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金沢で出張輪島朝市 客と会話、出店者安堵 県外開催の依頼次々


 金沢市の石川県漁協組合金沢支所で23日に開かれた「出張輪島朝市」。今年も変わらずにぎわうはずだった朝市は、地震による大規模火災で現地での開催はいまだ見通せていない。それでも「またあのにぎわいを取り戻したい」と、輪島市朝市組合の組合員らは場所を変えて朝市の臨時開催にこぎ着けた。

 出店した組合員約40人は「がんばろう!輪島朝市」と書かれたおそろいのオレンジ色のコートを身にまとい、午前8時の開始に向けて準備を進めた。朝市で菓子や地酒を販売する「泉秀芳堂」の泉京子さん(75)は、地震で同県輪島市の自宅兼店舗が全壊し、現在は同県加賀市の避難所で暮らしている。同県珠洲市にある工場も断水の影響で商品生産ができない状態が続くが、この日は手作業でかき餅を200袋ほど用意した。

 開始直後から店前には多くの観光客であふれたが、その中に顔なじみの女性客の顔が見えた。思わず目が潤んだ。「会えて良かった」と堅く握手を交わし、「また輪島のあの場所に戻りたい。元通りにならなくても」と思いを強くした。

励まし1000件 5月開催目指す

 干物や珍味を販売した南谷良枝さん(48)は「直接お客さんと話しながら商売するのは約3カ月ぶり。幸せだった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。輪島朝市で17歳の時から出店しており、朝市は「人生の全て」。ただ地震で輪島市内にある工場が使用ができなくなり、一時は「もうできない」と諦めかけていた。

 「頑張れとはいわない。また店で買い物できるのを待っている」「よしえさんが作った商品が食べたい」――。気持ちを奮い立たせてくれたのは、メールやラインで寄せられた約1000件ものなじみ客からの激励の声だった。今後は金沢市に一時的に工場を作って商売をしながら、朝市再開を待つという。

 出張輪島朝市の実行委員会によると、この日は全国から約1万3000人が来場。県外からの出張依頼も相次いでおり、次回は5月の連休期間中の開催を目指す。【川畑岳志】

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