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ナガイレーベ Research Memo(5):2021年8月期第2四半期は2ケタ増収増益、計画を上回って着地


■業績動向

1. 2021年8月期第2四半期の連結業績概要
ナガイレーベン<7447>の2021年8月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比14.4%増の8,069百万円、営業利益が同30.8%増の2,275百万円、経常利益が同29.5%増の2,322百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同29.1%増の1,595百万円となった。

市場環境としては、医療現場の状況は完全に回復したとは言えず、引き続き混乱はしているものの、一時期よりは落ち着きを取り戻している。また、政府の対応としては、コロナ禍対策として医療機関等への政府支援(総額3兆円)が実施され、2021年4月からは介護報酬改定+0.70%(うち新型コロナウイルス感染症対応分+0.05%)が行われる予定となっている。薬価基準の引き下げとしては、同年4月から医療費ベースで4,300億円※の削減が実施される予定だ。

※薬価については、今後はパーセント表示ではなく、金額表示で毎年行われる予定。


売上高は、医療現場が一時期よりは落ち着きを取り戻していることもあり、2020年8月期からの期ずれ物件を着実に取り込んだことですべてのアイテムで前年同期比増収となった。同社の製品は消耗品であることから、多少の時期のずれはあっても必ずどこかの時点で需要が出てくるが、今回の結果もその証左と言えるだろう。加えて、厚生労働省向けの特需(感染対策商品)315百万円が上乗せされたことなどから、売上高は前年同期比14.4%増となり、上期実績で過去最高を達成した。なお厚生労働省向けの特需を除いた実質ベースでも同10.0%の増収となった。

利益面では、売上総利益率は46.1%となり前年同期の46.3%から0.2ポイント低下し、売上総利益は前年同期比13.9%増の3,718百万円となった。売上総利益の増減要因としては、販売による要因(売上高増)が471百万円増、生産による要因が16百万円減であった。さらに生産要因の増減分析を行うと、為替レート(2020年8月期第2四半期105.2円/ドル→2021年8月期第2四半期104.6円/ドル)による影響として6百万円増、一部で航空便を利用したことによる海外物流費(売上原価)の上昇による影響25百万円減などによる。また海外生産比率は49.6%となり前年同期と同水準であったことから、売上総利益率への影響はニュートラルであった。

一方で販管費は、引き続き経費削減に努めたことなどから前年同期比5.3%減の1,442百万円となり、計画比でも5.5%減であった。主に広告宣伝費37百万円減、旅費交通費22百万円減などによる。その結果、営業利益は同30.8%増の2,275百万円となった。なお、設備投資額は130百万円(IT設備9百万円、建物関連80百万円、物流設備27百万円、生産設備13百万円)、減価償却費は157百万円となった。

(1) アイテム別売上高
アイテム別売上高は、ヘルスケアウェアが前年同期比7.2%増の4,244百万円、ドクターウェアが同5.7%増の1,122百万円、ユーティリティウェアが同9.2%増の190百万円、患者ウェアが同24.3%増の1,222百万円、手術ウェアが同7.3%増の780百万円、シューズ・他が同2.3%増の149百万円、感染対策商品が359百万円(前年同期比較なし)となった。

ヘルスケアウェア及びドクターウェアにおいては、2020年8月期下期はコロナ禍の影響による医療現場の混乱や営業活動自粛の影響を受けて更新物件に大幅な遅れや買い控えが発生したものの、2021年8月期第2四半期はこれらの期ずれ物件を着実に取り込んだことで大幅増収となった。また注目すべきは、ここ数年減少が続いていたユーティリティウェアについても増収となったことだ。これは、コロナ禍の影響で共用を避けるため需要が増加したものと思われる。また以前から注力していた患者ウェアについても、遅れていた新規取り組みが軌道に乗りはじめ大幅増収となった。手術ウェアについては、2020年8月下期から引き続き、コンペルパックの需要が順調に推移した。感染対策商品は、厚生労働省への大口納入(315百万円)があったことから、全体の売上増に大きく寄与した。

(2) 地域別売上高
地域別売上高は、東日本が前年同期比12.1%増の4,170百万円、中部日本が同14.3%増の822百万円、西日本が同7.2%増の2,684百万円、海外が同27.8%減の77百万円、厚生労働省(全国)が315百万円(前年同期比較なし)となった。

東日本では、2020年8月期からの期ずれ物件を着実に取り込んだことに加え、大型物件の新規獲得により大幅増収となった。中部日本では、更新対象物件を順調に取り込んだことで2ケタ増収となった。西日本においても、期ずれ物件を確実に取り込んだことに加え、患者ウェアの取り組み強化により順調に増収を達成した。海外は、コロナ禍の影響で営業活動が停滞し大幅減収となったものの、金額は小さく全体への影響は軽微である。厚生労働省(全国)は、2021年8月期第1四半期まで納入があり、上期としては315百万円を計上した。

(3) 商品別売上高
商品別売上高は、ハイエンド商品が前年同期比4.1%増の513百万円、高付加価値商品が同7.3%増の4,097百万円、付加価値商品が同16.2%増の2,798百万円、量販品が同3.8%増の345百万円、厚生労働省向けが315百万円(前年同期比較なし)となった。

ハイエンド商品では、新商品(ヘルスケアウェア、ドクターコート)の新商品ラインナップを強化して市場の活性化に注力した。高付加価値商品では、更新物件の確実な受注に向けて更なる機能アップとデザイン性を高めて付加価値向上を目指した。付加価値商品では、2020年8月期からの新商品投入により他社物件を獲得し、量販品からの引き上げ移行を推進した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


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