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今週のマーケット展望「日銀の金融政策決定会合が注目イベント」~マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆氏(高井ひろえ)


こんにちは、フィスコマーケットレポーター高井ひろえの「マネックス証券の気になるレポート」です。先週発表された2月の雇用統計は、市場コンセンサスを大きく下回り、2017年9月以来の小幅な伸びとなりました。今週は、14日~15日に日銀金融政策決定会合が開催されます。引き続き、注目していきましょう。さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、3月11日に配信されました。その中から今回は、同証券のチーフ・ストラテジスト、広木隆氏のレポート「今週のマーケット展望」の内容をご紹介いたします。

まず広木さんは、自身の雇用統計レポートについて振り返り、『雇用統計のプレビューレポートで、「再び、景気減速に対する懸念が市場の重石として浮上しているタイミングだけに、今回はNFP(非農業部門の雇用者数)の下振れをいつもよりも慎重に警戒したい」と述べた途端に、NFPは急減した』と伝えており、『悪い予感は的中したが、その後のマーケットの反応は予想外だった』と述べています。

米国のダウ平均については、『22ドル安の2万5450ドルと2月14日以来ほぼ3週ぶりの安値で終えたが、朝方は一時220ドル安まで売られた場面があったことを考えると上出来である。ダウ平均は下げ渋り、午後からはほぼ一本調子に戻り、この日の高値圏で終えた』と解説。

続けて、『世界景気減速懸念とメディアが騒ぎ立てるなか、NFPの急減に見舞われても、その下げをチャンスと捉えた押し目買いが入って下げを埋めて終える。こうした成熟したマーケットの振る舞いを見せられると、一方的に売り崩される日本株に比べて、投資家の層の厚みが違うことを歴然と思い知らされる』との見解を伝えています。

2月の雇用統計については、『NFPが前月比2万人増と前月の31万強から急減し、18万人増を見込んでいた市場のコンセンサスも大きく下回った。ハリケーンに襲われた2017年9月以来の小さい伸びだった』と伝えており、『悪天候の影響もあったのだろうが、僕は政府機関閉鎖の影響で統計に歪みが出ているのだろうと思う』と分析しています。

加えて、『だから米国株の投資家は、ぶれやすいNFPを無視して、前月から失業率が0.2%低下したことと、前年同月比3.4%増と約10年ぶりの高い伸びとなった平均時給を重視したのであろう』と考察しており、総論として『2月の雇用統計は労働市場の堅調さが継続していることが伺える内容だった。米国株はそれを評価しての下げ渋りであった。景気減速懸念などというメディアの偏重報道など、どこ吹く風である』とまとめています。

そして、米国株が小幅安で終えたことは、『週明けの東京市場にポジティブに働くだろう』としています。

今週注目されるイベントは、14日~15日に開催される日銀金融政策決定会合であるとして、『金融政策は現状維持の一方、輸出や生産など個別の景気認識を引き下げる方向で検討していると報じられている。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを停止したのに続き、欧州中央銀行(ECB)も年内の政策金利引き上げを断念した直後の決定会合だけに、日銀の手詰まり感がクローズアップされて円高に動くことがリスクだ』と指摘しています。

続けて、『あるいはマーケットが円高に動いて、日銀に催促するか。米国株急落がFRBに、ユーロ安がECBに、催促したのと同じように。黒田総裁の会見が見物だが、残念ながら市場がクローズした後である』と述べています。

海外で注目される材料として、まず米国では『11日に発表される1月の小売売上高』を挙げており、『予想に反し、9年ぶりの悪化となった12月統計の反動が出るか注目したい。しかし、1月分にも政府機関閉鎖の影響がまだ残ることが考えられる』と考察しています。

中国では、14日に鉱工業生産や小売売上などが発表されることに言及し、『春節時の中国の統計は歪むので額面通りに受け止めないことが肝要だが、日本株市場はニュースのヘッドラインだけで売り仕掛けてくる確信犯的投機筋(含むアルゴ)にまんまと売り崩される脆弱なマーケットだけに要注意である』と指摘しています。

ただし、『米中通商協議が米中首脳会談という最終章へと向かっており、ニュースフローとしてはポジティブなものが出やすいことにも留意したい』として、『ここまで下げているだけに、アップサイド・サプライズのほうが大きく相場を動かすだろう』と示唆しています。今週の予想レンジについては、『2万1000円~2万1700円』としています。

高井ひろえの「気になるレポート」はマネックス証券の「メールマガジン新潮流」に掲載されたレポートを高井ひろえの見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合があります。詳細は発行人のレポートをご確認くださいね。

フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ




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