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アセンテック Research Memo(6):仮想デスクトップへの投資は、引き続き拡大基調が継続(2)


■アセンテック<3565>の今後の見通し

2. 成長に向けた事業戦略
(1) 自社製品拡大に向けた研究開発
自社製品拡大に向けた研究開発として、ソフトウェア型シンクライアント「Resalio Lynx」の開発強化を進めている。この背景には、5Gの普及により業務アプリケーションがクラウドやデータセンターに集約される動きが強まるなかで、セキュリティ対策がさらに重要なテーマとなっていることが挙げられる。また、「働き方改革」を背景とした旺盛なテレワーク需要を取り込むほか、テレワーク社員の増加によって、煩雑化する端末管理から情報システム管理者の業務負担を軽減するニーズにも対応していくことなどを目的としている。「Resalio Lynx」の導入によって、エンドポイントのあり方そのものを変えることができるほか、クラウド上のWindowsアプリケーションを画面転送で処理したり、ブラウザベースのアプリケーション及びファイル処理を安全に行ったりすることが可能となる。

a) 「ゼロトラスト・シンクライアント」OSの研究開発
IT環境が5G+クラウドへと変革していくなかで、仮想デスクトップとゼロトラストネットワークアクセスのハイブリッドで対応し、DXを支えるセキュアクライアント製品「ゼロトラスト・シンクライアント」OSの研究開発を進めている。ゼロトラストとは、「ネットワーク境界の外側だけでなく内側であっても、すべてを信頼しない」という考え方に基づいた先進的なセキュリティモデルを指す。2020年12月にはパルスセキュアとディストリビュータ契約を締結し、パルスセキュアが提供するゼロトラストソリューション「Pulse Zero Trust Access(PZTA)」と組み合わせた新しいエンドポイントシステムの開発を進めていくとしている。

加えて、同社はセキュリティベンダーが提供するZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)に対応したシンクライアントソフトウエアを開発する意向である。ZTNAとは企業ネットワークの内側か外側かに関係なく、全てのアクセスを信頼しないというゼロトラストの考えを基にした最新のセキュリティソリューションとされる。仮想デスクトップ接続に加え、SaaSアクセス端末としても高いセキュリティ機能を実装したゼロトラスト・シンクライアント製品を通してZTNA事業を展開する。

また2020年4月には三菱UFJ銀行が、既存PCをシンクライアント化する同社開発のOS「Resalio Lynx 700」を採用したことを発表している。三菱UFJ銀行は、2010年から業界に先駆けて、仮想デスクトップ及びシンクライアントを活用した大規模システムを構築しており、今回、高いセキュリティレベルを維持しつつ、さらに在宅勤務やテレワークを実現するために、独自の新しいエンドポイントシステム「PAPRIKA(パプリカ)端末」を導入した。高いセキュリティレベルが必須となるメガバンクにおける同社製品の採用により、同社の信頼性の高まりとともに、今後の需要拡大が見込まれると弊社では考えている。

b) 「リモートPCアレイ」の採用が進み案件が大型化
仮想デスクトップ、RPAともに案件の大型化が進んでいる。こうした動きにも対応する「リモートPCアレイ」は、1Uのサーバー筐体に数十台の小型PCを集約するなどして、仮想デスクトップに必要なCPU、メモリ、ストレージ(SSD)、ネットワークスイッチ、マネジメントソフトウェアをワンストップで提供するソリューションであり、これまで仮想デスクトップの導入障壁とされてきたインフラ部分のコスト削減、設計・構築期間を大幅に短縮できるメリットがある。Intel Core i5搭載モデル発表後はナレッジワーカー等対象ユーザーが広がり、案件が大型化している。「リモートPCアレイ100(PC 20台搭載モデル)」は、汎用的な仮想デスクトップ利用に加え、Teams/Zoom等テレワーク環境におけるWebミーティングにも対応。「リモートPCアレイ50(PC 5台搭載モデル)」は、主要なRPA(WinActor、UiPath、Automation Anywhere、アシリレラ等)の利用に適しており、ロボットの処理能力を向上させる。「リモートPCアレイ」の出荷台数においては、2021年1月期は180台増を達成し、2022年1月期においては400台増を目標としている。

