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コラム【アナリスト夜話】:超伝導リニアとハイパーループ(マネックス証券チーフ・アナリスト大槻奈那)


リニア新幹線とは超伝導と磁気の技術を使った高速鉄道で、10年後に品川—名古屋間が開業します。ゴム車輪で走り始めた後、磁気の力で車体を地上から10センチほど浮かせて加速、今の新幹線の倍にあたる時速500キロに達します。再び減速してゴム車輪走行に戻る瞬間は、まるで飛行機の“着陸”の感覚でした。

私の小学校の教科書に、未来の山手線のアイデアが掲載されていました。これは、丸く繋がった山手線がノンストップで線路を回り続け、乗客は、回転する円盤状のホームから、電車に乗り移る、というものでした。

かなり突飛な話で、いまや覚えている人も殆どいないようです。しかし、磁気で車体を浮かせて走らせる超伝導リニア技術など、「円形山手線」以上に夢物語のように聞こえます。それを現実の世界で見て、日本の技術応用力と開発の熱意に感動しました。

現在、次の輸送技術として注目されているのは、テスラCEOのイーロン・マスクが考案している「ハイパーループ」です。貨物や人を載せた“ポッド”が、真空に近いチューブの中を、飛行機すら追い抜く時速1,000キロ以上で疾走するというものです。技術的には実現可能なようで、2週間前、韓国政府が開発を発表しています。但しポッドの輸送力の問題や規制、路線の買収など、まだ課題も多いと言われています。

53年前、日本は世界初の高速鉄道を開業しました。しかし、その後スピードでは一部の国に抜かれていますし、多様な発案力も米国主導の感が否めません。

そのような中で、日本がリニアを世界に先駆けて実用化することで、技術の応用力の高さを世界に示して欲しいものです。その経済効果もさることながら、これを見た子供や若者たちが、ハイパーループを超える新たな技術の開発に目覚めてくれれば、何よりの成果だと思います。

マネックス証券チーフ・アナリスト大槻奈那
(出所:7/31配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)



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