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大掃除は「整理・整頓・セーフティ」!


~「シュレッダー」「掃除機」「脚立・はしご」の気を付けるポイント~

 今年も残すところあと1ヶ月となり、年末に向けてご家庭や事務所等で大掃除をする機会も多いのではないでしょうか。そんな大掃除の際に活躍する製品として、シュレッダーや掃除機(※1)、脚立・はしごがありますが、消費者の行動が事故につながってしまったと考えられる事案が発生しています。独立行政法人製品評価技術基盤機構[NITE(ナイト)、理事長:長谷川 史彦、本所:東京都渋谷区西原]は、シュレッダーや掃除機、脚立・はしごを使用する上で気を付けるポイントをお知らせします。

(※1)本資料では、掃除機に掃除機用のバッテリーも含めています。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311293521-O1-BuhYuFdu
 
 NITEに通知があった製品事故情報(※2)では、2018年度から2022年度の5年間にシュレッダーや掃除機、脚立・はしごの事故は294件ありました。掃除機の事故は約8割が火災となっており、また、脚立・はしごの事故は約9割が人的被害に至っており大きな割合を占めています。
また、事故につながったと考えられる消費者の行動として、シュレッダーは「可燃性ガスを含む潤滑スプレー等を使用したため、製品内部に滞留したガスに引火して爆発」、掃除機は「欠陥のある非純正バッテリーを使用したため、非純正バッテリーが充電中等に発火」、脚立・はしごは「体勢が不安定になる状態で使用したため、バランスを崩して転倒」等がありました。
事故が発生しないよう各製品の気を付けるポイントを確認し、製品を正しく使い整理整頓し、新年を気持ちよく迎えましょう。

(※2)消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故やヒヤリハット情報(被害なし)を含みます。

シュレッダーの気を付けるポイント
○可燃性ガスを含むスプレーを使用しない、電池類を細断しない。
○投入口に指を近づけない。
○インターロック装置が働くことを確認する。

掃除機の気を付けるポイント
○非純正バッテリーが抱えるリスクを理解する(充電式タイプの掃除機)。
○充電は製品指定の充電器を使う(充電式タイプの掃除機)。
○電源コードに過度な力が加わらないよう注意する。

脚立・はしごの気を付けるポイント
○脚立は「天板に乗らない、またがない」「大きな反動が生じる作業をしない」、
 はしごは「補助者に支えてもらう」「乗った状態で作業しない」。
○開き止め具をしっかりロックし、安定した地面に設置する。
○亀裂やねじの緩み等がないか確認する。

1.シュレッダー、掃除機、脚立・はしごの事故発生状況
 NITEに通知された製品事故情報のうち、2018年度から2022年度の5年間に発生したシュレッダーや掃除機、脚立・はしごの事故294件について、事故発生状況を以下に示します。なお、調査中の案件19件(シュレッダー:1件、掃除機:14件、脚立・はしご:4件)も含みます。

1-1.年度別の事故発生件数
 シュレッダーや掃除機、脚立・はしごの事故294件について、年度別の事故発生件数を図1に示します。2019年度は掃除機の非純正バッテリーが充電中に発火する事故が多発したため、件数が多くなっています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311293521-O2-83wp6O21

 
1-2.事故の被害状況
 シュレッダーや掃除機、脚立・はしごの事故294件について、被害状況別の事故件数及び被害者数並びに火災件数を表1に示します。掃除機の事故の約8割が火災となっています。また、脚立・はしごの事故の約9割が人的被害に至っており大きな割合を占めています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311293521-O3-rGWbESl3

(※3)人的被害(死亡・重傷・軽傷)が複数同時に発生している場合は、最も重篤な分類で事故件数をカウントし、重複カウントはしていません。また、製品本体のみの被害(製品破損)にとどまらず周囲の製品や建物などにも被害を及ぼすことを「拡大被害」としています。

1-3.事故につながったと考えられる行動ワースト3
 シュレッダーや掃除機、脚立・はしごの事故294件のうち、事故につながったと考えられる消費者の行動ワースト3を製品毎に表2、表3、表4に示します。特に、掃除機においては、充電中に非純正バッテリーが発火する事故が多く発生しています。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311293521-O4-D9Dn1kkn

