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11日の香港市場概況:ハンセン3.5%安で反落、テンセントは10日続落


11日の香港市場は急落。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比926.70ポイント(3.54%)安の25266.37ポイントと反落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は350.19ポイント(3.35%)安の10092.52ポイントと3日ぶりに反落した。ハンセン指数は約1年5カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいる。売買代金は1397億4400万香港ドルに拡大した(10日の売買代金は862億2100万香港ドル)。

世界株安の連鎖を警戒。米金利の上昇や米中関係の悪化を不安視し、昨夜の米株が急落した軟調地合いを継いだ。アジア株市場でも、日本や韓国、台湾などで主要株価指標が軒並み下げている。米中関係を巡っては、米司法省が10日、産業スパイの疑いがあるとして、国家安全部(中国の情報機関)の高官を訴追したと公表。また、米財務省高官は8日、最近の人民元安を懸念していることを明らかにした。米財務省が来週発表する半期に一度の「為替報告書」で、中国を「為替操作国」に認定する可能性も指摘されている。中国が操作国に認定される事態になれば、米中対立は一段とエスカレートし、外国為替市場も混乱する可能性がある。

ハンセン指数の構成銘柄は全面安の商状。なかでもハイテク関連の下げが目立つ。小型電子部品メーカーの瑞声科技HD(2018/HK)が7.3%安、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が6.8%安、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が6.2%安で引けた。テンセントは10営業日続落し(上場来の最長続落記録を更新)、約1年5カ月ぶりの安値水準に低迷している。

業種別では、本土系不動産の下げが大きい。雅居楽地産HD(3383/HK)が11.8%安、広州富力地産(2777/HK)が10.5%安、碧桂園HD(2007/HK)が7.1%安、首創置業(2868/HK)が7.1%安、恒大地産集団(3333/HK)が6.1%安と値を下げた。足元の販売鈍化に加え、人民元相場の先安観が逆風となっている。不動産各社は、ドル建ての海外起債が多いとされているためだ。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を8営業日連続で元安(=ドル高)方向に設定している。人民元資産の実質目減りも警戒された。

中国の自動車セクターも安い。北京汽車(BAICモーター:1958/HK)が12.8%、長城汽車(2333/HK)が6.4%、広州汽車集団(2238/HK)が6.5%、東風汽車集団(489/HK)が5.7%、吉利汽車HD(175/HK)が6.3%ずつ下落した。各社の月次統計では、吉利汽車や長城汽車、東風汽車などが前年同月比での販売減を公表している。業績不安も強まる状況だ。

本土市場トは3日ぶり急反落。主要指標の上海総合指数は、前日比5.22%安の2583.46ポイントで取引を終えた。指数構成銘柄はほぼ全面安。ハイテク株、資源・素材株、不動産株、消費関連株などに売りが出た。

【亜州IR】




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