国家ブランドランキングで日本は初の第2位。アメリカは今回もトップ5圏外
- 2018年10月29日 16:00:00
- マネー
- Dream News
10月25日、ニューヨーク/ロンドン ― 国家のブランド力を測定するアンホルト国家ブランド指数(NBI)2018年調査で、日本は初の第2位となりました。トップはドイツが維持、3位イギリスは順位を維持、フランスは4位に順位を下げました。日本の躍進の要因は「国民」と「統治」の分野で評価が伸びたことです。冬季オリンピックやFIFAワールドカップの開催国である韓国とロシアでは国のイメージがアップし、特に韓国はそれが顕著に表れています。アメリカは変化なく、6位を維持しています。
【画像 http://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000183766&id=bodyimage1】
イプソスが提供する「アンホルト国家ブランド指数(NBI)」は、昨年は上位5カ国のランキングに大きな変化が見られましたが、2018年の調査結果では、安定している国、変化する国が入り混じりました。ドイツはランキング第1位を維持し、日本は第2位に躍進しています。イギリスは3位に安定、フランスは昨年の2位から4位に順位を2つ下げています。アメリカは、イタリアと並び6位となっています。
ドイツはトップを維持
ドイツは2008年、2014年、2017年に続いて再度、調査対象50カ国中の第1位となりました。ドイツの優位性は、複数の分野で一貫して強いということです。ドイツは4つのカテゴリーで上位4位にランクされています。一貫した強みは「輸出」(世界の人々が「メイド・イン・ドイツ」の製品を購入に最適と考えている)と「移住・投資」にありますが、サブカテゴリーである「文化と伝統」でも強さを見せています。中国の人々はドイツの「輸出」、「統治」、「国民」、「移住・投資」を高く評価しています(中国ではすべて1位を獲得)。
アメリカは引き続き地位を失う
調査対象50カ国のうち、アメリカは2018年のNBI総合ランキングで昨年と変わらず第6位(イタリアと同順位)となりましたが、NBI総合スコアは大幅に低下しました。アメリカのブランドイメージは「統治」、「文化」、「国民」の分野で低下し、それぞれ順位を3つ下げました。カナダと中国でのイメージ低下が要因となっています。メキシコ人のアメリカに対する評価は相変わらず低いままですが、昨年よりは改善しました。とはいうものの、アメリカは「文化」(5位)、「輸出」(2位)、「移住・投資」(5位)の分野では、トップ5にランクインしています。
日本は「統治」「国民」で伸びる
日本の国家イメージは「輸出」(1位)と「国民」(5位、昨年から3ランクアップ)にかかっています。日本は「文化」(7位)、「観光」(7位)、「移住・投資」(9位)でトップ10にランクインしています。唯一、日本がトップ10入りできなかったカテゴリーは「統治」(12位)ですが、伸びを見せた分野でもあり、昨年から2つ順位が上昇しました。日本の総合ランキングでの躍進はスコアの上昇によるものではなく、ブランドイメージの一貫性によるものだと考えられます。日本の総合スコアは南アフリカ(+2.84)、ポーランド(+2.68)、フランス(+2.45)の人々の認識が向上したことで伸びました。しかしこれらのスコアの上昇は目立ったものではありません。ほとんどの国がこの1年でスコアを下げる中、日本は総合NBIスコアの低下を最小限に食い止めました (-0.08)。
イギリス: 変化にも関わらず安定した動き
イギリスはNBIで最も安定した上位ランクの国で、EU離脱による不安定な状態にも関わらず、過去3年間にわたり総合ランキングでトップ3にランクインしています。イギリスは「観光」を含む4カテゴリーでトップ4にランクインしています。「観光」は競争の激しいカテゴリーですが、イギリスはイタリア、フランス、スペインには及ばないものの、ギリシャよりは優位となっています。
オリンピックとワールドカップの開催国が伸びる
スポーツの大イベントは、グローバルな場面で開催国のイメージを強化する可能性を秘めています。2018年の冬季オリンピックの開催国である韓国は、NBI総合スコアで堅調に推移し、総合ランキングで3つ順位を上げました。また、FIFAワールドカップ開催国ロシアは、総合指数においてよりゆるやかに上昇し、順位は上がらなかったものの、サブカテゴリーの「国民」と「観光」で大幅な伸びを見せました。
■ ■ ■ 本調査について ■ ■ ■
イプソスが2018年10月10日買収したGfKソーシャル&ストラテジックリサーチ部門は、18歳以上の20,224人を対象に20カ国をパネルにしてオンライン調査を実施。2018年の各国のオンライン人口の属性(年齢、性別、教育)にあわせてウエイトバックした。また、アメリカ、イギリス、南アフリカ、インド、ブラジルでは、人種・民族を考慮した。実査期間は2018年7月7日~25日。
調査対象となった50カ国は以下のとおり(地域別に記載)。
北米:カナダ、アメリカ
西ヨーロッパ:オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、オランダ、アイルランド、アイルランド、イタリア、北アイルランド、ノルウェー、スコットランド、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス
中央・東ヨーロッパ:クロアチア*、チェコ、ハンガリー、ポーランド、ロシア、トルコ、ウクライナ
アジア・パシフィック:オーストラリア、中国、インド、インドネシア、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾、タイ
ラテンアメリカ・カリブ海:アルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、ジャマイカ*、メキシコ、ペルー
中東・アフリカ:エジプト、ケニヤ、ナイジェリア、カタール、サウジアラビア、南アフリカ、アラブ首長国連邦
*2018年調査では、クロアチア、ジャマイカが新しく対象に加わり、エクアドル、ボツワナが対象から外れた。
■ ■ ■ イプソスについて ■ ■ ■
1975年創業。イプソスはリサーチのプロフェッショナルが経営する世界第3位のグローバル市場調査会社です。
世界89カ国の拠点では、16,000人以上のスタッフが、5,000を越えるクライアントにサービスを提供しています。年間の調査プロジェクト数は10万件以上、実施インタビュー数は7,000万件以上に上ります。
GreenBook Research Industry Trend Report 2017で最もイノベイティブなリサーチ会社の第2位に選ばれました。
Ipsos in Japan ホームページ: https://www.ipsos.com/ja-jp
本件についてのお問い合わせ:
イプソス株式会社 マーケティング&コミュニケーション担当
TEL: 03-6867-8001 Email: japan.info@ipsos.com
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