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シンバイオ製薬 Research Memo(4):「リゴセルチブ」の治験結果は主要評価項目で有意差を得られず


■シンバイオ製薬<4582>の開発パイプラインの動向

2. リゴセルチブ(注射剤/経口剤)
「リゴセルチブ」はユニークなマルチキナーゼ阻害作用(がん細胞の増殖、浸潤及び転移に関与する複数のキナーゼを阻害することによりがん細胞を死に至らしめる作用)を有する治療薬候補品で、高リスクの骨髄異形成症候群(以下、MDS)などを適応症とした開発が導入元であるオンコノバを中心に進められている。

このうち、同社も開発プロジェクトに参加した再発・難治性の高リスクMDSを適応症(注射剤)とした国際共同第3相臨床試験のトップラインデータが8月24日にオンコノバから発表された。本試験の主要評価項目である全生存期間に関して、「リゴセルチブ」+最善の支持療法は6.4カ月、医師選択療法+最善の支持療法は6.3カ月(p=0.33)となり、有意差が認められなかったことを明らかにしている。また、安全性に関しても両群間で違いは見られなかった。オンコノバでは同結果を受けて、今後、詳細な解析を行っていく予定にしており、ゲノム解析から得られた知見を新たな開発に生かしていくことになる。

経口剤の開発についてはオンコノバの開発戦略の変更に伴い、高リスクMDSを対象としたプロジェクトの優先順位が下がっていたが、今回の注射剤の治験結果を受けて今後の開発方針について、オンコノバと協議を進めていくことになる。なお、オンコノバでは経口剤の新たな適応症として、進行性KRAS※陽性NSCLC(非小細胞肺がん)を対象とした医師主導の第1/2a相試験を、2020年6月から開始したことを発表している。前臨床試験により免疫チェックポイント阻害剤との併用による有効性が示唆されたためだ。

※KRASとはがん遺伝子の1つであり、通常はKRAS遺伝子が細胞の増殖を制御しているが、KRAS遺伝子に変異が生じると、「細胞を増殖せよ」というシグナルが出され続け、がん細胞の増殖が活性化され続けることになる。大腸がんや肺がんなどでKRAS遺伝子変異に起因する患者が一定割合いることが知られている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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