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鞆の浦に星野リゾート 公募で優先交渉権 地元は進出に期待 広島


 広島県福山市鞆町の仙酔島(せんすいじま)の国民宿舎跡地の開発について、宿泊施設を全国で運営する星野リゾート(長野県軽井沢町)が優先交渉権を得たことがわかった。経済界や観光関係者からは「地元と共存し、活性化につながってほしい」と進出へ期待が高まっている。【関東晋慈】

 仙酔島は鞆の浦に浮かぶ周囲約6キロ、福山市営渡船で5分の無人島。「仙人が酔うほど美しい島」というのが名前の由来とされる。江戸時代に日本を訪れた朝鮮通信使が、対岸の福禅寺(ふくぜんじ)対潮楼(たいちょうろう)から眺めて「日東第一形勝(日本で一番美しい景勝地)」と称賛した。1934年に日本初の国立公園となった「瀬戸内海国立公園」を代表する景勝地の一つだ。

 国民宿舎は60年に開業し、老朽化のため2021年に営業を終了した。所有する市は23年9月から、跡地の再整備と活用策の提案を公募していた。

 市の関係者によると、数社が23年10月の現地説明会に参加。12月までに星野リゾートだけが参加表明し、24年3月8日に企画提案書によるプレゼンテーションを実施した。市観光戦略課によると、施設建設や事業運営に対する評価(200点満点)で184・1点の高い評価を得て優先交渉権者に決まった。

 開発の対象となるのは、国民宿舎跡地約3000平方メートルと県所有のキャンプ場や砂浜約1万7000平方メートルの計約2万平方メートル。市側が求めるコンセプトは「鞆ならではの歴史と自然が体験できる島」、メインターゲットは「高付加価値を求める観光客」「日本らしさを求める訪日外国人」「地域の魅力を満喫したい市民」とした。

 進出が決まれば県内初の星野リゾートの施設となる。福山商工会議所の幹部は「星野リゾートなら特別感が期待できる。地元のホテルと客層がかぶらない価格帯になるといい」と歓迎する。

 地元の観光関係者は「3年ほどかけて採算性などを検討したい意向と聞く。進出となれば鞆のブランド力が上がるのは間違いない。1人1泊8万円ぐらいの高付加価値ホテルが理想ではないか」と期待を寄せる。

 市は当初、3月末に基本協定を締結し、事業者名を公表する予定だったが、「良い意味で想定と違う角度からの提案があった」として調整を続けている。

 国民宿舎の建物はすでに市によって取り壊しが始まっており、開業は早ければ26年度中の見通しという。

 同社は取材に「現段階で話せる内容がなく、コメントは控える」と回答。枝広直幹市長は記者会見で「鞆の浦のにぎわい再生を担ってもらいたい。事業概要の公表は6月ごろになるだろう」と述べた。

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