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「死刑になっても、お父さんは帰ってこない」 王将社長射殺10年


 「餃子の王将」を全国展開する王将フードサービス(京都市山科区)の社長だった大東隆行さん(当時72歳)が射殺された事件は19日、発生から10年を迎えた。事件現場では早朝から、大東さんと親交のあった人らが花を手向け、遺族は「犯人が捕まっても、お父さんは帰ってこない」と声を詰まらせた。

 大東さんは2013年12月19日午前5時45分ごろ、山科区の本社前にある駐車場にいたところを拳銃で撃たれ、殺害された。特定危険指定暴力団・工藤会系組幹部の田中幸雄被告(57)が22年に殺人などの罪で逮捕、起訴されている。

 この日、大東さんの次女真弓さん(52)は、花束と自身の娘から預かった風車を携えて現場で手を合わせた。家族は仲が良く、大東さんは子どもや孫たちが大好きだったという。そんな幸せな生活を奪った凶弾。「一瞬でいなくなった。まだ信じられない」

 あの日から10年が過ぎたが、今も毎日のように父のことを思い出す。「10年前と、気持ちも心も何も変わらない」。それでも、つらい時や悲しい時、現場に足が向く。「犯人が捕まっても、死刑になっても、お父さんは帰ってこない。しゃべりたいこともあったのに」と悔しさをにじませた。

 事件については、田中被告の動機に加え、背後の指示系統などが明らかになっていない。真弓さんは「家族がみんな苦しんでいるのに、のうのうと生きていることが許せない。早く進んでほしい」と捜査の進展を願った。【水谷怜央那】

長男・剛志さんのコメント要旨(府警通じ公表)

 一生忘れることのない、当たり前の日常が一瞬で奪われたあの日から長い月日がたちました。

 世の中には理不尽にも家族、身内、大切な人の命を奪われた方が多くおられる一方、その加害者が何の苦しみもなく、のうのうと生きているという許しがたい現実もあります。

 この、私たちが受ける果てしない苦しみ、悲しみ、ぶつけどころのない怒り、憎しみから、何年たとうが、解放されることはありません。

 「なぜ父の命を奪ったのか」、つらく、悲しく、ただただ私たちは生きてきました。心から笑える時は一生ありません。

 事件後から今まで多くの方々から、私たち家族にとって心の支えとなる温かい言葉をいただき、本当に感謝しています。

 今後、裁判が始まりますが、犯人には極刑以外あり得ません。

 しかし、極刑が下ったとしても、当たり前ですが、以前の父との日常に戻ることはありません。

 警察の方々には少しでも早く、犯人の背後関係を含め、真相解明を強く望みます。大東剛志

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