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住みついて約15年、まるで「トトロ」 新潟県立図書館のトラフズク


 新潟県立図書館(新潟市)の入り口付近にある常緑樹「シラカシ」の木は、長年トラフズクの住みかになっている。ふっくらとしたその姿はアニメ映画「となりのトトロ」に登場するトトロにそっくりだ。今年の冬も茂った木の葉に身を潜め、春の訪れを待っている。【内田帆ノ佳】

 トラフズクはフクロウ科で、体長35~40センチ。褐色や黒褐色のしま模様が特徴的で、ウサギの耳のように伸びた「羽角」と呼ばれる飾り羽を立たせ、警戒すると体を細長く縮める。夜行性で日中はほとんど動かない。

 鳥類調査を行う川崎公夫さん(55)=長野県=によると、関東圏では埼玉など4県にまたがる「渡良瀬遊水地」など人里離れた場所で生息が確認されているという。川崎さんは同館前のトラフズクについて、「街中で見られるのは珍しい。適度に人通りがあり、カラスに狙われにくいからではないか」と分析する。

 11日早朝に訪れると、3羽が羽を休めていた。外敵から身を守るために木の枝に擬態しており、探しづらく、目を離すとすぐにその姿を見失ってしまう。カメラのレンズを向けると、こちらを大きな目で追いかけ、じっと様子をうかがっていた。しばらくすると警戒を解いたのか、目を閉じて休息。愛くるしい姿を見せてくれた。

 地元住民をはじめ、全国各地から野鳥愛好家が訪れるスポットとなっているが、他都府県では絶滅危惧種に指定されるなど数の減少が懸念されている。鳥屋野潟公園の女池地区で清掃を担当して9年目になる村田敬子さん(79)は「今年は少ない。だんだんと減ってきた」と心配そうに見上げた。

 同館によると、20年以上前から周辺で目撃情報があり、職員が2009年10月に発見した。最大12羽がすみついていた時期もあり、春に木を離れると秋には子連れで戻ってくることも。以降、同館の利用カードにはフクロウをモチーフにした布絵作家のヤマヤアキコさんの作品を採用。今では同館の「PR大使」だ。有本教子副館長(54)は「フクロウが気持ち良く過ごせるようにフラッシュをたかないなどのルールを守って見てもらいたい。いつまでもいてほしい」と願った。

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