【メルボルンAFP=時事】全豪オープンテニスを控えて現地のホテルに2週間閉じ込められている世界のトップ選手たちは、ソーシャルメディアで不満をぶつけたり、マットレスに向かってボールを打ったりするなど、さまざまな方法で隔離生活に対処している。(写真は全豪オープンテニス出場に向け、ホテルの部屋で隔離期間を過ごす選手)
 今年の全豪オープンは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により、すでに開幕が例年から3週間遅れの来月8日に延期されている。そうした中で、現地メルボルン入りしたチャーター便17機のうち3機でウイルス陽性者が確認されたことを受け、これまでに計72人の選手がホテルの部屋で完全な14日間の隔離を強いられることになり、今週に入って新たな問題に直面している。
 それ以外の選手は、衛生的に安全が保たれた「バブル」での練習が認められているものの、できるのは1日わずか5時間に限られている。そのため選手たちは、普段とは違う問題に対処する中で創造的な解決策を生み出し、部屋にこもりきりの隔離された2週間で調子を維持しようとしている。

■新たなサーフェス
 女子世界ランク12位のベリンダ・ベンチッチ(スイス)は、隔離生活における新たなトレーニング方法として、ホテルの部屋の窓に向かってバックハンドの練習をする動画をツイッターに投稿し、「サーフェスは違うけれど、私たちには関係ない」とつづった。
 一方、インスタグラムで「そう、自分は気が狂ってきている」と明かした男子世界70位のパブロ・クエバス(ウルグアイ)は、マットレスを壁に垂直に立ててバックハンドの練習している。
 こうしたショットの練習以外には、部屋の窓際でダンベルを持ち上げる選手の姿もあった。

■ファストフードの食事
 一部の選手はソーシャルメディアで、ホテルから提供される食事に不満を訴えている。
 ファビオ・フォニーニ(イタリア)、パブロ・カレーニョ・ブスタ(スペイン)、コランタン・ムテ(フランス)、マルコ・チェッキナート(イタリア)といった欧州の選手たちは、部屋で出されるオーストラリア料理にこぞって不満を示した。
 ホテルのメニューを選ばず、ダイエットを諦めてファストフードの配達を注文する選手もいる。男子世界28位のブノワ・ペール(フランス)と同119位のダミアー・ジュムホール(ボスニア・ヘルツェゴビナ)は、マクドナルドの写真を投稿している。

■害獣の出現
 カザフスタンのユリア・プチンツェワは、他の選手たちとは違って、ホテルの部屋にいるのは自分一人きりでないことを知った。
 同選手は部屋にネズミが走り回っている動画を投稿し、別の部屋に移ろうとしたが、厳しい隔離規制で認められなかったとツイート。望まないルームメートが出現したのは、隔離場所を選んだ当局の落ち度であると指摘し、「他の選手がいるような最高のホテルに、私を入れてくれなかった!」と訴えた。

■「クレイジー」な状況への不満
 食事やトレーニング方法の変更について投稿している選手がいる一方で、新たな環境に不満を訴えている選手たちもいる。
 オーストリアのフィリップ・オスワルドは、2週間の隔離措置は「クレイジー」であると訴え、この新ルールに関してチャーター機に乗り込む前には「一度も伝えられていなかった」と話した。
 女子世界72位のソラナ・シルステア(ルーマニア)は、厳しい隔離措置の可能性を知っていればオーストラリアに渡航するつもりはなかったとしている。
 大勢のオーストラリア人が海外で足止めされている中、ソーシャルメディアではそうした選手に対して、自由に入国しながら文句を言っていると冷ややかな声が上がっている。
 元テニス選手で指導者でもあったロジャー・ラシード氏は、選手たちの置かれている状況は事前に分かりきっていたことだと指摘し、オンラインで不満を訴える選手たちに対し、隔離生活によりポジティブに向き合うよう訴えている。
 「厳しい衛生対策の下で入国できる選手たちは幸運だし、パンデミックの中で四大大会(グランドスラム)でプレーできることに感謝すべきだ」 【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2021/01/20-08:55)

情報提供元:時事ドットコム ワールドアイ
記事名:「「窓打ち」にファストフード、隔離中の選手の創意工夫 全豪OP