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拳でテーブルたたき「集団虐殺だ」 ブラジル大統領、ガザ侵攻批判


 南米ブラジルのルラ大統領が4月30日、毎日新聞など日本メディアのインタビューに応じた。ルラ氏はロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘を巡り、和平の実現には「対話と交渉」が必要だと強調。「世界の存亡は我々の手にかかっている」と述べ、グローバルサウス(南半球を中心とする新興国・途上国)の代表格として国際情勢への関与を強めることに意欲を示した。

 ブラジルは今年の主要20カ国・地域(G20)の議長国で、11月には首脳会議がリオデジャネイロで行われる予定だ。岸田文雄首相が5月3日にブラジルを訪問し、首脳会談が行われるのを前に首都ブラジリアでインタビューに応じた。

 ブラジルはロシアによるウクライナ侵攻は国際法違反だと非難しつつ、欧米主導の対露制裁やウクライナへの武器供与に反対の立場をとってきた。ルラ氏は、ロシアもウクライナも「自分たちが勝利すると思っているが、この戦争に勝者はいない」と指摘。「紛争国が交渉を望めば、いつでも仲介役を申し出る」と述べ、以前から表明してきた仲介役になることに改めて意欲を示した。

 パレスチナ自治区ガザ地区を巡っては「戦争を続けたいのは、イスラエル軍とハマスだ」との見方を示した。その上で、戦闘開始のきっかけとなった昨年10月のハマスの越境攻撃を「テロ攻撃だ」と批判する一方で、その後のイスラエル軍によるガザ地区侵攻では「女性や子どもに多数の犠牲者が出ている」と強調。拳でテーブルをたたきながら「これはジェノサイド(集団虐殺)だ」と語気を強めた。

 また、「現在の国連は非効率の象徴だ」と指摘し、ウクライナ侵攻やガザ情勢をめぐり、国連が十分に役割を果たしていないとの認識を強調した。国連安全保障理事会の常任理事国に与えられた拒否権は「なくすべきだ」と述べるとともに、以前から主張する安保理の常任理事国拡大を改めて訴えた。

 ルラ氏は岸田氏との首脳会談を前に「経済分野を中心に両国関係を強化したい」と述べた。ブラジルなどによる「南米南部共同市場(メルコスル)」と日本との経済連携協定(EPA)の締結に意欲を示し、「ここ数年で落ち込んだ貿易額を増やしたい」と語った。メルコスルとのEPA締結を巡っては、日本の経済界が強く要望している。

 また、自身が重視する熱帯雨林アマゾンの保護や破壊された森林の再生に向けて「日本とパートナー関係を築きたい」と期待を示した。推定約200万人の日系人社会にも言及し「ブラジルの発展のために尽力してくれたことに感謝している」と述べた。【ブラジリア中村聡也】

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