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国際刑事裁判所、戦争犯罪を捜査か ガザの病院関係者から事情聴取


 ロイター通信は29日、国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)の検察官がパレスチナ自治区ガザ地区の北部ガザ市のシファ病院と南部ハンユニスのナセル病院の関係者から事情聴取をしたと報じた。ICCがガザ地区におけるイスラエルの戦争犯罪について捜査している可能性がある。

 イスラエルメディアでは、ICCがネタニヤフ首相らに逮捕状を発行する可能性が取り沙汰されており、ネタニヤフ首相は26日、ICCのいかなる動きもイスラエルの行動には影響しないとしつつ「兵士や公人を脅かす危険な前例となる」とけん制した。

 ICCの検察官が、ガザ地区での戦争犯罪の可能性について、医療関係者に事情聴取したことが明らかになるのは初めて。

 ナセル病院では「集団墓地」が見つかり、これまでに400人近くの遺体が回収された。ガザ当局はイスラエル軍が病院を標的に攻撃を行い、ブルドーザーで遺体を埋めて犯罪を隠蔽(いんぺい)したと非難。イスラエル軍は虐殺行為を否定している。集団墓地はシファ病院でも見つかったと伝えられている。

 ICCは2021年、パレスチナ自治区での戦争犯罪についてICCの管轄権が及ぶと表明し、イスラエルによる戦争犯罪容疑について捜査を開始。ICCのカーン主任検察官は、昨年10月のイスラエルとイスラム組織ハマスの大規模な戦闘開始後、双方の戦争犯罪行為についても捜査の対象になるとの考えを示していた。

 ICCは戦争犯罪などを扱う常設機関。大量虐殺や人道に対する罪などに関わった個人を国際法に基づき訴追、処罰する機関で、裁判官や検察官がいる。日本やパレスチナを含む120カ国以上の国・地域が加盟するが、米国、ロシア、中国の他、イスラエルは参加していない。【エルサレム松岡大地】

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