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『第14回 歯科プレスセミナー』を開催


~「女性歯科医師のキャリア構築と現状」をテーマにした講演とパネルトーク~

2023年11月8日
一般社団法人 日本私立歯科大学協会

~「女性歯科医師のキャリア構築と現状」をテーマにした講演とパネルトーク~ 『第14回 歯科プレスセミナー』を開催

 

■基調講演:「女性歯科医師のキャリア構築と現状~来たれリケジョ!歯学部へ!~」  

■パネルトーク:「現役女性歯科医師からみる 女性歯科医師のキャリア構築と現状」

 

 

 一般社団法人 日本私立歯科大学協会(所在地:東京都千代田区、会長:羽村 章)は、2023年10月31日(火) に、アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)および、オンラインで『第14回 歯科プレスセミナー』を開催いたしました。

 

 口腔ケアは全身の健康の維持・増進に深く関わることが認知されるようになり、歯科医師、そして歯科医学・歯科医療の役割がより一層注目されるなか、一般社団法人日本私立歯科大学協会は、皆様の健康的な生活を考え、サポートすることを目指し、歯科医療に関するテーマを取り上げて「歯科プレスセミナー」を開催してまいりました。

 

 14回目となる今回は、当協会会長・羽村 章の挨拶と、専務理事・櫻井 孝による歯科医師の現状についての説明の後、基調講演とパネルトークを行い、約70名の報道関係等の皆さまに、女性歯科医師のキャリア構築と現状をお伝えすることができました。

 基調講演では、近年女性の歯科医師が増える傾向にあることが報告され、歯科医師は女性の特性が活かさせる職業であることや、キャリアデザインを柔軟に行うための課題などについてお伝えいたしました。パネルトークでは、現役で活躍する女性歯科医師3名に自身のキャリアパスとライフステージについてお話しいただき、働き方の実態やキャリア構築の方法、女性歯科医師がさらに働きやすくなるための環境整備などについて意見を交換しました。

 

 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311082498-O3-98wR08Z9】【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311082498-O2-ZskFMlE3

左:基調講演(水田 祥代氏)

右:パネルトーク(左から水田 祥代氏、大久保 真衣氏、前畑 香氏、佐藤 彩乃氏)

 

 

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M104318/202311082498/_prw_OT1fl_CMNTbDyo.png

 

 

外科医・小児科医としてキャリアを積み、病院長、小児学会理事長などを経験。

現在は学校法人福岡学園理事長として医療従事者の育成に努める

幼少時の入院経験をきっかけに医師を目指し、1966年に九州大学医学部を卒業した。米空軍立川病院でのインターンを経て、九州大学第二外科教室に入局。英国リバプール大学附属アルダーヘイ小児病院に2年間留学し、帰国後に九州大学大学院(第二外科)で一般外科を担当した後、小児外科講師・医局長に就任。福岡市立こども病院小児外科部長や九州大学小児外科教授、九州大学病院長を務めた。日本小児外科学会第13代理事長として後進の育成に努め、2015年に現職の学校法人福岡学園理事長に就任した。

 

歯科医師に占める女性の割合は25%。過去40年で約2倍に増加しているものの、“体力的にハードな仕事”という誤解やロールモデルの不在などを理由に低率にとどまる

2020年の歯科医師数に占める女性の割合は25%、医師数に占める女性の割合は22.8%でこの40年で約2倍に増加した。歯科医師で女性の比率が低い理由として、①医師は体力的にハードなイメージがあり、歯科医師もそうではないかという誤解がある、②出産・育児との両立が難しそうである、③歯科医師は男性、歯科衛生士は女性というイメージがある、④ロールモデルが少ないという4点があげられる。

しかし女性が男性に劣ることはなく、実際に世界では、様々な分野で女性がリーダーシップを発揮している。また研究の分野では女性がチームに加わると成果が上がるという調査結果もある。

 

