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富士ソフト Research Memo(6):2023年12月第2四半期は増収増益


*15:16JST 富士ソフト Research Memo(6):2023年12月第2四半期は増収増益 ■業績動向

1. 2023年 12 月期第2四半期の業績概要
2023年12月期第2四半期連結業績は、売上高で前期比7.2%増の151,480百万円、営業利益で同8.8%増の9,790百万円、経常利益で同2.1%増の10,166百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同3.6%増の6,061百万円と、増収増益となった。売上高は、業務系ソフトウェアで金融業・製造業を中心に各分野向けのインフラ構築・基幹系開発案件等が好調に推移したこと、組込系/制御系で自動車関連のEV・先進分野や機械制御系の産業・家電分野向け開発案件が好調に推移したことにより増収となった。営業利益は体制強化による人件費・採用経費等の増加があったものの、増収及び生産性が改善したことでカバーした。経常利益は為替差益が減少したものの増収により、増益となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は増収及び有形固定資産売却により、増益となった。

2. 事業セグメント別の動向
(1) SI(システムインテグレーション)事業1) 組込系/制御系ソフトウェア売上高は前年同期比6.9%増の38,983百万円、営業利益は同7.9%増の3,253百万円となった。モバイル系及び社会インフラ系は減少傾向となったものの、機械制御分野で産業向けを中心に市況が引き続き半導体製造装置関連分野が好調であったこと、大手メーカーのデジタル家電機器関連分野への投資も継続されたことで手堅い受注を確保し、堅調に推移した。モバイル系及び社会インフラ系の減少要因として、モバイル市場は既に飽和状態に近く、新製品が少なくなっているなど新たなモバイルアプリやデバイスの需要が縮小したことである。関連する開発案件も減少したようだ。モバイルや社会インフラの領域では、一度導入されたシステムやテクノロジーが安定して稼働しているため、急速な変更や更新が必要なケースが減少していることも併せて考えられる。

2) 業務系ソフトウェア売上高は前年同期比12.4%増の49,234百万円、営業利益は同31.8%増の2,803百万円となった。金融業・製造業を中心に各分野向けのインフラ構築・基幹系開発案件等が好調に推移した。富士ソフト<9749>は、クラウド環境の豊富な構築経験を基にクラウド化に対するセキュリティやリスク管理に対して高度な技術力や安全をサポートするあらゆるセキュリティソリューションを有している。この経験と培ったセキュリティソリューションを生かして、クラウド化に慎重な公共機関や金融サービス企業に対しても積極的な営業活動を展開し、ビジネス拡大を図ってきたことが増収の要因である。

金融業や製造業などの企業は、デジタル技術の導入によって業務の効率化や顧客サービスの向上を図るDXを推進しており、これに伴い新たなシステムやアプリケーションの開発が必要とされた。さらに、金融業を中心に顧客情報や取引データのセキュリティを重視する必要があるためシステムの脆弱性対策やセキュリティの強化に関する開発案件が増えた。また、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響によりリモートワークやデジタルサービスの需要が増加し、これに適したシステム開発が必要とされたことなども売上高が増加した要因の1つと考えられる。

(2) プロダクト・サービス1) プロダクト・サービス売上高は前年同期比3.8%増の47,753百万円、営業利益は同0.8%増の2,569百万円となった。他社ライセンス販売及び子会社におけるPOS関連の自社プロダクトが堅調に推移した。他社ライセンス販売は、グローバルベンダーと連携したライセンスビジネス等で、販売が好調に推移した。

2) アウトソーシングアウトソーシングは、海外小売業向けITサービスの減少から、売上高は前年同期比4.4%減の7,180百万円と減収となり、営業利益も、売上高の減収に加え、データセンターにおける電力価格高騰の影響等を受けて、同42.2%減の309百万円の減益となった。

(3) ファシリティ事業売上高は前年同期比9%増の1,461百万円、営業利益は、同28.7%増の480百万円となった。テナントが増加したことを主因に、増収増益となった。

(4) その他の事業売上高は前年同期比10.7%増の6,867百万円、営業利益は同4.9%減の374百万円と、増収減益となった。コールセンターサービス及びBPOサービスともに2022年12月期に開始した年金関連業務が大きく寄与したことにより増収となったが、利益面では受託案件における一過性の原価増により減益となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清野克純) <SO>
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