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rakumo Research Memo(5):SaaS事業の主要KPIはいずれも順調な進捗


*12:25JST rakumo Research Memo(5):SaaS事業の主要KPIはいずれも順調な進捗 ■rakumo<4060>の業績動向

2. 主要KPIの達成状況
SaaS企業の事業状況を把握するため、一般的には(1)MRR(Monthly Recurring Revenue:月間経常収益)、(2)解約率、(3)ユニットエコノミクス、の3つのKPIに注目するケースが多い。

(1) MRR(Monthly Recurring Revenue:月間経常収益)
サブスクリプション型ビジネスは月単位で契約することが一般的のため、毎月定常的に発生する収益を表すMRRを重要なKPI指標のひとつとして活用することが多い。MRRはクライアント数と1社あたり月間利用料金の乗数で計算されるが、まず同社のクライアント数は順調な増加傾向が続いていることが確認できる。具体的には、2021年12月末時点での2,201社に対して、2022年3月末で2,228社(前四半期比26社増)、6月末で2,241社(同13社増)、9月末で2,277社(同36社増)、12月末で2,334社(同57社増)、2023年3月末で2,351社(同17社増)、6月末で2,397社(同46社増)と、特に直近の第2四半期(4-6月)においてはクライアント数の成長率が加速した。また、ユーザーのアカウント数を示すユニークユーザー数についても同様に2021年12月末時点での44.8万人から2022年12月末には50.2万人へと前期比で12.1%増の高成長が続き、その後も2023年3月末時点で51.4万人、6月末時点で53.5万人へと順調な増加が続いている。1社あたり販売額についても2020年12月期の38,883円、2021年12月期の42,395円に対して、2022年12月期は45,627円とこちらも順調に拡大が続いている(半期ベースでの開示はなし)。これはクライアントの成長に伴う追加IDの受注や広範囲な製品ラインナップを背景とした追加サービスの獲得などによるものである。

(2) 解約率
解約率は既存クライアントの離脱状況を示す指標である。同社の解約率の推移をみると、2018年12月期以降、一貫して低い水準での推移となっており、近年は1%未満という極めて低い水準となっている。同社では2021年頃から解約に至るクライアントの解約理由に関しての調査を実施したり、新規クライアントに対しての能動的なサポート体制を強化するなど、解約率を低減するためのカスタマーサクセス施策を実施している。また、業務の基盤ツールとして使用される製品という特性も低解約率につながっているとみられる。2023年12月期上期は0.65%という過去最低水準の解約率で着地している。

(3) ユニットエコノミクス
SaaS企業はユニット単位をクライアントに設定することが多いため、クライアント・製品・店舗などをユニット単位で経済性、または採算性を測定することが重要となる。ユニットエコノミクスを用いると1クライアントあたりの経済性を数値として把握することが可能となる。そのため、もっとコストを投下してでもクライアント数を増やすべきか、それとも収益の改善が必要なのかといった経済合理性の判断を行うことができる。ユニットエコノミクスが適正であれば、クライアント獲得にかけるコストとクライアント獲得後の収益バランスが取れており、事業として健全な状態であるといえる。ユニットエコノミクスはLTV(Life Time Value:クライアント生涯価値=クライアントの平均単価/解約率)をCAC(Customer Acquisition Cost:クライアント獲得単価=クライアント獲得コスト/新規クライアント獲得数)で除して求められるが、同社は前述した通り平均単価上昇と解約率低下が続いており、高いLTVを実現していると見られる。CACについては同社がクライアント獲得コストを開示していないため正確な数値については不明だが、販管費の増加に対して新規クライアント獲得数の増加分が大きいと見られ、CACも低水準に留まっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)

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