歯科医師として研鑽が必要な20~30代に出産・育児期間が重なることや、ロールモデルが乏しくキャリア構築の見本が少ないことが女性歯科医師育成の課題

歯科医師になるには、6年間の大学教育を経て歯科医師国家試験に合格・資格取得した後、最低1年間の初期臨床研修を行うことが義務となっている。その後数年間、研鑽を積み専門性を身に付けて30代中頃に一人前になるのが一般的で、この修行期間をいかに充実したものにするかが重要である。一方、その時期は出産・育児の期間と重なるため、仕事との両立に苦慮する女性歯科医師が多いようである。

そこで課題になるのが、理系職種の女性にとってロールモデルが乏しいことである。科学技術系専門職の研究者全体に占める女性の割合は17.5%とOECD中最下位で、医学・歯学分野で見ても女性が占める割合は28.2%と低いため、お手本となるケースが少なくキャリア構築の方法が見えにくくなっている。

 

子どもがいる女性歯科医師は約3割(31.7%)で、復職までの期間の平均値は1.4年(±1.94)。

体力的に働きやすく、出産・育児との両立も可能で、女性ならではのメリットを発揮できる歯科医師は“女性にとって働きやすい職業” 。スキルアップ支援や職場での保育所開設など、支援体制は強化される傾向にある

「子どもがいる」女性歯科医師は約3割(31.7%)で、その人たちが歯科医業を離れた期間の平均値は1.4年(±1.94) であった。

女性歯科医師が出産・育児後にも復職・再就職できるように、日本歯科医師会は、最新の知識・技術の習得を支援する生涯研修事業の提供や就業支援サイトの開設を行っている。このほか、各学会や厚生労働省などによる支援事業も提供され、女性医師のキャリア継続のための支援体制が進みつつある。

 

 

歯科大学・歯学部の学生の半数近くが女性。歯科医師は、ライフステージに合わせた働き方やキャリア構築が可能なため、女性にとって働きやすい職業として注目される

歯科大学・歯学部では学生の半数近くを女性が占めている。日本には歯科大学・歯学部が29校(私立大学17校、国公立大学12校)あるが、そのうちの8校ではすでに女子学生の割合が5割を超えている(令和5年度 速報値)。

歯科医師は、女性ならではのメリットを発揮できる職業で、男性医師による治療に抵抗のある患者さんや歯の審美の相談、妊娠中の歯のケアをするマタニティ歯科といった、患者の要望に応えることができる。

高度な科学技術系専門職の中でも、歯科医師は、女性が働きやすく活躍できる環境が比較的整った職業であるといえる。力を必要とする場面や体力的な厳しさはなく、男女間の格差はない仕事である。予約診療、計画診療が一般的なので夜勤や当直勤務もほとんどない。男性に比べて手が小さく、狭い口の中で細かな作業ができるといったメリットがあり、マタニティ歯科など女性だからこそ理解できる分野もあり、女性ならではのメリットや適性が発揮できる職業といえる。国家資格と専門技術を持つため、休職しても復帰や再就職が容易で、働き方もフルタイムだけでなく時短、パート・アルバイトなど柔軟に働くことができる。

 

来たれリケジョ! 生涯を通して取り組むことができる歯科医師になり、キャリアアップをしてほしい

歯科医師の就職率は100%で、安定して高収入が得られ、国民の健康とQOL向上に直結したやりがいの高い医療職である。「仕事と出産・育児との両立」は課題点であるが、出産や育児を経験しながら、勤務場所や形態を変えてキャリアを積んだ例はいくつもあり、「両立の束縛」から自由になっていただきたい。休んだ分のキャリアはまた追いかければよいと考え、生涯を通してできる仕事として取り組んでほしい。

これから女性歯科医師を目指すリケジョの皆さんには、貪欲にキャリアアップを図り、意思決定の場に参加し、能力をアップして豊かな人生を送ってほしいと願っている。また、私の願いは、10代から100歳代までそれぞれの時代を謳歌することで、今は80代としてFantasticな時代を過ごしたいと思っている。   

