シカゴ先物にサヤ寄せする形からやや売り優勢の展開となりそうだが、29500円処での底堅さは意識されやすく、一方で5日線辺りが心理的な上値抵抗線になりそうである。そのため、基本的には前日終値水準の29700円処を中心に29500円~29800円辺りでのこう着感の強い相場展開が続くことになろう。ただし、米国市場は主要な株価指数はいずれも小動きであり、ナスダックは下落とはなったもののSOX指数は小幅に上昇しており、半導体関連株も相対的にしっかりだった。VIX指数は17.16と直近の安値を下回っていることもあり、リスク選好の流れは継続。こう着感の強い展開としても、5日線レベルを意識したリバウンド狙いの流れも期待されるところ。
なお、東京都の小池知事は昨夕、新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」について、国への適用要請に向け準備を進める考えを明らかにした。政府は要請があれば週内にも適用の可否を判断する方針とされているため、関連する報道次第ではアルゴ発動による売り仕掛け的な動きを見せてくる可能性はある。仕掛け的な動きを警戒しつつ、押し目狙いのスタンスになりそうだ。
物色の流れとしては、昨日はNT倍率の低下が目立っており、バリューローテーションの流れが継続するかを見極めたいところ。一方で、グロースについても指数インパクトの大きい値がさ株などはまちまちだったこともあり、物色対象がシフトしたというよりは、リバランスの範囲内。また、足元で調整が続いているファーストリテ<9983>の決算を控えており、ショートカバーが見られるか注目される。そのほか、下値の堅さが意識されている面もあり、マザーズ銘柄など中小型株への値ごろ感からの買いも意識されよう。
<AK>
情報提供元:FISCO
記事名:「こう着感の強い展開としてもリスク選好の流れは継続」