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リュウグウの岩石試料が始原的な隕石より黒いわけ


地球に飛来した隕石は大気と反応し「上書き保存」されて明るく変化した

発表のポイント
・小惑星探査機「はやぶさ2」(注1)が小惑星リュウグウ(注2)から回収した試料は地球大気と反応することが知られており、本成果では、試料の持つ宇宙の情報が地球の情報で「上書き」されないよう、試料を大気にさらさず反射スペクトル(注3)を測定することに成功しました。

・リュウグウの岩石試料(以下、リュウグウ試料)は、リュウグウと同種の小惑星から地球に飛来した始原的(注4)な隕石よりも圧倒的に黒いことがわかっていました。この原因を探るため、本成果では隕石を加熱・還元する実験を行い、隕石が地球大気に含まれる水や酸素と反応したことで宇宙にあった状態から反射スペクトルが大きく変化し明るくなったことを示しました。

・今後、隕石の地球上での変質による反射スペクトルの変化を考慮することで、観測による小惑星構成物質の特定の精度を上げることができます。

概要
小惑星回収試料や隕石の反射スペクトルは、観測で得られる小惑星の反射スペクトルから小惑星の構成物質を特定するための手がかりとなります。

東北大学大学院理学研究科地学専攻の天野香菜大学院生(現、客員研究者)、中村智樹教授、国立研究開発法人 産業技術総合研究所の松岡萌研究員、東京大学大学院理学系研究科附属宇宙惑星科学機構・地球惑星科学専攻の橘省吾教授らの研究グループは、小惑星探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウから回収した試料を地球大気と反応させないように工夫して反射スペクトルを測定しました。リュウグウ試料、リュウグウと同種の小惑星から飛来した隕石、および隕石を実験的に加熱した試料を比較し、隕石が地球大気の水や酸素と反応したことでその反射スペクトルが宇宙にあった状態よりも明るく変化したことを示しました。本成果を踏まえ、隕石の地上での変質によって反射スペクトルがどのように変化しうるかを考慮することで、観測によって小惑星の構成物質を特定する精度の向上が期待されます。

本成果は2023年12月7日に米国科学振興協会(AAAS)が発行する学術誌Science Advancesに掲載されました。

プレスリリースの詳細はこちら
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2023/pr20231207/pr20231207.html

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