クリスマスが明け、商戦の舞台は「福袋」に移っている。26日には大手飲食チェーンが相次いで店頭販売を始めた。一方、早くも「メルカリ」などフリーマーケットアプリやオークションサイトには、グッズや金券といった購入直後の福袋の中身を転売する出品が続出。規約違反とみられるケースも相次いでいる。
全国に1000店以上を置く「ミスタードーナツ」は26日、大半の店舗で2400～5900円の福袋3種類を発売した。中身はドーナツ引換券と、ポケモンとコラボしたタオルやカレンダーなどのグッズ類。人気は高く、X（ツイッター）では「ミスドの福袋」がトレンドワードになった。
しかし、この日の午前中から、フリマアプリに「グッズのみ」もしくは「引換券のみ」が続々と出品された。引換券は割安な価格設定が多く、グッズか引換券のどちらかを目当てにした客が、要らない方を転売したとみられる。
広報担当者に受け止めを尋ねたが、「これまでご利用いただいたお客様に1年の感謝を込めて販売しております」と答え、転売については言及を控えた。
他にも26日には「ロッテリア」や「カレーハウスCoCo壱番屋」「サブウェイ」が福袋の販売を始めた。
このうち、ロッテリアでは、販売価格4500円と同額の食事券とリラックマのグッズをセットにした福袋を全国300店に用意した。しかし、発売から間もなく、フリマアプリやネット上には、食事券やグッズの出品があふれている。
こうした出品の中には、規約違反の事例も見られる。
福袋を事前抽選販売したマクドナルドは25日午前、抽選結果を通知した。当選者は1月1日以降に店舗で実際の福袋と引き換えられるという。通知後、ネット上ではこの「引き換えられる権利」が続々と転売された。現物が存在しないため「ご当選おめでとうございます！」と書かれた通知画面を添付するケースが大半だ。
ただ、メルカリやオークションサイト「ヤフオク！」の運営側はいずれも、「現物が手元にない状態」での商品の出品を禁じている。運営者が禁止行為に当たると判断すれば削除するとガイドラインにはあるが、実際には購入や落札が成立しているケースも散見されている。【小林遥、春増翔太】
