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バイデン氏「人食い人種」発言、パプア首相が反発「いわれはない」


 バイデン米大統領が、第二次世界大戦中にニューギニア島付近で行方不明になった米軍人のおじについて、現地の「人食い人種」に食べられたととれる発言をしたことが波紋を広げている。AP通信によると、パプアニューギニアのマラペ首相は「我が国がそのようなレッテルを貼られるいわれはない」と反発した。

 バイデン氏は今月17日に東部ペンシルベニア州で、戦時中に行方不明になった兵士らの記念碑を訪れた。その後の演説で「おじは米軍機に搭乗中、ニューギニアで撃墜された。遺体は発見されなかった。当時その地域には多くの人食い人種がいたからだ」と発言した。

 これに対して、マラペ氏は21日の声明で「バイデン氏はおじが人食い人種に食べられたと示唆したようだが、失言だろう。米国には第二次大戦の残骸の除去や遺骨の回収を進めるよう求める。そうすれば、バイデン氏のおじに関する真実が示されるだろう」と述べた。

 国防総省の記録によると、バイデン氏のおじが乗った米軍機は1944年5月に、ニューギニア北方沖で不時着した。原因は不明で、乗っていた4人のうち1人が救助されたが、おじを含む3人は行方不明になった。当時、バイデン氏は1歳半だった。

 バイデン政権は太平洋島しょ国との外交に力を入れており、パプアニューギニアとは防衛協定を結ぶなど関係強化を進めてきた経緯がある。【ワシントン秋山信一】

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