 

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M104318/202311082498/_prw_OT2fl_QahYUru6.png

 

【パネルトーク 第1部】女性歯科医師の現状

大学・開業医・フリーランスとして働く現役女性歯科医師が、多様な職場、働き方を説明

パネルトークの第1部では、「女性歯科医師の現状」をテーマにトークを展開しました。

冒頭で、登壇者はそれぞれの経歴とキャリア形成の経緯、仕事内容について語りました。東京歯科大学で摂食嚥下リハビリテーションを専門に研究する大久保氏は、対象となる患者さんの幅が広いため、福祉、教育、などさまざまな職種の人たちと関わる仕事であることを説明しました。

前畑氏は、大学卒業から歯科クリニックの院長になるまでの経緯を話し、家業である開業医を継承して義歯の専門性を磨くうちに、講演や書籍執筆などの仕事の幅が広がったことを説明しました。佐藤氏は、お子さんとの時間を作りたいという気持ちからフリーランスで働き始めた経緯を話し、専門とする矯正治療は計画的な治療が可能なため、フリーランスでの働き方が可能であることを説明。女性歯科医師の多様なキャリアパスや働き方についてトークが展開されました。

 

【パネルトーク 第2部】キャリア構築における女性ならではの難しさ

出産・育児中も周囲との連携により自分らしい働き方を実現

第2部では、「キャリア構築における女性ならではの難しさ」をテーマにトークを展開しました。

コーディネーターの水田氏が、「働く中で心細く不安に感じること」について尋ねると、大久保氏は「大学には女性の先輩が多く職種を問わずロールモデルもたくさんあり参考になったので不安はない」、前畑氏は「夫が同業の研究者であるため理解がある。同じ女性開業医の横のつながりもあるので不安はない」、佐藤氏は「自分一人では難しい案件では他のドクターに助けを求めることができる」と答え、働く中で心細くなる場面はなく、周囲との連携がとれていることについて説明しました。

 

出産・育児を経ても、周囲のサポートと柔軟な働き方によりキャリアを継続

休みを取ることで「追いていかれる」時期があっても「後から追いつけばよい」と考えてほしい

「キャリア構築」について尋ねると、大久保氏は、不妊治療を受けるために一度、大学を離れたときのエピソードを話しました。大学に勤務時間の調整が可能な体制をとってもらうことで復職でき、「手に職があることのメリットを実感した」と話ました。前畑氏は、体調不良になりやすい更年期の働き方について話し、「同年代の女性歯科医師に悩みを相談し、家族と話をすることで解決を図っている」と説明しました。佐藤氏は、産休・育休中に「追いていかれる」という不安感が募ったという経験談を披露。また、当時勤務していた大学病院では育児期の早退や遅刻に理解があり、仕事と育児の両立は難しくなかったと振り返りました。フリーランスとして働く今は、子連れでクリニックに行くこともあり、周囲の理解がある環境で働いていることを説明しました。水田氏は産休・育休期間について、「追いていかれると思うかもしれないが、後から追いつけばいい」というマインドを持ってほしいと話しました。

 

 

男女の別なく働ける環境であることの周知や、開業支援、女性が得意とする歯科分野のアピールが課題

女性医師が増え活躍するための課題については、大久保氏は、「歯科だけでなく医療全体で男女の別なく働く環境になりつつあるので、その実態を伝えるなどアピールを強化してほしい」と話しました。前畑氏は女性歯科医師の働き方として開業があるが、「開業はハードルが高いと思われがち」と指摘。実際はそうでもないので「経営面について指導や説明をする機会があるとよい」と提案しました。佐藤氏は「マタニティ歯科や小児歯科など女性が活躍しやすい分野があることを知ってもらいたい」と答えました。

 

来たれリケジョ!歯科医師は「チャンスがある」「資格を持つ強みがある」「出産後の復職ができる」「人に喜ばれるやりがいのある」仕事で、女性が生涯を通じて働き成長できる職業