(2) 継続収入ビジネスの拡大
更なる利益成長と堅牢な企業基盤を構築するために、同社は継続収入ビジネスの拡大を目指しており、「Resalio Lynx」のサブスクリプション化のほか、自営保守ラインナップの拡大、プレミアムサポート&サービスの拡大、クラウドサービスの展開を掲げている。2022年1月期の継続収入受注ベースで26%増、継続収入売上ベースでは25%増を目標としている。

(3) 事業拡大に向けた戦略的投資
同社は更なる成長を遂げるためには、テクノロジーパートナーとのアライアンス、販売パートナーとのアライアンスの両面での戦略的アライアンスが必要であるとの考えに基づき、仮想デスクトップ事業、クラウドインフラ事業、クラウドサービス事業それぞれの事業拡大を目指し、パートナーとの資本・業務提携等、戦略的投資を実行する計画である。同社の2021年1月期における取り組みは以下の通り。

2021年1月にはAtrust Computer Corp.(以下、エイトラスト)が実施する予定の第三者割当による新株発行を引き受けることを同社と合意し、出資することを決定している。エイトラストは、同社との協同開発製品「リモートPCアレイ」、シンクライアント製品、そしてマネジメントソフトウェア等の開発製造を行っており、重要なテクノロジーパートナーである。エイトラストに資本参加することで関係をさらに強固なものとし、特に「リモートPCアレイ」の今後の新製品開発において、国内の顧客ニーズを製品開発にタイムリーに反映し、競争力のある優位な製品・サービスを提供できると考えている。

2020年12月には米国パルスセキュアとディストリビュータ契約を締結した。パルスセキュアはセキュアアクセスのトップベンダーとして、VPNからゼロトラストソリューションと幅広いセキュリティ製品をグローバルで展開しており、同社は、パルスセキュアの幅広いソリューションを提供することが可能となった。アプリケーションのクラウドシフト及び5Gネットワークの普及とともにSaaSを中心としたクラウド完結型のビジネスワークスタイルへとIT環境が変化するなか、パルスセキュアの製品を次世代のキーテクノロジーと捉え、自社製品「Resalio Lynx」と連携させることで、ゼロトラストトータルソリューションの提供を目指すものである。

2020年9月には、国産RPAソリューション「アシリレラ」提供に向け、パナソニック インフォメーションシステムズ(株)と協業を開始している。(株)アシリレラのRPAソリューション「ロボオペレータ」は、IT知識不要かつシンプルな操作で簡単にロボットを作成できる純国産のデスクトップ型RPAソリューションで、パナソニックインフォメーションシステムズは、在宅勤務やテレワークでも安定的に稼働するRPAとして、「ロボオペレータ」と「リモートPCアレイ」とを組み合わせたソリューションを提供する。RPAを稼働させながら別の作業を行うことが可能なうえ、オフィス勤務の環境下でも、RPA稼働用に別のPCを用意する必要がないことから、省コスト・省スペース効果が期待できる。

同じく2020年9月にGoogle Cloud のパートナー認定を取得し、Google のインフラストラクチャを提供するクラウドサービス群 Google Cloud Platformの取り扱いを開始した。長年Citrix Systemsのディストリビュータとして培ってきた仮想デスクトップの経験やノウハウを生かして、Google Cloud とCitrix Cloudを活用した最適なテレワーク環境を提供することが可能となった。

2020年5月には、テレワーク関連ビジネスを加速する(株)ピー・ビーシステムズと、「働き方改革」を実現するITにおいて、製品・サービスの企画から販売まで、幅広い分野で業務提携している。両社が長年にわたり蓄積した仮想デスクトップに関するノウハウや販売力・技術力に、同社製品である「リモートPCアレイ」、USB型シンクライアント「Resalio Lynx」を付帯させた仮想デスクトップソリューションを企画し、高品質で、安全な仮想デスクトップのトータルソリューションを国内市場へ提供する。また、海外製の優良で汎用的なソフトウェアやITサービスを発掘し、ピー・ビーシステムズが最上位アライアンスパートナーとして国内販売をリードする連携販売スキームを確立している。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)


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