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311293521-O5-4MC94ITN

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311293521-O6-88gmsd62
(※4)件数はワースト1,2に含まれていない外数です。

シュレッダーの気を付けるポイント
○可燃性ガスを含むスプレーを使用しない、電池類を細断しない。
 潤滑スプレーやエアダスターといった可燃性ガスを含むスプレーを使用してしまうと、シュレッダー内部にガスが滞留し、電気部品等からの火花で引火し、爆発するおそれがあります。可燃性ガスを含むスプレーをシュレッダーに使用しないでください。
 紙詰まりや動作エラーが発生した際は、取扱説明書で正しい対処方法を確認しましょう。もし動作がおかしい、異音がする等の不具合が生じた場合は、独自の判断で分解等はせず、販売店や製造メーカーのお問い合わせ窓口にご相談ください。
 
 また、電池類をシュレッダーに投入しないよう気を付けてください。シュレッダーで細断された電池が発火する危険性があります。もし誤って細断してしまった時は、使用を中止し、電源プラグを抜いて、販売店や製造メーカーのお問い合わせ窓口にご連絡ください。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311293521-O7-t42u6jXb
 
○投入口に指を近づけない。
 シュレッダーの投入口に指を近づけ過ぎないようご注意ください。紙が引き込まれ始めたらすぐに手を放し、無理に押し込まないようにしてください。指が引き込まれてけがをするおそれがあります。その他にも使用上の注意点について、取扱説明書や製品に貼られている警告シールの内容をよくご確認ください。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311293521-O8-5wrTsLhV
                      
○インターロック装置が働くことを確認する。
 シュレッダーの安全機能として、細断くずを取り除くために扉を開ける等したときに、自動的に細断が停止する(カッター刃の回転が止まる)機能が備わっています(インターロック装置)。しかし、扉の開閉センサー部に紙片や紙粉が堆積すること等により、この安全機能が働かずに、扉が開いた状態でもカッター刃が動き続けてしまい事故につながるケースがあります。
 使用している製品のインターロック装置が正常に働くかをご確認ください。もし、備わっている安全機能が正しく動作しない場合は、販売店やメーカーのお問い合わせ窓口にご連絡ください。
      
掃除機の気を付けるポイント
○非純正バッテリーが抱えるリスクを理解する(充電式タイプの掃除機)。
 純正バッテリーに比べて非純正バッテリーはより多くのリスクがあることを認識してください。非純正バッテリーが抱えるリスクとして以下の点があります。
<設計不良で異常発生時に安全保護装置が作動しないリスクが高い>
 電気用品安全法の技術基準を満たしていないまま販売されているバッテリーもあり、基準で求められている過充電保護装置などの安全機能が働かずに事故につながるおそれがあります。
<品質管理が不十分な場合があり、普通に使っても事故に至るリスクが高い>
 製造時の品質管理が不十分で、バッテリー内の電池に異物が混入していたり、電気回路の部品に不良品が使われていたりすることがあり、使用中や充電中に発火事故が発生するおそれがあります。
<事故が発生した際、取り付けた掃除機メーカーの対応や補償を受けられない場合がある>
 非純正バッテリーの使用は掃除機メーカーからすると改造に該当する場合があり、メーカーが損害などに対応する義務がなくなるため補償を受けられなくなります。また、非純正バッテリーの販売業者の中には、消費者から連絡するための情報が不十分な事業者もあり、連絡が取れなかったり、日本語で対応してもらうことができなかったりします。

 掃除機の取扱説明書には、純正バッテリー以外を使用すると性能・品質の低下や、発煙・破裂・発火の原因になるおそれがある旨記載されている場合があります。掃除機本体メーカーの取扱説明書を確認し、非純正バッテリーの取り付けが禁止されていないかご確認ください。

○充電は製品指定の充電器を使う(充電式タイプの掃除機)。
 充電器(ACアダプター)は、機器それぞれに充電条件などの仕様が異なりますが、充電器と機器をつなぐプラグの形状は同じものもあり、他製品に付属していた充電器でも接続できてしまうことがあります。しかし、付属の充電器よりも高い電圧の充電器につないでしまうと、バッテリー内部のリチウムイオン電池が過充電状態となり、発火や破裂などの事故に至るおそれがあります。充電は付属の充電器で行ってください。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311293521-O9-Rq13K9Vz

