【パリAFP=時事】新型コロナウイルスの流行が始まって以来、初めてのクリスマスがやってくる。各国政府は新たな感染の波を食い止めるためにさまざまな自粛を呼び掛けており、例年とは違ったクリスマスシーズンとなっている。(写真はマスクを着けたサンタクロース。ドイツのクリスマスマーケットで)

■独首相メルケル氏の訴え
 親しみを込めて「ムッティ(「お母さん」の意)」と呼ばれるドイツのアンゲラ・メルケル首相は国民に対し、「祖父母と過ごす最後のクリスマスにならないよう」、人との交流を控えなければならないと警告した。
 我慢すべきなのはそれだけではない。メルケル氏は、多くの人が楽しみにしているクリスマスマーケットのホットワインやワッフルも今年は諦めるよう呼び掛けた。

■「クリスマス泥棒」
 カナダのマニトバ州のブライアン・パリスター州首相はさらにストレートに「私は皆さんの安全を守るためのクリスマス泥棒だ」と述べ、外出を自粛するよう警告した。さらに「新型コロナウイルス感染症なんて本当はないと今考えているとしたら、愚か者だ」と言い放った。
 世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は、「最高の(クリスマス)プレゼントは、健康を贈ること」だと述べた。

■英女王も外出自粛
 最も厳しい水準の規制を課しているベルギーとルクセンブルクでは、クリスマスに招待できる人数は一世帯当たり1人(単身世帯の場合は2人)に制限された。
 ドイツではクリスマスに集まるのは近しい家族に限定し、しかも前の週からそれぞれが人との接触を控えた場合に限るべきだとしている。
 米国では11月の感謝祭の連休後に新規感染者数が急増している。米疾病対策センター(CDC)は、祝祭日を楽しむ最も安全な方法は「一緒に住んでいる相手と自宅で祝うこと」だと勧告している。また旅行も控えるよう呼び掛けている。
 カナダのケベック州では新規感染者数の増加を受け、クリスマス前後の4日間は集まってもよいとしていた決定を取り消した。
 フランスは、同じ食卓を囲む成人は6人までとしている。英国は、ロンドンとイングランド南東部を対象に「ステイホーム(自宅待機)」を指示。3世帯まで一緒に過ごすことを認める予定だった行動制限の緩和も取りやめとなる。94歳と高齢のエリザベス女王もウィンザー城を離れる予定はない。

■規制に聖域なし
 イエス・キリストの生誕地とされるパレスチナ自治区ヨルダン川西岸のベツレヘムでも、クリスマスの夜のミサは信者を入れずに行われる。
 またローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は、バチカンで行われるクリスマス深夜のミサについて、イタリアの夜間外出規制に従い短縮することを明らかにした。
 ギリシャでは、ギリシャ正教のクリスマスに当たる1月7日に教会を再び開放することが許可されており、公現祭の食事は屋内で9人以下、聖堂であれば25人以下の集いが許される。

■年越しイベントもひっそり
 オーストリアでも伝統的なクリスマスマーケットは中止。スペインの首都マドリードでも、大晦日に中心地の広場プエルタ・デル・ソルに集まって、12粒のブドウを食べながらカウントダウンをすることはできない。
 ベルギーとオランダではすでに花火が禁止されている。パリとロンドンでも年越し恒例の華やかな花火の打ち上げが中止された。
 一方、毎年世界で最初に新年の花火を打ち上げるオーストラリアのシドニーでは、国内の新型ウイルス流行がほぼ抑え込まれていることから、例年通りの大規模な花火イベントが予定されている。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2020/12/22-09:51)

情報提供元:時事ドットコム ワールドアイ
記事名:「各国が「サイレントナイト」呼び掛け コロナが奪うクリスマス