にあふれている。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2021/02/08-11:48)

情報提供元:時事ドットコム ワールドアイ
記事名:「コロナ警鐘の医師の死から1年、SNSで哀悼広がる 中国