最後に、登壇者の皆さんから、理系への進学を考える女子中高校生に向けたメッセージをいただきました。

大久保氏は「私は大学で研究をしながら、子どもを連れて留学も経験しました。何事も無理ではないかとブレーキをかけずチャンスがあればそれを活かしてほしい。学内で多くの学生さんと触れ合いますが、歯科を学ぶ中でどんどん成長して頼もしくなっていきます。理系の女子中高校生の皆さん、ぜひ歯学部へ来てください」、前畑氏は「女性のあらゆるライフステージにおいて資格を持っていることは強みになります。そして、痛みを持つ人の助けになる歯科医師は、人に喜んでもらえる素晴らしい職業です。理系の女子中高校生の皆さん、どうぞ歯学部へ来てください」、佐藤氏は「歯科医師の仕事は、私がそうであったように子供を産んでも復職できる仕事です。勉強することも多いですが、それによってありがとうと言われて感謝される仕事で、やりがいがあります」と話しました。

水田氏は、3人の女性医師がそれぞれ「仕事と人生を楽しんでいる」と感想を述べました。そして、「私も小児外科医の仕事がとにかく楽しかった。自分が選んだ道が間違っていないと思える」と振り返り、「皆さんには頑張ってほしい」とエールを贈りました。

 

 

【開催概要】

日 時 : 2023年10月31日(火)  14:00~15:45

主 催 : 一般社団法人 日本私立歯科大学協会

内 容 :

<基調講演>

テーマ:「女性歯科医師のキャリア構築と現状~来たれリケジョ!歯学部へ!~」

講師:学校法人福岡学園 理事長 水田 祥代 氏

<パネルトーク>

【コーディネーター】学校法人福岡学園 理事長 水田 祥代 氏

【パネリスト】 東京歯科大学 准教授 大久保 真衣 氏

ナカエ歯科クリニック 院長  前畑 香 氏

フリーランス歯科医師 佐藤 彩乃 氏

 

【ご参考】

一般社団法人 日本私立歯科大学協会について

日本私立歯科大学協会は、昭和51年に社団法人として設立しました。歯科界に対する時代の要請に応えられる有用な歯科医師を養成していくため、全国17校の私立歯科大学・歯学部が全て集まりさまざまな活動を展開しています。また、加盟各校では、私立ならではの自主性と自由さを生かして、それぞれに特色を発揮しながら歯科医学教育を推進しています。

 日本の歯科医学教育は、明治以来、私立学校から始まったもので、現在も歯科医師の約75%が私立大学の出身者であるなど、加盟校は歯科界に大きな役割を果たしてきました。本協会ではこのような経緯を踏まえながら、今後とも歯科医学教育、研究および歯科医療について積極的に情報提供を進めていきます。

 

<加盟校>

日本全国の全ての私立歯科大学・歯学部(15大学17歯学部)が加盟しています。

○北海道医療大学歯学部    ○岩手医科大学歯学部   ○奥羽大学歯学部 

○明海大学歯学部       ○東京歯科大学      ○昭和大学歯学部     

○日本大学歯学部       ○日本大学松戸歯学部   ○日本歯科大学生命歯学部 

○日本歯科大学新潟生命歯学部 ○神奈川歯科大学     ○鶴見大学歯学部

○松本歯科大学        ○朝日大学歯学部     ○愛知学院大学歯学部 

○大阪歯科大学        ○福岡歯科大学

 

【所在地等】 〒102-0074 東京都千代田区九段北4-2-9 私学会館別館第二ビル2階

TEL.03-3265-9068 FAX.03-3265-9069

E-mail:jimkyoku@shikadaikyo.or.jp

URL:https://www.shikadaikyo.or.jp

 

【歯科医師の現状について:日本私立歯科大学協会 櫻井 孝 専務理事 説明概要】

https://www.shikadaikyo.or.jp/wp-content/uploads/presseminer_14_03.pdf



 

         

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