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NYの視点:パウエル議長講演待ち、FOMC議事要旨への期待は後退


連邦準備制度理事会(FRB)は今週、11月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表する予定となっている。10月インフレ改善で一部では、議事要旨の中で、2023年の利上げペース減速の協議活発化が明らかになる可能性を指摘している。

その一方で、議事要旨からは明確な兆候が見られないとの指摘もある。市場の注目は議事要旨から、11月30日に予定されているパウエル議長のブルッキング研究所でのイベントでの発言に移行した。議長はこの討論会で経済見通しや労働市場に関し議論する予定となっている。

11月FOMCでは4会合連続で0.75%の利上げを決定。声明では利上げペース減速へ選択肢を拡大した。しかし、その後の会見で、議長はインフレが高過ぎると強調。利上げ継続する必要性を主張した。また、利上げ不足よりも行き過ぎた利上げの方がリスクが少ないと見ていることも明らかにした。FRBの大幅な利上げによる世界経済やドルへの影響を認識しながらも、ドルの強さは各国と比較して米国経済が強い証拠と、言及するなど、リスクとしては見ていない。インフレを2%目標値に低下させることがFRBの最優先課題だと強調し、利上げ減速の思惑を一蹴した。

この討論会で、経済見通しや労働市場を巡り議長の考えが依然、大幅な利上げにもかかわらず景気後退を回避でき、たとえ、景気後退に陥ったとしても深刻なものではなく、労働市場も依然ひっ迫しているとの考えが再表明された場合、来年の利上げ継続を織り込むドル買いが強まる可能性がある。

短期金融市場ではFRBの最終的な利上げの到達点が5.1%前後と見ている。クリーブランド連銀のメスター総裁は市場の見通しが全く外れているとは思わないと指摘している。

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