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「骨をうずめる覚悟」 ウクライナで支援続ける男性 福島で報告会


 ロシアが侵攻したウクライナ東部のハリコフ市で無料の食堂を運営する土子(つちこ)文則(ふみのり)さん(75)が7日、支援者のいる福島県南相馬市で報告会を開いた。侵攻直後から食糧支援などを続けていることが評価され、ゼレンスキー大統領に表彰された土子さん。6月からは、満足な教育の受けられない子どもたちに本を届ける「子ども図書館」を新たに始めることを明らかにした。

 東京都出身の土子さんはロシアの侵攻開始後の2022年3月末、移住予定だったポーランドからウクライナに入国。6月にハリコフ入りし、地下鉄に退避する200人近い市民と衣食住を共にしながら、身銭を切って食糧や日用品を購入して提供する活動を始めた。英語が通じない住民も多く、スマートフォンの翻訳機能を使いコミュニケーションを取ってきた。

 SNS(ネット交流サービス)で窮状を訴えながら日本を中心に寄付を募り、23年4月には市民スタッフと無料の食堂「FuMi Caffe(フミ・カフェ)」をオープン。ほぼ無休で1日1200食を提供し、現在は職を失った料理人ら11人を有給で雇用。砲撃を恐れて外出が難しい家庭にも直接食糧を届ける。

 支援者の中に子どもも160人ほどいる。校舎は多くが爆撃され、オンライン授業が続く。「少しでも教育環境を良くしたい」としてウクライナ語や英語の絵本や児童書、漫画などを集め、6月から市内の集合住宅などを回る移動図書館を始めるという。

 ウクライナ第2の都市のハリコフは、ロシア国境から約30キロの距離で常に砲撃の危険性がある。一時帰国中の土子さんは「ウクライナに骨をうずめる覚悟で活動を続ける」と語った。

 南相馬市では、東京電力福島第1原発事故を機に、チェルノブイリ原発事故の被災者らウクライナの人との交流を続けてきた。地元の腕時計メーカー「フクシマウォッチカンパニー」はロシアの侵攻後にウクライナカラーの腕時計を発売し、売り上げの一部を土子さんに寄付するなど活動を支えてきた。代表の平岡雅康さんは(45)は「今後も土子さんと連携し、ハリコフの人が作った商品を小高区で売るといった取り組みも始められたら」と話した。【尾崎修二】

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