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富士ソフト Research Memo(9):「企業価値向上委員会」で企業統治検証と経営財務戦略で検討を実施


*14:59JST 富士ソフト Research Memo(9):「企業価値向上委員会」で企業統治検証と経営財務戦略で検討を実施 ■中長期の成長戦略

2. 中期経営計画達成のモニタリング組織を組成
(1) 「企業価値向上委員会」における検討の方向性
富士ソフト<9749>は新中期経営計画を2022年2月に公表して以降、多くの投資家と建設的な対話を行ってきた。そして2022年8月、そこで得られた多角的な見識を活用しステークホルダーに対するさらなる価値向上を推進するために「企業価値向上委員会」を新たに設置した。

客観的視点を確保するため、「企業価値向上委員会」は取締役会出席者に加え外部アドバイザリーにより構成されており、同委員会の下には課題別にワーキンググループ(WG)が設置されている。

企業価値向上委員会における検討の方向性は、中核事業であるICT分野に資源と資本を重点的に投入し、技術進化の取り込みや人財育成により付加価値を創造できるしなやかで効率的な事業構造の構築を推進する。そして、顧客と社会の発展に貢献することで、株主の期待に応える企業価値の最大化を目指すとしている。

(2) 事業検証WGの進捗状況
事業検証WGは、企業価値向上委員会の下部組織で中期経営計画達成のため、事業全般をモニタリングしている組織であり、2023年8月時点において、攻めの経営姿勢を保ちつつ高収益性を確保できる事業体制の実現に向け推進している。最重要KPIとして「社員1人当たり営業利益額」(同社単体)を設定し、5期以内の1人当たり営業利益額を300万円以上(2022年12月期は128万円)を達成することを目標とした。2024年12月期以降の具体的な経営計画については2023年12月末の決算公表時に併せて公表するとしている。

具体的な施策は、事業検証WGが推進する「KPIの改善・適正化」に向けたもので、5つの施策を設定した。1つ目が「顧客への提供価値の向上」であり、内容は、顧客の深耕とクロスビジネス体制の強化について検討することを打ち出している。これまでの顧客との関係をさらに強化するとともに、同社グループ全体で、顧客に付加価値の高いサービスを提供できるよう全社を横断して顧客対応(クロスビジネス)が可能な体制と文化構築を進める。技術力強化は、DX+AIS-CRM+SD+(5)G2に代表される分野に対して、R&D投資等を行い新たな技術分野の力を高め、顧客提供価値を高めるとともに、新たなITソリューションやサービスを構築していく。さらにワンストップでのサービス提供は、組込系/制御系開発、通信技術、業務システム等のノウハウの複合的提供による付加価値向上とともに、上流工程から運用保守、インフラまでワンストップで提供できる体制を構築する。そして、ビジネス基本部分の強化は、顧客との役割分担等、仕事の進め方についても見直し、人工・人月単金での提供価値向上とともに、成果型ビジネスへの展開を進める。一括請負型ビジネスの拡大は、当社が主体的に推進可能な請負案件を増やし、顧客提供価値を上げるとともにパートナー企業活用比率の向上や、社内リソース配置の機動的な最適化を行いやすくするとしている。

2つ目は、パートナー政策の強化の項目である。顧客取引関係の見直しとともに、パートナー政策の高度化により、パートナー企業活用比率の向上、人財確保、生産性向上等を進めていく。生産性向上の項目については、生産性向上を促進する顧客関係の構築・トラブル防止対策のさらなる強化生成系AI、テスト自動化、開発環境・ツールの強化、プロダクトベースの開発、クラウドベースの新たな開発方式の研究等、技術的な革新を促進していく。

3つ目が、生産性向上である。具体的な施策内容は、生産性向上を促進する顧客関係の構築、トラブル防止対策の更なる強化、生成系AI、テスト自動化、開発環境・ツールの強化、プロダクトベースの開発、クラウドベースの新たな開発方式の研究等、技術的な革新を促進していく。

4つ目が販売費の適正化である。具体的な施策は営業活動を指標により可視化し、営業プロセスの見直しとともに、各指標のモニタリングとPDCAサイクルを行うことによる効率化と高度化を推進する。管理費の適正化の項目は2つある。1つ目は業務改革による業務プロセスの可視化及び最適化を推進(2019年から継続している活動の強化)する。2つ目が、業務改革をベースとして基幹システムの刷新やノーコード・ローコード、生成AIの利用等、モダンなシステム実装とDX推進により、業務作業効率の向上と最適化を推進することである。

5つ目が管理費の適正化である。内容は2つある。1つ目は業務改革による業務プロセスの可視化及び最適化を推進(2019年から継続している活動の強化)する。2つ目が、業務改革をベースとして基幹システムの刷新やノーコード・ローコード、生成AIの利用等、モダンなシステム実装とDX推進により、業務作業効率の向上と最適化の推進である。

(3) 不動産検証WGの進捗状況
2023年2月に報告した方向性に沿って流動化プロセスの推進を実施している。鑑定評価を未取得の一部小型物件を除いて時価収益率がハードルレートを下回っていることから、縮小を全体方針としている。 そのうえで各不動産についてはオフィス集約方針や各物件の制約条件等を考慮し、物件ごとに流動化優先度をA~Dの4段階で分類した。A判定物件については、少なくとも1件について年内の流動化と残りの物件について2023年12月期末決算公表前後での流動化完了を目指して流動化プロセスを推進している。B判定物件については、検討を進め、1年以内(2024年8月まで)を目途に実行を目指す。

(4) ガバナンス委員会を再編
企業統治検証WGでは、より客観性や実効性を高めるべく現状のガバナンス体制の検証を実施し、2023年3月に実施した定時株主総会開催後、任意の委員会である経営委員会を、3つの委員会に発展的に機能分化し、客観性と透明性を担保する役割を担っている。同時に、定時株主総会開催後に企業統治検証WGを企業価値向上委員会から分割する形でガバナンス委員会を設置することで、より具体的な検証活動を実施している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清野克純)

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