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パレスチナ国連加盟否決 高まっていた機運、「最大の同盟国」が拒否


 国連安全保障理事会は18日、パレスチナの国連への正式加盟を勧告する決議案を米国の拒否権行使で否決した。「パレスチナを国家として認めることは、この地域の平和にとって重要な柱となる」。パレスチナ自治政府のアブアムル特別代表は採決に先立ち、決議案に賛成するように理事国に迫った。

 ガザ地区を支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘は、既に開始から半年が経過し、3万3000人以上が犠牲になっている。パレスチナの人道危機に世界の注目が集まる中、パレスチナとしては国連の場を使い、長年頓挫している中東和平問題への関心を高める狙いもあった。

 1月には英国のキャメロン外相がパレスチナ国家を正式に認める時期を前倒しする準備があることを示唆。3月にはスペインやアイルランドなど4カ国の首相が、ブリュッセルでの欧州連合理事会の会合に合わせて「平和と安定を達成する唯一の方法は、イスラエルとパレスチナが共存する2国家解決を通じてであることで合意した」との共同声明を発表し、機運は高まっていた。

 しかし、イスラエルの最大の同盟国である常任理事国の米国は「最善かつ持続的な解決方法は、当事者間の直接交渉だ」(カービー大統領補佐官)とイスラエルを擁護する従来の立場を崩さなかった。イスラエルのエルダン国連大使は決議案を「テロリストであるハマスへの賛美だ」と非難した。

 ガザ地区の戦後統治を巡っては課題が山積している。ハマスと自治政府の主流派ファタハとの対立は解消しておらず、イスラエルのネタニヤフ首相も戦後は軍がガザ地区の治安を管理すると主張している。米国は自治政府が担うべきだとの認識を示しているが、汚職や国際法違反とされるヨルダン川西岸などでの入植地拡大に歯止めをかけられない自治政府へのパレスチナ市民の支持は低い。

 ただ、ガザ地区で深刻な人道危機が続く中、国際社会ではイスラエルや米国への批判も高まっている。【エルサレム松岡大地】

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