○電源コードに過度な力が加わらないよう注意する。
 電源コードを引っ張る、屈曲させる、踏みつける、といった外部から無理な力が加わる使い方をすると、電源コードの芯線が断線して、異常発熱や発火の原因となるおそれがあります。電源プラグをコンセントから抜くときは、電源コードを引っ張らないように、電源プラグを持って抜くようにしてください。また、机や椅子の脚で踏むなどといった無理な力を加えないよう注意してください。

脚立・はしごの気を付けるポイント
○脚立は「天板に乗らない、またがない」「大きな反動が生じる作業をしない」、
 はしごは「補助者に支えてもらう」「乗った状態で作業しない」。
 脚立には転倒しやすい方向があります。脚立にまたがると身体のバランスを崩しやすくなり、無防備な姿勢で倒れる可能性があり危険です。また、脚立は天板に乗ることが禁じられています。天板の上に乗ったり座ったりすると、身体のバランスを崩し転落するおそれがあります。必ず、本体表示及び取扱説明書に従って使用してください。
 なお、脚立に乗って作業する際、無理に押したり引いたりすると反動で脚立が不安定になるので注意してください。脚立から身を乗り出すのも危険です。バランスを崩して転倒や転落のおそれがあります。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311293521-O10-UV3zIIX4

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311293521-O11-Yy0j4LUQ
 
 はしごを使用する際は必ずはしごの下部を補助者に支えてもらって使用してください。
 なお、はしごの上で作業をすると、バランスを崩しやすくなり大変危険です。はしごは昇り降りするためだけに使い、はしごに乗った状態で作業するのはやめましょう。作業する場合は、脚立を使用するようにしましょう。

○開き止め具をしっかりロックし、安定した地面に設置する。
 開き止め具のロックが不十分な状態で使用すると、使用時に開閉して転落するおそれがあるので、確実にロックした状態で使用してください。また、傾斜のある地面や柔らかい土の上、雨上がりの地面では、はしごや脚立が不安定になり転落するおそれが高くなるため、水平な地面の上で使用してください。
 なお、はしごを立て過ぎると使用者が背中から転落し、寝かせ過ぎるとはしごの脚部が後方に滑って使用者が前方に転落するおそれがあります。はしごの側面に表示されている「角度指示ラベル」を参考に、立て掛け角度は約75度にしてください。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311293521-O12-u2i1DS1I
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311293521-O13-F5Qquuhk

○亀裂やねじの緩み等がないか確認する。
 支柱や天板、踏ざんに亀裂やねじの緩み、がたつき等がないかをご確認ください。亀裂やねじが緩んだ状態で使用すると、亀裂が進展し破断したりねじが脱落したりする等して、転倒するおそれがあります。もし異常が見つかった場合は使用を中止してください。

今回の注意喚起動画はこちら
>>NITE公式 YouTube
シュレッダー「1.可燃性スプレーを使用して爆発」

【動画:https://www.youtube.com/watch?v=uJbjpgC-lVo

 
シュレッダー「2.誤って電池を細断して発火」

【動画:https://www.youtube.com/watch?v=UHky3vYuIQw

 
一般消費者用検索ツール「SAFE-Lite」のご紹介
 NITEはホームページで製品事故に特化したウェブ検索ツール「SAFE-Lite(セーフ・ライト)」のサービスを行っています。製品の利用者が慣れ親しんだ名称で製品名を入力すると、その名称(製品)に関連する事故の情報が表示されます。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311293521-O14-KJaaU74p
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/safe-lite.html

 
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE) 製品安全センターの概要
 NITE 製品安全センターには、消費生活用製品安全法などの法律に基づき、一般消費者が購入する消費生活用製品(家庭用電気製品やガス・石油機器、身の回り品など)を対象に毎年1千件以上の事故情報が寄せられます。製品安全センターでは、こうして収集した事故情報を公平かつ中立な立場で調査・分析して原因究明やリスク評価を行っています。原因究明調査の結果を公表することで、製品事故の再発・未然防止に役立てています。

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