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天然秋田杉ふんだんに…旧木造校舎解体に異議 「文化財級」評価も


 高級建材「天然秋田杉」の集散地としてかつて栄えた秋田県能代市で、貴重な秋田杉をふんだんに使った木造の旧校舎を解体する市の方針に異論が巻き起こっている。築90年を過ぎた旧校舎に文化財的な価値を見いだし、保存を求める署名簿を市に提出する動きもあり、地元ではにわかに関心を集める。

 能代市二ツ井町で2008年に閉校した旧仁鮒(にぶな)小校舎。戦後、活発だった天然秋田杉の筏(いかだ)流しがあった米代川に近く、童謡「浜辺の歌」や「かなりや」などを手掛けた秋田県出身の作曲家、成田為三(1893~1945年)の母校としても知られる。

 1929年に建てられた校舎は、建築の専門家の間でも「木のぬくもりが伝わるデザインで、文化財級の建造物」との評価があるという。秋田県八峰町を拠点に世界自然遺産・白神山地の生き物などを撮影した写真家、江川正幸さん(22年9月、68歳で死去)をはじめ、地元では以前から校舎の保存を訴える声もあった。

 しかし、閉校後も有効活用されないまま老朽化が進み、管理に頭を悩ませていた能代市教育委員会は校舎解体を決め、引き続き活用する方針の体育館を除く解体費4985万円を盛り込んだ24年度当初予算案が3月定例市議会で可決された。

 こうした動きの一方、旧校舎の保存を求める署名集めも本格化した。住民らでつくる「旧仁鮒小学校を愛する会」(吉岡和男代表)は地元で署名活動を行った。また江川さんの活動を継承する一般社団法人「白神山地アートミュージアム」(秋田県にかほ市、山下友宏代表)もインターネットなどを通じて署名を集め、3~4月に計9028筆の署名を、要望書とともに市に提出した。

 要望書では「文化財としての価値の調査や、地域住民、卒業生らの意見を踏まえ、利活用に向け検討してほしい」と、市側との話し合いを求めている。山下代表は「校舎は後世に残すべき宝だ」と訴え、市教委の荒川幸代・教育総務課長は「要望は市長に報告したい」と述べた。【田村彦志】

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