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「NHK経営委員長はすぐに辞任を」 かんぽ報道で録音開示命令


 かんぽ生命保険の不正販売を報じた番組を巡り、NHK経営委員会が会長を厳重注意した際の議事録や録音データを開示すべきかが争われた訴訟の判決で、東京地裁(大竹敬人裁判長)は20日、市民グループの請求を認め、NHKに録音データの開示を命じた。さらに開示を怠ったとして、NHKと森下俊三経営委員長に計228万円を支払うように命じた。

弁護士「議事録隠し明らか」

 「非常に画期的な判決だ」。判決後、東京都内で記者会見を開いた原告団の沢藤大河弁護士はこう語った。判決は、NHKが「ない」としていた録音データの公開に加え、森下委員長が開示義務を怠ったことを不法行為と捉えて損害賠償も認めた。その2点への高評価だった。

 問題の発端は毎日新聞の報道。2019年9月、経営委員会が上田良一会長(当時)を会合に呼び、厳重注意していた事実を報じた。その後、森下委員長(当時は委員長代行)が厳重注意で主導的な役割を担い、会合で「今回の取材は極めて稚拙」「NHKは視聴者目線に立っていない」などと発言していたと伝えた。放送法は経営委員による個別番組への介入を禁じており、森下委員長の発言は同法違反だとの批判が高まった。

 録音データの公開について、沢藤弁護士は「正規の議事録を作るには、内容の正確性を担保する録音データが必要。正式な議事録を作り終えていないのにその元となる録音データを消すなんてありえない。NHKはどうやって消したかを立証できない以上、裁判所は『現在も存在する』と認定した」と語った。

 また、判決は森下氏の対応についても言及。問題発覚後、野党のヒアリングに出席した際の発言をもとに、森下氏が「録音データの存在を認識していた」と認定。それにもかかわらず、開示する措置を講じず、原告側が文書開示を請求する権利を侵害しているとした。沢藤弁護士は「森下氏の行為は、番組への介入という放送法違反があったことを隠すための議事録隠しだったのは明らか」と改めて批判した。森下委員長は今月末で退任予定だが、沢藤弁護士は「現職の経営委員長の、職務における違法行為が認められたのは異例。森下氏は十分な反省と陳謝の意を表明し、すぐに辞任すべきだ」と訴えた。

 原告団の一人で元NHKプロデューサーの長井暁さんは「外部の圧力からの防波堤となるべき経営委員会が(郵政側と)一緒になって、執行部に圧力をかけた。公共放送としては痛恨の出来事だった」と語った。経営委員は首相が国会の同意を得て任命するが「問題が発覚した時点で、政府は森下氏を罷免すべきだったのではないか」と政府の姿勢を疑問視した。【平本絢子、屋代尚則】

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