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米議会、SNS大手幹部に集中砲火 「未成年の性的被害の温床」


 米国でネット交流サービス(SNS)を通じ未成年に性的画像を送らせる事件が深刻化している。1月31日には米上院司法委員会が、メタ(旧フェイスブック)やX(ツイッター)、TikTok(ティックトック)など大手5社の幹部を呼んだ公聴会を開催。各社のSNS運営手法に「利益優先で安全対策が不十分」などと集中砲火を浴びせ、SNS規制法案への協力を迫った。

 「あなたの手は血で汚れている。あなたの製品は人を殺しているのだ」。リンゼー・グラム上院議員は公聴会で、メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)を猛烈に批判した。

 グラム氏が取り上げたのは南部サウスカロライナ州で2022年7月、当時17歳だった少年が浴室で拳銃自殺した事案。メタの写真共有アプリ「インスタグラム」で同年代の女性を装った何者かにだまされ自らのヌード写真を送ってしまい、「画像を拡散されたくなければ金をよこせ」と脅されていた。少年の死後、彼のフォロワーだった弟やいとこにも「金を送らなければ画像を拡散する」と脅迫するメッセージが送られてきた。

 米国では、未成年を狙った同様の被害が増加。米連邦捜査局(FBI)によると、21年10月から23年3月にかけて少年を中心に1万3000件以上の被害報告があり、少なくとも20人以上の自殺が確認されている。性的画像を脅迫材料に、少女が性行為を強要されるケースもある。報告をためらい表面化していないケースも多数あるとみられる。

 被害の温床となっているのが若者の間で人気のSNSだ。メタは22年3月に子どもによるSNSの利用設定を親に管理させる対応策を導入し各社も追随した。だが、未成年の性的搾取問題に取り組む米非営利団体は「ほとんどの親はこの機能を使っていない」と効果を疑問視している。

 上院司法委員会は親による利用設定の義務化などを盛り込んだ法案や、被害者がSNS運営会社を訴え投稿削除を容易に求められる法案、有害コンテンツの流通をブロックする法案などを議論しており、公聴会で各社の幹部に協力するよう求めた。

 だが、ザッカーバーグ氏ら各社幹部は、犯罪防止のための取り組みを紹介したり、人々をネット空間で結びつけるSNSの価値を強調したりする一方、ビジネスの足かせとなる規制法案には慎重姿勢を示した。

 法規制が進まない背景には、利用者の投稿内容に関してSNS運営会社の法的責任を問わないと規定した「通信品位法230条」の存在がある。SNS上の「表現の自由」を守るための条項だが、有害コンテンツを野放しにしてもSNS運営会社は免責されるため批判が強まっている。公聴会では、議員から条項の廃止を求める意見も出た。

 公聴会には子どもを亡くした親たちも遺影やプラカードを持って参加。ザッカーバーグ氏が遺族に「申し訳なかった。あなた方家族が苦しんだことは二度と繰り返されるべきではない」と謝罪する場面もあった。【ワシントン大久保渉】

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